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『おはよう。』

 ぼんやりと淡く、ただただ心地の良い場所を漂っていた。

 そこに意識はなく、思考もなく、認識することもなければ、されることもない──はずだった。

 あるかもわからない次を待っているだけの空白期間。

 意識がないのに『待っていた』と表現するのはおかしなようだが、それ以外には形容できない。


「────────。」


 その時不意に、ただなんとなく呼ばれた気がした。

 求められたように感じたから、それに応えたいと思って。

 その声に、手を伸ばすことにした。




※※




 ふと気がついたら、そこにいた。

 全てが真っ白な空間。

 そこがどれだけ広いのかを、見渡しただけで判断することはできない。

 一定の広さがある部屋のようにも感じるし、無限に広がっているのではないかとも思える。

 これは所謂、トリックアートと呼ばれる物の類なのだろうか。


 景色をじっと見つめていると、なんだか視界が明滅するような感覚に陥りそうになる。

 そんな不思議な場所だった。

 昔読んだ漫画でこんな部屋があったような。

 修行するにはうってつけな、あの白い場所……。


 ぼんやりと結構な長い時間を耽りつつ。

 そこでふと、急に思い出したかのように、自分がパイプ椅子のようなものに座っていることに気づいた。


 はて、これはいったい。

 学校の体育館なんかで使ったことがあるような、探せばどこにでも備品として存在している感じな普通のパイプ椅子だ。

 本当に何の変哲もない。

 なんなのだろう、これは。

 視力が急激に悪くなりそうな景色から目を逸らし、瞳を閉ざす。

 そうしてからゆっくりと、いまいちはっきりしない思考を覚醒させるため、まずは状況の整理から始めてみることにした。


 名前は?       (すずみ) 悠介(ゆうすけ)

 歳は?        腐りかけの十八歳

 ここはどこ?     わからない

 何してたんだっけ?  思い出せない


 それから五十音を『あ〜ん』まで順番に、丁寧に頭の中で唱える。

 よし、大丈夫。

 なぜか自然に付随した「腐りかけ」というワードが少し気にかかるが、きっと取り留めのないことなんだろう。

 思い出そうとしてもなかなか記憶から引っ張り出せないものは、忘れるくらいだから特に重要なことじゃないはずだ。


「う…………ん?」


 思考がざらつくような、変な感覚が拭えない。

 だがとりあえず、うん、頭はしっかりしてるっぽい。

 違和感を抱えながらも脳みその回転がみるみる速くなっていくのを感じる。


「あ……あ…………、あー…… 」


 声を発してみると、こちらもすんなり出てくれた。

 自分の肉声が確かに鼓膜を叩き、改めてこのよくわからない空間に己の体が存在していることを実感。

 次、手のひらを見る。

 手がある。


「そりゃあるだろ」


 つい呟く。

 指紋も、手の皺も、きちんと刻まれている。

 ささくれひとつない、見慣れた手のひらだった。

 明らかになっていく自身の状態とは裏腹に、この肉体が置かれている状況はますますわからなくなっていく。

 こんなところで自分は何をしているんだろう。

 両手をまじまじと俯瞰しながら、もう一度あたりを見渡そうと顔を上げる──と、すぐ目の前。


 正面に、女の人がいた。

 居た、というよりは、出現していた。


「…………え」


 手のひらにかけた言葉とはまた違ったベクトルで、驚きの声が口を衝いて飛び出ていく。


 自分とパイプ椅子しか存在しなかったはずの空間に、いつの間にか現れていた──としか思えない。

 なぜなら視界に入った今の今まで、彼女の音や気配は、一切感じなかったのだから。 

 白一色のこの空間で、まさか見落としていたなんてことはまずありえない。

 いくら意識が逸れていたからといって、ここまで気取られずに姿を現すことなど不可能だろう。

 なら、どこから出てきた?

 もしかしてニンジャ?

