第14話 勇者達のステータス
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〈名前〉:赤城翼 〈年齢〉:17
〈種族〉:人族 〈性別〉:男 〈属性〉:火・水
HP:□□□□□□□□□□850/850
MP:□□□□□□□□□□2200/2200
LP:□□□□□□□□□□950/950
〈基本技能〉:柔術(小)、統率(中)、対話術(大)、異界言語理解
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〈名前〉:佐々木智也 〈年齢〉:17
〈種族〉:人族 〈性別〉:男 〈属性〉:火・風・精霊
HP:□□□□□□□□□□1200/1200
MP:□□□□□□□□□□10800/10800
LP:□□□□□□□□□□1400/1400
〈基本技能〉:柔術(大)、合気柔術(大)、護身術(大)、料理(中)、清掃(中)、異界言語理解
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〈名前〉:八雲希 〈年齢〉:16
〈種族〉:人族 〈性別〉:女 〈属性〉:治癒・精霊
HP:□□□□□□□□□□700/700
MP:□□□□□□□□□□8400/8400
LP:□□□□□□□□□□800/800
〈基本技能〉:料理(大)、裁縫(大)、清掃(大)、異界言語理解
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〈名前〉:高坂隼人 〈年齢〉:17
〈種族〉:人族 〈性別〉:男 〈属性〉:火・水・土
HP:□□□□□□□□□□900/900
MP:□□□□□□□□□□3200/3200
LP:□□□□□□□□□□1000/1000
〈基本技能〉:剣術(中)、異界言語理解
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〈名前〉:近衛圭吾 〈年齢〉:16
〈種族〉:人族 〈性別〉:男 〈属性〉:水・土
HP:□□□□□□□□□□700/700
MP:□□□□□□□□□□2600/2600
LP:□□□□□□□□□□800/800
〈基本技能〉:プログラミング(大)、料理(中)、異界言語理解
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「…………………………」
あの、何か二人魔力の値が見るからにヤバい奴がいるんだけど。しかも二人とも特殊属性……いや、もしかして魔力の多さってのは特殊属性持ちの特性の一つなのか? まあそれに関しては、もう二人精霊属性だった奴らと魔法師団長のステータスも見てみないと分からないが……。
とは言え、これだけ見せられてもこの世界において具体的にどの位凄いのかは分からない。あとあと平均を出して判断してみるしかないか。
「……ん? おお、考えてるってことはちゃんと聞いてたんだな。それじゃあ、俺の言葉を良く噛み締めておけよ」
俺が考え込み出したのを見て、何を誤解したのか赤城が満足気に去っていく。取り巻き共が去り際に何か言ってた気もするが、生憎ステータスのことを考えてる俺には内容が入ってこなかったので、良く覚えていない。
「むぅ……何か相変わらずだね……。何で沢渡君に対してだけは、あんな風な言葉をかけるんだろう」
「まあ、沢渡は赤城と真っ向から対立してるからなぁ」
「対立っていうか、完全に一方通行な気もするけどな……」
「いつも見てるけど、凄いスルースキルだよね」
残された八雲・高坂・近衛・佐々木が口々にそんなことを言っていた。
「……別にあいつが何を言おうがどうでも良い。ごちそうさまでした」
ステータスを見てる間に既に食事を終えていたので、食器を重ね席を立つ。そしてそのまま、食堂を出ようとした時、
「あ、沢渡君」
と、八雲から声をかけられた。
「……何だ」
「今日さ、その……王都の散策だよね? 良かったら……一緒に行かない?」
そう言った次の瞬間、クラス中の男子から俺に視線が突き刺さった。この上無い敵意が籠っていることが感じられる。
(うぉ……何か知らんけど、凄ぇめんどくさいことになってるのだけは確かだわ)
普段からこいつ関係で敵意は良く向けられる。まあ、自分ではなく嫌われ者の俺が人気者のこいつに話しかけられるっていうことが許せないのだろう。
だが、今回は敵意……いや、殺意も混じってるかこれ? いつもに比べて圧力が五割程増してる気がする。
このまま了承したら、何かが起こる気しかしない。というかそもそも俺は観光などする気は毛頭無い。なので、八雲の提案に対し首を横に振った。
「悪いが、俺は悠長に散策などする気は無い。誘いなら他の奴を当たれ」
