食料探し!!!
翌日、タケルと澤北は村の周りを探索し、食料を探すために出かけた。彼らは山や川へと足を運び、食べられる野草や木の皮を集めることにした。
「さて、行くか!」タケルは元気よく叫び、澤北を引っ張るようにして出発した。
「お、おい、そんなに急ぐなよ…」澤北は息を切らしながらタケルに追いつこうとする。「俺、そんなに体力ないんだって…」
「大丈夫、大丈夫!少しずつでいいんだよ!」タケルは笑顔で澤北を励ました。
最初に訪れたのは山のふもとだった。タケルは野草を探し始め、澤北もそれにならった。
「これとか食べられるのかな?」澤北は一見普通の草を指さした。
「さあ、どうだろう?試してみる?」タケルはにやりと笑った。
「いやいや、俺は鑑定スキルを使って確認するよ!」澤北は草を手に取り、集中した。
「これは…食べられるけど、あんまり美味しくなさそうだな」と澤北はため息をついた。
「じゃあ、次行こう!」タケルはすぐに次の草を探し始めた。
その後も彼らは野草を次々と鑑定し、食べられるものを見つけては集めた。途中、タケルは木の皮を見つけ、「これも食べられるかな?」と澤北に尋ねた。
「ちょっと待って、鑑定してみる」澤北は木の皮に集中し、「食べられるけど、調理が必要だな」と答えた。
「じゃあ、これも持っていこう!」タケルは元気に木の皮を集め始めた。
川に着いた時、澤北は息を切らして座り込んだ。「ちょっと休憩しよう、タケル…もうヘトヘトだよ」
「うん、そうだね。ここで少し休もう」タケルは笑顔で澤北に水を差し出した。
休憩中、澤北はタケルと共に見つけた食料を確認しながら、次の場所を考えた。「これだけじゃ村を救えないけど、少しは役に立つかな?」
「もちろん!少しずつでも前に進むことが大事なんだよ!」タケルは澤北を励ました。
再び探索を始めた彼らは、川の近くで珍しい野草を見つけた。「これも食べられるかもしれない。鑑定してみて!」タケルが言うと、澤北は再び集中した。
「これは…食べられる上に栄養価が高い!」澤北は驚きと喜びの声を上げた。
「やったね!これで村のみんなも元気になるよ!」タケルは大喜びで野草を集め始めた。
タケルと澤北が山や川で集めた食料を持ち帰り、村で配り始めると、村人たちの反応は徐々に変わり始めた。澤北が見つけた食べられる野草や木の皮を使った料理は、質素ながらも村人たちの飢えを少しでも和らげていた。
ある日、澤北とタケルが村の広場で食料を配っていると、子供たちが無邪気に駆け寄ってきた。
「タケルお兄ちゃん!澤北お兄ちゃん!また美味しいもの持ってきたの?」一人の小さな女の子が嬉しそうに尋ねた。
「うん、今日はこれを見つけたんだ!」タケルは笑顔で答え、野草や木の皮を見せた。
「わあ、すごい!ありがとう!」子供たちは目を輝かせながら、澤北とタケルの周りを囲んだ。
大人たちも少しずつ集まり始め、感謝の言葉を口にする村人が増えてきた。
「本当に助かるよ。澤北さん、タケル、ありがとう。」年配の女性が微笑みながら言った。
「この野草、前に食べたことないけど、美味しいね。あなたたちのおかげだよ。」別の村人も感謝の意を表した。
一方で、まだ疑いを持つ村人たちもいた。
「本当に異世界から来たっていう話、信じていいのか?」若い男が仲間とひそひそ話しているのが聞こえた。
「でも、彼らが見つけた食料で少しは飢えが和らいだのは事実だろう?」別の男が反論する。
「まあ、そうだけど…まだ完全に信用できるわけじゃない。」若い男は渋い顔をしたまま言った。
その時、子供たちが澤北に飛びついてきた。「澤北お兄ちゃん、また面白いもの見つけてきてね!」
「う、うん、頑張るよ…」澤北は照れくさそうに答えた。
村人たちの間には感謝と疑いが混ざり合っていたが、感謝の声が徐々に大きくなっていくのを澤北は感じた。
「これからも村を救うために頑張ろうな、タケル。」澤北は決意を新たにした。
「うん、一緒に頑張ろう!」タケルは笑顔で澤北に答えた。
澤北とタケルが食料を配り終えると、村人たちの感謝の言葉がさらに増えた。
「澤北さん、本当にありがとう。あなたが来てから、少しずつだけど希望が見えてきたよ。」一人の若い女性が感謝の気持ちを伝えた。
「これからもあなたたちを応援するよ。村のために、ありがとう。」別の村人も感謝の意を示した。
澤北の人生の中で初めて感じたものが湧き上がってきたが、これが何なのか全くわからなかった