プロローグ~ゲームスタート~
少女は暗闇で目が覚める・・
バンッと真っ暗闇にスポットライトがあたる。
光の先には、女子高生が一人。
極めて平凡な女子高生、青空千風がちょこんとパイプ椅子に座っていた。
「ん。。。。ここは。。?」
どこか寝ぼけたチカゼは能天気な顔をキョロキョロさせている。
「目が覚めたみたいだね」
可愛らしい声が聞こえる。だが視界には誰もいない。
「君からは見えないよ。まあ天の声ってやつさ」
「天の声さんが私になんの用?」
「ずいぶん無礼講じゃないか。肝が座ってると褒めるべきかな」
「そりゃどうも」
チカゼはてへへ、と照れくさそうに微笑んだ。
「皮肉だよ皮肉。そんなことよりだ。君・・自分の身に何が起きたかわかっているのかい?」
「・・・・・・分かってるわよ。死んだんでしょ?私」
チカゼはそういうと、少し寂しげにうつむいた。
「肝が座っているのは本当のようだね。普通はもうちょっと泣いたり悲しんだりするもんなんだけどな」
「泣いて生き返るなら今から泣き喚くわ」
「うるさいだけだからやめてくれたまえ」
「すると差し詰めこれが最後の審判ってやつかしら。なんか思ってたより質素ね、パイプ椅子って笑」
さあ天国でも地獄でも好きにしてくれとでも言いたげな顔だ。
「違う違う!そんな大それたものじゃないよ」
「じゃあなによ。そろそろお尻が痺れてきたんだけど」
「それでは早速本題に入るけど」
天の声はコホンっと咳払いをして、話を続ける。
「僕とゲームをしないかい」
「ゲーム?」
「そう。ただでとは言わないよ。クリアしたら君を生き返らせてあげるよ」
「負けたら?」
彼女はそいうところに抜かりがない。
「死ぬだけさ。今度こそね。」
「やるわ」
リスクなしと判断するや否や、掌を返したように前のめりになる。
「話が早くて助かるよ」
それじゃあ簡単にルール説明だ。と言った途端、どこからともなく黒板が現れた。
「君には、ここ天獄学園で学園生活を送ってもらう」
宙にういたチョークが人知れず動き出す。
「この学園では何年経っても歳を取らないし病気にもならない。」
天の声は続ける。
「クリア条件はただ一つ『この学園を無事卒業する事』」
「敗北条件は?」
「『この学園でもう一度命を落とすこと』」
「死なないんじゃなかったの?」
「不老とはいったけど、不死と言った覚えはないんだな」
なるほど。とチカゼは頷いて。
「おだやかではなさそうね」
天の声はぬひひひと気味の悪い笑声を上げた。
「ここには君と同様のプレイヤーがたくさんいるはずだ。
詳しいことは彼らに直接聞くといい」
「質問。今までにこのゲームをプレイした人数は?」
「正確には教えられないけど、一万人はいってないんじゃないかなあ」
「じゃあ、その中でクリアした人数は?」
「・・・・0。聞かなきゃよかったね。」
じゃあ答えるな。とチカゼは悪態をつく。
彼女はこのまま『現在までの脱落者数』を聞こうとするが、喉元で留める。
どうせ死んでもともとだ。やらない理由はないだろう。
「OK。やってやるわ」
「それじゃあ最後に一つ質問だ。目をつぶってくれるかい」
チカゼは言われるがまま、ゆっくり目を閉じる。
「いま、何が見える?」
「草原が見えるわ、視界一面に広がる青空。それと・・」
「それと?」
「そよ風が気持ちいい」
人生初めての小説執筆ですが、「お手を柔らかに・・」などどいうつもりは毛頭ありません。
厳しい意見、感想鋭意募集中です。
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