そして次の瞬間、今度は女子も合わさってクラス中から敵意の視線が突き刺さる。
いやちょっと待て。誘われた俺に対して改めて敵意を向けるってことは、それを受けるなって意味じゃないのか。何でその通りにして更に酷くなるんだよ。
……あー、何か前に似たようなシチュエーションがあった気がするわ。去年の文化祭か何かだっけか。その時もこいつに、「一緒に回りませんか」とか言われて、断ったら周りから凄い目で見られた覚えがある。今年は忙しかったからかそういうのは無かったけど。
てことは、こいつの誘いを断るイコールアウトってことか? いや、誘われた時点で敵意向けられてるんだから、了承もアウトなのは変わらない。俺にどうしろと……。
つーか、誘うのがダメならクラス連中が八雲に何か言えば良いだろ……。面倒事に巻き込むんじゃねぇ。
そもそもさっきも思ったけど、こいつもこいつで何で孤立してる俺に対して絡んでくるんだ。話しかけてくること自体は悪くないが、そこに引っ付いてくる要素が厄介過ぎる。頼むから一人にさせてくれんか……。
内心嘆き続けるも、表情に出ないので周りが俺の心の内を知ることはない。なので、当然八雲も口を閉じてくれたりはしない。
「え……そう、なんだ……」
と、そう呟きながら落ち込んだ様子を見せる。……訂正。この上無いって言ったけど上あったわ、周囲の視線の圧力が更に増しやがった。だからどうしろと言うんだ。
「ああ、そうだ。じゃあな」
そう言い残し、俺は食堂を立ち去る。これ以上何をやっても事態は悪化する気しかしないので、もう放っておくことにした。誘いは受けなかったわけだし、後々何かされることは無いだろう。
「あっ、シュウヤ様」
「ん?」
食堂を出ると、そこにはサーシャが立っていた。鉢合わせという感じではない。
「何でここに佇んでるんだ? 誰かを待ってんのか?」
「いえ、そういうわけではないのですが……。先程ここを通りかかった時、中からただならぬ雰囲気を感じて、どうしても気になってしまって。一体何があったんですか?」
……あの気配、外にまで漏れ出てたのか。
「……正直俺にも良く分からん。理不尽だってことだけは分かったが」
「? えっと……」
「まあ、気にするな」
「は、はい。分かりました」
それ以上、サーシャは特に何も聞いてこなかった。俺にも答えようがないので、追及するのを止してくれたのは実に有り難い。
「あ。そういえば、シュウヤ様」
「何だ?」
「王都散策の際ですが、路地裏にはあまり行かない方が良いと思います。豊かな国と言えど一部にはスラムもありますし、犯罪に巻き込まれる可能性もあるので」
ああ、やっぱりあるのか。そこら辺はファンタジー世界お決まりだな。だとしたら、元の世界とは違ってこっちでは今も奴隷制度とかあったりするんだろうか。
「それなら問題ない。俺の目的は屋内だ、外を出歩くつもりは無い」
「それなら良かったです。ところで、もしよろしければその目的の場所というのをお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「なに、別に大した場所じゃない。少し調べものをしたくてな。まあ、本当にこっちの世界にあるのかは知らんが」
そんなこんなで色々話しつつ部屋に戻り、散策の召集がかかるまで部屋でゆっくりするのだった。
三十分ほど経ったのち、再びサーシャが部屋を訪れ、昨日召喚された場所である謁見の間へ向かう。中へ入ると、既にクラス一同が集まっていた。
そして入ってきた俺に気付くと、大部分の奴らから再び敵意の籠った視線を浴びせられた。……もう良いや。気にするのも疲れた。
「……全員集まったようだな。では、軽く説明をしよう。これから君たちには王都を散策してもらうわけだが、昨日言った通り使用する金はこちらから支給させてもらう」
国王がそう言うと、脇に控えたメイド達により、銀色に光る硬貨が一人あたり五枚とそれを入れる用の袋が配られた。
「それはこの世界において、銀貨と呼ばれておる貨幣だ。一日散策する程度なら、銀貨五枚もあれば足りるだろう。まあ、余程豪遊すれば足りなくなる場合もあるかもしれんが、そういったことは出来るだけ避けてくれると助かる」
その後、散策にあたっての簡単な注意事項が告げられた。まあ国民に変に迷惑をかけないようにだとかそういった小学生でも分かるようなことだったので、特別意識するような必要はあるまい。
国王の説明が終わったのち、メイド達の先導により城の入り口に揃って向かった。昨日の段階で薄々察してたが、巨大な城故出るのにも少し時間外かかる。
そして衛兵により送り出され、散策がスタートした。時間は限られてるし、少し急がなきゃならんな。
誤字報告や表現がおかしいところなど、もしありましたら指摘して下さると有難いです。