 あいや、女の人だからクノイチ……──いやいや、そんな場合じゃない。


 彼女は業務机のようなものに座っていた。

 こちらも同様、さっきまで存在していなかったものだ。 唐突に具現化されている。

 堅苦しい印象の机上。 足をぶらぶらとさせ、何とも言えない表情で腰を据えている。

 椅子にではなく、机の上。 直にだ。

 行儀が悪いな、単純にそう思った。

 どこから持ってきたんだよ、とも改めて思った。

 それを言い出したらまず自分だってどこから来たんだ?

 なにもわからない。

 こんな状態でもう数拍、彼女と視線だけを結び続けてしまっている。


 飾りっ気のない白のブラウス。 肌に吸い付くようなデニムパンツ。

 一見なんてことない清楚で爽やかな服装だが、その清涼感を全て掻き消すぐらい、彼女の存在感、雰囲気、何もかもが異様だ。

 まだ肌寒い今日の空気には、とてもじゃないが合っていない薄着を泰然と着こなしている。 という不気味な第一印象を皮切りに、些細な箇所まで疑念が芽吹いていく。


 全ての比率を理想に合わせた様な整いすぎている顔立ちが微かに綻んでいる。

 優しげな垂れ目。 にやけた口元。 これらが持ち味ですと言わんばかりに目立っている。

 体型はいやらしさを過剰に煽るわけでも、かといって乏しさを感じさせることもない。 本当に丁度良いという一言がしっくりくる素晴らしいプロポーションに映る。


 これらはもちろん全て良い意味なのだが、どうしても言語化できない警戒が、思考を硬直させる。

 状況さえ違えば、もっと素直に「美人だなあ」なんて月並みな感想で終わっていたろう。

 ただ、目の前の彼女に対して抱くのは、一人の女性としての魅力というより、もっと根源的な──


「こんにちは」

「………………っ」


 目の前、謎の女の第一声。

 不意をつくようなそれが、耳から入って──なにも出てこない。

 ぽく、ぽく……。 と流れていき、結果的にはいきなりにして、無視をしたことになってしまった。

 途端。 余裕な笑みを浮かべていた彼女の端正な眉根、それがまさに急落と言える勢いで下がり、だるそうに瞬かれていた瞳には見るからに不安気な色が浮かぶ。


 うっ、ちょっと待って、そんな顔しないでくれ……っ。


 彼女のなんとも言えない表情に、速攻で後悔と罪悪感が芽生えてきたが、依然として無表情を貫き通す。

 喉のここまで言葉が出かかってるのに、どこか、目の前の存在に対する躊躇がいまだに勝っていて。

 どどどど、どうしよう。


「や、やあ。 あのー、こ、こんにちはー…………ぁぅ」


 年下にも見えるし年上にも見える、同じぐらいだろうか、気怠げに瞬かれる瞳はそのままに、彼女はめげずにおずおずと声をかけてくれたので、


「あ……こ、こんにちは」


 わけのわからない謎な状況はともかくとして、こんな美人と二人きり、シカトし続けられるほどの心の強度は持ち合わせていない。

 流石にいたたまれなくなった。

 お互いぎこちなく、はじめましての挨拶。


「わあ。よかった、あいさつが返ってきた」


 そう言って、肩ほどにまで軽くかかったフワフワとした髪を跳ねさせ、彼女がにへへと笑顔をみせる。

 ああ、挨拶返してよかった。

 こんなふうに思ったのは小学校の登下校のとき以来かもしれない。


