まだ……あなたのことが好きで………
あの日、愛しのあの子に告白して数ヶ月、僕は魂の抜け殻のように生きていた。
あの子に振られてから、僕は朝起きて学校に行って帰ってきて寝る。そんなことの繰り返し、生きる理由さえもなくなっていた。恋に臆病になっていた、いや 違う、振られたけど まだあの子を諦めきれないんだ。でもきっと振られるって分かっているから、告白が出来ない、ただ遠くからあの子を見ているだけ。
生きていても…………死んでいるのと同じだ。
体は生きていても心は死んでいる。もう僕の目に光はない、あるのは告白までの覚悟と振られたことによる絶望だけだ。
今、友達が来たみたいだ。昔からの親友が。
「おい お前 いつまでいじいじしてるんだよ あいつに振られてくらいでよ」
「今はほっといてくれよ 僕はもうダメなんだ」いきなり頭を殴られて2mほど吹っ飛んだ。何が起こったのかわからずにポカンとしていると、あいつがまた喋りだした
「お前 一回振られたくらいでなんだよ お前のあいつに対する気持ちはその程度なのか?本当に好きなら何回でも告白すればいいだろうが。1度好きになった女だろうが。気合見せやがれ。意地があるだろ……男にはよぉ」
ガツンときた 心にガツンときた 蹴られた以上に 光が見えた 夢はいっぱいあったんだ 未来は真っ黒なんかじゃない 何でも描ける無限の白い紙 想いは翼 夢は無限のインクとペン あとはそれを描く覚悟だ。
「ちょっと……行ってくるよ」そういうと僕は部屋を飛び出して外に向かっていた
「おう…………頑張って来い」
あの子の家の前まで走る。インターホンを押すと あの子が出てきてくれた
「ちょっと用事があるんだけど 今いいかな?」数ヶ月前と同じように真剣な顔であの子に話す
「うん いいけど なにかな?」
「僕 やっぱり……君のことが好きなんだ、だから付き合ってくれませんか?」
「……は…い………あたしでよければ……喜んで…」
寒い空の下で 彼女の顔を見るだけで 吹いてくる風も 冷たさも感じなかった そして 解けなかったパズルボックスみたいなあの子のことも少しだけ分かった感じがした。
「大好きでした。ずっと前から」そう言って僕と彼女は静かに抱き合った。
えっと これが2作目になりますが まだまだ未熟だと思うので 感想をもらえるとうれしいです