表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/8

実香音

次の日。

何となくいつもよりも早く家を出た。下駄箱で靴を履き替え、クラスに行き、自分の席に着く。

昨日途中までしか読めなかった本を開き、読もうとすると、


「おーはよっ、蒼!」


と声が掛かった。


あ、そういえば、自己紹介まだだったね。

私、天野 蒼っていうんだ。

県立碧山風高等学校1年F組、図書委員会且つ文芸部に所属のいわゆる陰キャ……なのだと自分では思っている。


つまり、今呼ばれたのは私。

呼ばれた方を向くと、親友の実香音が手を振りながら近寄ってきていた。


実香音とは中学校が一緒で、その頃からの付き合い。

実香音は吹奏楽部でトランペットを吹いている。

トランペットを吹いている実香音はとっても格好良くて、聴いているこっちまで笑顔になるような音を奏でてくれるんだ。


「実香音、おはよ」


「今日早いじゃん。何かあったの?」


「いや、別に、何となく」


「ふーん、そっか。あ、やば、今日物理レポート提出じゃん!蒼、見してー!お願い!」


「はいはい。もう、ちゃんと自分でやんなきゃ駄目だよ?」


「わかってるよー……でも昨日眠くなっちゃってさ〜」


「もう……」


「そういえば昨日、吹部でさー……」


実香音の話を聞きながら、ふと昨日の男の子に思いを馳せる。

また明日ねって言ってたけど本当に今日も来てくれるかな?

ただの社交辞令だったり……

でも、本は借りていってくれたから、本を返しに来ることはあるはず。

それに、あの子だから多分今日も来てくれるよね!


「蒼ー?聞いてるー??」


「え、あぁ、うん!」


「本当ー?ずっと上の空だったけど??ま、いっか。そろそろ予鈴鳴るから席戻るね〜」


言われて時計を見ると、確かにもうすぐ予鈴が鳴る時間だ。


「うん、じゃあまたあとでー!」


「はーい」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