「ねえ、元気?」

「はい! 元気です!」


 今度は不甲斐なかった先ほどとは逆に、脊髄反射並みの速度で声を捻り出し大きく返答。

 甲高くうわずったそのマヌケな受け答えに、謎の女性は小さく笑う。

 笑顔に少しだけ緊張がほぐされ、いつもの調子が戻ってくる感じがした。

 不可解な思考のザラつきは未だ拭えていないが、それでも確かな余裕が生まれている。

 胸の動悸、忙しなかった視界、どちらも落ち着いてきた。


「や〜、無視されちゃって悲しいくて、どうしようかと思っちゃったよ。 ほんとにね」


 彼女は困った顔をしたが、その表情からこちら対する嫌悪感などは一切感じられなかった。

 それどころか、なにか楽しそうに目を細めている。


「本当にごめんなさい悪い癖でこう考え込んじゃうと周り見えなくなっちゃうんです悪気はなかったんです」


 そんな彼女に、またも加速を保った弁解。

 美人を相手に少々早口気味に、一息での謝罪にはなってしまった。

 すぅ……と、一呼吸を入れ。

 逸る気持ちを落ち着かせて謎の女性に向き直る。

 彼女はうっすら微笑みながらこちらの様子を伺っているようだった。


「さて──準備はいい?」

「まあ……はい、なんとか」

「では、何から始めようかな」


 肩をほぐすように首を左右に揺らし、軽い準備運動なのか手首を鳴らす謎の女性に対して、両の手を握りしめて膝に添え、心持ち姿勢を整えるように意識をしてみた。

 こういう真剣そうな場面で前傾気味の背筋をしゃんと伸ばすのには、昔から少し間がいるんだ。


「じゃあ何か、君の方から聞きたいことはあるかな? 簡単な質疑応答から始めようじゃないか。

 あるだろう? たっぷりと。

 無い方がおかしいさ、いっちょ気楽にいこうな」


 彼女は腕を組み顎に手を当てて少しの間悩む様子を見せた後、そう言って質問を促した。

 やけにフランクだな。

 急激に砕けすぎている口調に胡散臭さを覚えながらも。

 質問……聞きたいこと……。

 

「シンキングタイム挟む?

 百二十秒くらいほしい?」


 言葉を聞き流すほどに集中してみるが、一周回って何も思いつかない。 というのが正直なところではある。

 さっきからの変な頭の冴えは、きっとそこからきているんだろう。

 冷静に事態を受け止めていると言うよりは、狂乱せずに事態をこなすために思考が停止している。

 今の状態を表す言葉としては、そのほうが正しいのかもしれなかった。


「えっと……、じゃあまず、ここはどこなのでしょうか?」

「うーん、そうきたかぁ。 いやぁなんて答えたらいいか、うぅん」


 わかりやすく手っ取り早いところから始めたつもりだったが、この質問はどうやら難しいものだったらしい。

 彼女は少しの間うんうん唸り、


「ここはね、世界と世界の間にある私のプライベートルームみたいな場所だね。

 どこにでも存在するけどどこにも存在しない中立な場所。 って感じかな? わかる?」

「……っ。 わ、わかんないです」

「うーん、やっぱり?」


 息を呑む即答に、悪戯っぽく笑いかける彼女。

 思わず握り締めた拳の内に、ぼんやりとした熱が籠る。


 何を言っているのだろうか、このお方は。

 世界と世界? 

