第四話:オレ氏、クソビッチに説教かますでザマスよ
消すって別の作品で書いておいてなんだけど、ユニークアクセスが思ったより有ったので連載再開することにしました。
書き溜めとかないからその日の気分で更新するかしないかやりますので、よろしくお願いします。
前回のあらすじ!
●ビッチ奇行で城の備品の壺割る。→人の所為にして責任を擦り付ける。
星の巫女とは、この世界──イン・トゥルフを救済する勇者を導く為に彗星レファールから選ばれた人間であり、世界滅亡を止める星々から選ばれた救済装置でしかない。
人が夢を見るように星もまた夢を見て、一人の少女へその運命を託す。
それは、あまりに無慈悲なモノであったが、星々は救済を歌い続けるだろう。
これは、このイン・トゥルフにおいて最も古い言い伝えだ。
◇
「おーいビッチ、ついて来るなよー」
このビッチ、先ほどから着いて来る。
しかも、お覚悟決めましたって面になってるし。
ハッキリ言ってその姿はキメェと思うが、多分、彼女が成長期を迎えたパツキンJKに見えたからだろう。
「つい先ほど、女神ヨグ様から神託が下さりました。どうやら、私はアンタと離れることが出来ないらしいのよ……」
なんかヤベェ電波受信して、気落ちしてる。
生理的に無理って顔で、こちとらゴ●ブリか何かの扱いだ。
ヒデェ。
「そのよー。離れることが出来ないって具体的にどのくらいまで離れられないんだ?」
いつまでもこうして無駄な時間を費やしても埒が明かないので質問してみることにした。
「わ、かんない。離れようとするとヨグ様が魔法を掛けて出来なくするからやるなよって言ってくる」
何なのって愚痴こぼしてるけど、こっちが何なのだわ。
え? じゃあ、オレ、コイツと四六時中ずっと一緒なの?
風呂もトイレも一緒なの? この世界の女神ヨグ様とやらは馬鹿なの!?
ボカン!
そんなことを思ってたら、突然、暴力女に殴られる。
「イテェ! 何、すんだ、ゴラァア!!!」
「ヨグ様からまた神託が下さったわ! 殴れ、神罰じゃっと言っておられたわ!」
コイツ、女神とやらの名を借りてオレを殴りたいだけなんじゃないのか?
もしそうならオレは軽蔑するね!
まあ、元から信用なんかしちゃいないけどな!
「ウゴゴゴゴ! もう良い! この際だからどうでも良い! 兎に角、これからどうするんだって話をしよう。マジでオレ、何すれば良いの?」
もう魔王とかそういうのは嫌なんだけど。
そういう暴力的なことはオレしない主義なんだよねー。
「さあ? 私としてはこのままさっさと魔王城に突撃して魔王倒してくれるとありがたいわ!」
他人事のように言うビッチ。
あーあ。やっぱり誰にでも尻振るビッチだわ、コイツ。
突然、異世界に召喚されたこっちの身を何一つ気遣っちゃいねぇーんだもん。
そりゃあ、恨まれたって文句は言えないと思うんだけど。
「そんな他人事みてぇに言ってるけど、仮にもお前は星の巫女ってやつなんだろ? もっと、そういうのは慎重にならなきゃいけねぇーんじゃないの?」
「良いの。私の冒険はもう終わったから」
何やら悟った面してやがる。
「は?」
なんかムカつく顔だ。
「どうせアンタみたいなのと魔王討伐の旅に出たところで何処かのモンスターにぽっくり殺されるのがオチよ。見たところ、アンタ、何も出来なさそうじゃない」
諦めた顔だ。
オレに何の期待もしちゃいないっていう自分勝手な感情がにじみ出てた。
「は?」
「だって、そうじゃない! 見るからにヒョロッちぃ身体してるじゃない。何の努力もしたことがないって顔してる。見てりゃ分かるわ」
いきなり許可もなくオレを召喚とやらして呼び寄せておいてこいつは何を言ってるんだ?
失礼にも程がある。
それに、その諦めたって顔が何よりも気に入らない。
まるで、生前のオレを見てるかのようでとても腹が立つ。
「だから?」
「もう良いわ。私、アンタに期待しない。期待したところで無駄じゃない。どうせ口だけで困ってる人がいたところでアンタは自分の身欲しさに逃げるんでしょうし」
悟ってる。
私、正論言ってるんだぜブームとやらが炸裂してる!
コイツぁあ、痛い。痛すぎるぜ。
でもってオレが一番、嫌いな類の人間だ。
「あっそ。んで?」
コイツの人生に何があったとか、初対面の人間に分かる訳もないし気遣う必要もない。
だから、オレがこれからすることは何一つ悪いことだと思わない。
「死になさいよ。今すぐ、何処かのダンジョンかなんか行って無様に死ねば、もしかしたら新しい勇者が召喚出来るかもしれないわ」
本当、どんだけコイツは自分が正しいと思ってるんだろうね。
だから言ってやることにした。
「オレの名前は木藤院根尾! 生まれてこの方、天下御免の引きこもり! 無職ドーテイ、十八歳! 好きなことは二次元のオニャの子とキャッハウフフをすることで、嫌いなことは底辺の気持ちを考えること!」
オレは女を殴らない。
殴る人間は最低だし、そんなレベルにまで落ちる気持ちは更々ない。
だから、オレは軽蔑するだけで何一つ、この女にくれてやることはない。
「オレはお前が何してきたとか、どんな高貴な血を受け継いでるかなんて知らねぇえよ。オレ自体も真っ当な人間でもない親のスネカジリやってるクズ野郎だし、他人の事をとやかく言う資格は何処にもないよ。⋯⋯でも、他人に死を求めることだけはやらないって決めてんだ」
オレは知っている。
死ねと言われることがどれだけ嫌なのか痛いほど知っているんだ。
「謝れよ。どんだけ続くか解んねぇけど、それでも魔王討伐するまではオレとお前は勇者と星の巫女っていう関係なんだろ? 期待してないから死ねと言ったことだけはオレは許せねぇ」
手は差し伸べない。
嫌いだって言ってるヤツと握手なんか求めない。
オレも嫌なことは全力でやらないって決めてるしな。
「ぅう。わ、悪かったわ。確かに、ちょっと自暴自棄になってた。それをアンタにぶつけてた。ごめんなさい。でもビッチって呼ばれるのは嫌なの。お願いだから、せめてミドルネームで呼んで頂戴」
マジ説教したらシュンとなったビッチ。
まあ、オレも初対面の相手に対しビッチ呼ばわりしてるから他人の事言えないんだけどね!
「おう。良いってことよ、ビッチ!」
星の巫女様から渾身の正拳突きがオレの顔面に放たれたことは誰も責めまい。
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