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超常現象短編 閉ざされていた香の記憶

作者: 山路 蓮

 作者がある方から聞いた体験談を元にして、作者がなろう風に加筆編集したものです。尚、これはその方が初めて語ってくれた体験談で、本人から掲載承諾を頂いています。

お名前や場所は変更しています。


______誰にでも、頭からすっかり抜けている記憶があるものです。これは今まで誰にも話さなかった、私と兄二人だけの体験です。


 私の名前は葉山夕子(仮名)。この春からOLとして社会人になりるフレッシュレディ。

私は大阪の都会に憧れて謀大学に入学、3歳年上の裕司アニキと、大阪市内のアパートに住んでいましたが、この春から会社の寮に入ります。


「夕子もこれで晴れて社会人、これから俺は一人かぁ。飯、いよいよ自分で作らにゃならんのかぁ」

「ふふん、妹の有難みをとくと味わうがよいのだ」

今迄は、私が兄貴の弁当まで作ってあげていたのです。


「冗談はともかく、早く結婚しなよ~。25歳ならもう彼女とか、いるんでしょ?」

「お前なぁ」

 そう、私は兄貴に彼女がいない事を知っていて、揶揄(からかって)いるのです。


 兄貴が会社から帰宅すると、私が入社するまでの間の一時、そんな話をしながら兄貴は居間でテレビ、私はキッチンで夕食の準備をしていました。


「おい、夕子、玄関を閉めてくれ。開いているだろう。3月とはいえ、まだ寒いんだから」

 え?

私はちゃんと玄関を閉めていた。何故ならキッチンの横が玄関なのだから、見間違えるワケがないのです。

「兄貴ぃ、ちゃんと閉まって......い」


 はひぃ

「どうしたんだ夕子?」

居間からヒョイと顔を出した兄貴と、私の間には白い子供? 猿? が立っていたのです。


アーモンドのような大きな黒い目、鼻は孔だけで口は極端に小さく細いのです。

 おわぁ!


 私も兄貴もそこで時間が止まり、凍結したように身動きが出来なくなっていました。

白い体は約1m、細く長い手と長い足が、この世の生物ではないと確信出来ました。もちろん兄貴も同様で、口をパクパクさせているだけです。


その白い何かは、私と兄貴を交互に見つめると、やがて一瞬で消え去ったのです。

 グツ

  グツ

 私が作ったお鍋のシチューが沸騰している音。

 はっ?

 私と兄貴は、そこで我に返ったのでした。


「兄貴、今の見た?」

「夕子も見たんだな。しかしどうして俺の部屋に、あんな奇妙なものが?」

この不思議な体験は二人だけの秘密として、心の奥にしまい込みました。誰かに話しても無駄だからです。


 でも不思議だと思ったのは、私は冷めたシチューを弱火で温め始めたばかりで、沸騰してしまうまでは、いくらなんでも10分はかかる筈です。

どうも時間経過に、空白があるように思えました。


______それから私は無事社会人となり、謀会社の寮に入って二週間、世間はもうすぐGW。

「ふぅ~、今日もようやく終わったよ。新人は覚える事が多くて。うん、今晩は久しぶりにシチューがいいかな」


 グツ グツ

  コト コト

やがてシチューの美味しそうな香が......

 あっ!


「なんて事! 私と兄貴はずっと以前に、あの白い生物にアブダクションされていたんだ! そしてアイツは、アイツは私と兄貴を調べに来た! そうよ、そうだったんだわ」

思い起こせば、あの時もシチューを作っていたのです。


 一度はあの白い生物に、記憶を消されて戻された。しかしシチューの香が、あの恐ろしいアブダクションを思い出させてしまったのでしょう。

その話を兄貴が否定する訳もなく、これも私と兄貴の秘密として封印したのです。


______でも私は今迷っているのです。

それは大好きなシチューを今後作った時、まだ思い出していない記憶があったとしたら......それを考えただけでもゾッとするからです。


 しかし、本当はまだ全ての記憶は戻ってはいなかった。

子供の時、誰かによく追いかけられたり、腕に覚えのない針で刺したような跡があったり鼻血がよく出たり、記憶が飛んで居る事が沢山ある事に気づいたのです。

なぜそんな事が分かったのか。

それはMRI。

兄と私の脳の奥深くに、米粒大の異物がありました。それは二人共、形が星型で腫瘍ではなく間違いなく人工物のように見え、脳外の医師も考えられないと頭を抱えていました。

どの道、オペが出来ない領域なので、そのまま経過観察となったのです。


 PS

止まっていた身長が、今になって突然3cm伸びたのもこの異物のせい? かもしれません。

______アブダクションされた人間は、監視されて何度も検査されていると訊いた事があります。


 2025年3月、新しい情報を訊きました。

 21年前の愛知県でのUFO目撃体験談です。

夕方、窓から空を見ると、曇り空にみかん大の言いようのない鼠色の物体が、ピュンピュンとジグザグ飛行をしていました。

この時、これは絶対にUFOだと確信し、すぐ母親を呼んだのですが、母親が来た時はもう消えていたそうです。

当時の携帯で写真を撮りたいと思ったそうですが、間に合わなかったといいます。

UFOの形は黒っぽいのですが、それを絵にする事が出来ない程、見た事のない形だったそうです。

それとジグザグ運動をする理由は、一体何故なのか。動力に関係している? 私が目撃したUFOは、完全に静止していたんですが。

私が思うに、グネグネと形が変わるUFOで、実際Netにも動画でアップロードしていた物を見た事があります。恐らく、そんな形だったのではないかと。

 この話も初めてされたそうですが、いつもより興奮されていました。

写真があればと私は、非常に残念な想いで一杯です。

しかし何故、この人には不思議な体験が多いのか、それも説明が出来ませんが。






 作者の超常現象、心霊現象体験

私は大学生時代に心霊写真が撮れてから、その後も何度か心霊写真が撮れました。

詳しくは折を見てまとめて掲載するかも知れませんが、2024年に体験した話をします。


 そこは馴染みの会社で、年に何度か訪れています。

受付のお姉さんは美人で、その会社に行くのは、私の楽しみでもありました。

ある日、チラっとお姉さんを見た時、驚いて私はサッと視線を伏せました。

何故なら、そのお姉さんの顔が、妖怪ババのような恐ろしい顔になっていたからです。本当にびっくりしました。

暫くしてもう一度見ると、元の奇麗なお姉さんに戻っていました。

私の幻覚と言われればそれまでですが、瞬間的に悪霊に憑依されたのでは? と思ったり。

他にも幻覚や妄想で説明できない体験があります。



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