 なんだよそれ、そんなのまるで……。


 一つの憶測が喉の奥まで出かけたが──その仮説はそこまでで無理やり中断する。

 そんなことあってたまるか、これから華の大学生活って時に。

 ないないないない。

 あってはならない。

 気を取り直し、次の質問に移る。


「あなたはいったい……なにもの?」

「神だよ」

「…………ええ」

「ペーパーじゃなくて、ゴッドね。 伝わるかな」


 随分はっきりと言い切ったな、おい。

 神。

 神って。


「厳密に言うと少し違うんだけれど、君にわかりやすく表現するなら、私は神さまってことになるね。

 女の神だから、さしずめ女神ってところかな」

「そんな女神様がこんなところでいったい──」

「あ、ちょっといい?」


 質問を続けようとしたところで、女神様に遮られた。


「さっきから、『あなた』とか、『女神様』とか。

 そんな堅っ苦しいのだと呼びづらくない?」

「そんなこと言われましても。

 女神様のお名前を知らないですし」

「おーおー! ならしちゃう? 自己紹介」

「ええ、わかりました。 では……名前。

  (すずみ) 悠介(ゆうすけ)です」


 簡潔に絞り出したセリフ。

 続く言葉も思い浮かばず、打ち切られたような余韻がほんの五メートルもない二人だけの空間に漂う。

 感じ悪い印象を与えてしまっただろうか、と緊張する。

 だが受け取った当の彼女は、


「うん、知ってる」


 目尻に無機質な輝きを宿し、続けざま、


「私の名は──君に決めてほしいな、悠介」


 と言って微笑んだ。

 言葉をなくすこちらを見やり、笑った。


 ──なにを言って……。


 急激に体が冷えていく感覚を得る。

 ひどい貧血にでもなったような眩暈。

 ここにきて、やっと実感として理解できた。

 目の前にいる()()は、確かに神であるのだと。


「…………」

「あはは、ごめんね。そんなに重く捉えないでよ、別に君を揶揄っているわけじゃないんだ」


 女神様は組んでいた腕をほどき、否定のアピールなのか手をひらひらとさせた。

 その動きに連動し、彼女の絹のような細やかな髪がまた、ふわふわと揺れる。


「ほらあれだ、仲のいいもの同士で呼び合うあれだよ。

 確かそう『あだ名』だ、そんな感じのノリでさ。

 会話をする上で君が少しでもやり易くなれば、それで良いんだよ」

「……でも、あなたのようなものに名付けだなんて。

 流石に少し抵抗があるのですが」


 理屈も理解も思考から排除し、会話を進めることに専念する。 止まってはいけないような気がした。

 震える唇が意味のある言葉を紡いでいるだけでもまだマシだと思えた。

 『神』を名乗った存在を相手に、よくやっていると言えるだろう。


「いいんだよ? なんでも。 

 もうほら、じゃあさっきのでいいじゃん、私の第一印象!

 フカフカだかフニャフニャだか、なんかあったでしょそんなの」

「もしかして、フワフワ……ですか?」

「そうそれだよ!」


 煮え切らない様子を見かねたのか、女神様はそう楽しげに叫び、ポンと手を打ちニコッとスマイル。

 可愛らしい仕草に和む雰囲気に反して、背けようのない違和感が募る。

 確かに何度か、艶のあるそのヘアを指して、フワフワした人だなとは思ったような気はする。

 けれど、口にしていただろうか……?


「フワフワ。 フワっ、フゥ〜〜〜ワっ。

 おお、やっぱりいいね。 響きが良い、特にね」


 そもそもの話、この白い空間では最初から、感覚というものがいささか乏しいような気がしてならない。

 手のひらは確認してみたとおりだが、声というものはどこか淡く遠い感じがするし。

 体温だとか、そういった細かい、普段は意識もしないような生きてる感覚そのものが、なんだか全体的に薄く感じてしょうがない。

 ()()()が、よくわからない。


「あ、あの、もしかして声に出してましたか? その、フワフワしてるな……って」

「いんや。 出してないよ、私は聞いてない」

「です……よね」

「そんなに気にすることではないかな。

 なんせ、これでも一応女神様だからね」

「え、いや。え?」

「超すごい読心術だと思ってくれればいいよ」


 足が震え、思考が冷えていく。

 恐る恐る尋ねた疑問へ、何も不思議なことではないようにさらっと答える女神様。

 たおやかに胸を張り、薄く笑みを湛える彼女の眦が一瞬だけ、冗談ではない温度を帯びた気がした。

 ……そんなのアリかよ。


「でも安心してくれ、正確に全部読み取れるわけではないんだ。

 私が相手に集中してかつ相手との波長があったときになんとなく感じ取れる程度さ。

 とゆわけで、気にしないでくれて構わない。

 こんな場所で二人っきりだからできるってのもあるだろうし……ね?」


 そんなこと言われても全然納得できないのだけど。

 心を読まれているというのなら、今感じている疑いや恐怖すらも、女神には筒抜けなのだろうか?

 ……試してみるか?

 まずは手堅く下ネタから──


「君って慎重そうに見えて、実は結構面白い子なのかな?」


 うわ、やっぱり読まれてる……?


「読んでないって」

「読んでるじゃん!」


 ここに来て一番大きな声が出た。

 飛び出した鋭いツッコミは、純白の空間をどこまでも響き渡っていく。

 気恥ずかしさを紛らわすように、はあ……、と妙に馴染むため息をひとつ。


 こんなことをされてしまったら、もはや警戒するのもバカらしい。

 探りを入れるのも、ビクビク怯えるのも、全部無駄ってことじゃないか。

 だったらもう、しょうがない、


「わかりました。 続けましょう、質疑応答。

 まだまだ聞きたいことがあります」

「おう、そうこなくちゃ」


 気のいい女神様を見据え、強がりでも、ハッタリでもない笑顔でもって答える。


 よし、再開しよう。

 えーと、次は何を聞こうとしたんだったか。

 確かこの場所は世界と世界の間かなんかで、それで。

 ああ、そうだ。


「女神様は、こんなところで一体何を?」

「フワフワだよ」


 遮られる。


「フワフワ様はこんなところで……」

「フ・ワ・フ・ワ!」


 それ以外は認めない!!

 と駄々っ子のように足をバタバタとさせる女神様。

 もとい、フワフワ。

 これまで丁寧に一枚一枚重ねられてきたミステリアスな雰囲気が、メッキのごとく剝がれていく。

 ベリベリと音が聞こえてきそうだった。

 

 ……なるほど。 だんだん理解できてきた気がする。

 彼女が、女神様がどのような性格なのかを。


 胸中でひっそりと「気のいい」から「めんどくさい」に印象を下方修正し、思索を続行。

 そうだ。今はとにかく、この状況を把握することがなによりも先決だ。

 無理やり自分を納得させ、次の質問をしようと口を開こうとした──その時だった。


「私は君を待っていたんだよ、涼悠介くん」

「…………へ?」


 もう待てないとでも言わんばかりに、フワフワはピシャリとそう放った。

 待っていた。

 女神様とやらが、待ってた?

 こんな場所で。

 こんな、明らかに現世とは隔絶されたヘンテコ空間で?

 まさか、それってやっぱり。

 

 はじめに無理やり断ち切った考えが、再び頭の中をよぎる。

 急激に思考が滑らかになって、気持ちが溢れて、頭の中がごちゃごちゃする。

 なんとなく後頭部あたりに鈍い痛みも感じるようで──気分は良かったはずなのに、何か変だ。


「待ってたって、何のために。

 俺はなんで……こんな場所にいるんだ……」


 最初から、それが一番訊きたいことだった。

 無意識に避けていた質問でもあった。

 意図せず声が戦慄く。

 わずかにでも機能する意思を残した理性が、割れんばかりの警報を全力で鳴らしている。


「俺はどうやって、ここに来た……っ⁈」


 だがもう、後には引けなかった。

 目を逸らすにはあまりにも鮮烈な、醒めるような純白の中で微笑む女神が、逃れようとする意識を離してはくれなかった。


「何で君がここにいるか、それは君が死んだから。

 死因は……よく思い出してみて、すでに記憶の糸は辿れるはずだ。

 私が何のために待っていたのか、それは君を転生させるためなんだよ。 涼悠介くん」


 ──ああ。

 薄々勘づいてはいたが。

 まさか、本当にこんなことになるなんて。


 ここにきてからずっと考えないようにしてきた俺にとって受け入れ難い事実を。

 あまりにもあっさりと、フワフワは告げた。

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