柔で剛を制す最強の猿
ローが川流高校に現れてから1週間がたった。
「よ、純平。」
「おはよ駿♪」
登校してきた駿と、サッカーの朝練で走り込みをしていた純平が顔を合わす。
「そいえば、楼はあれからどうしてんだ?」
「ん?ローならあそこにいるよ」
「え?」
裏門の方を、掃き掃除しているド派手な金髪リーゼント。
言うまでもなくローだ。
「え?あいつ、何してんの?」
「なーんか色々あったみたいよ?笑」
ローが最初に学校に来た翌日。
川流の生徒として転校させろと、
直談判しに校長室に押し掛けた。
「どうしてもこの学校に入りたい。
校長。俺を入学させろ。」
校長の席に座り、学校に来た校長を迎えいれる、とんでもないやつ。
「なんだ一体!?編入試験もなしに、そんな条件のめません!
第一、ここは進学校!キミみたいな、、」
「キミみたいな何だ?
俺は俺だ。
俺は絶対妥協はしない
この学校に入るまではここを動かない。」
「何て日だ!!警察に、、」
「警察?呼びたきゃ呼べ。
俺にもそれ相応の覚悟がある。」
「で、、、、、ローの奴、どうした?」
「聞いたら、その場で包丁で腹刺したみたい。」
「は!?校長刺したのか!?」
「いや自分の。」
「は!?」
自分で自分の腹を刺し、
入学の許可を出さないなら、このまま包丁で腹をかっさばくと脅しをかけたそうだ。
ただならぬ危機感を感じた校長は即座に入学を認め、そのブッ飛んだ行動をやめさせた。
血を流しながら、入学の手続きを書面に書かせようとしたロー。
しかし、どんな事があろうと、
この伝統ある進学校に、試験もなしにローを入学させる事ができなかった校長。
「で?」
「で、清掃員として働いて貰うことになったみたいよ笑」
ローからすれば、純平の近くに居さえすればいいだけだったから、すんなりその要求に応じた。
自分で刺した傷の療養を経て、今日から、
川流高校の清掃員として勤め始めたのだった。
「、、、。思ってた以上にあいつブッ飛んでんな。」
「はは。でもいい奴だよ?多分!
それに、ローはこんな程度のやつじゃないからねー」
「おう純平!!」
「ん?」
純平たちが喋っている中に歩いてきた生徒。
身長190はあろう巨体のイカツイ坊主頭。
「おー!哲二おはよー♪」
「お前。サッカーはいいけど、今週地区予選だぞ。大丈夫なんだろーな?」
「当たり前でしょ!1位突破する事しか頭にないから!
あ、駿!こいつ猿渡哲二!
柔道部の主将~」
「よろしく」
「おう!!」
「哲二主将で俺副将~
哲二には一回も勝った事ない。
オリンピック出れるくらい、デタラメに強いよ哲二は。
」
「へー。お前が一回も勝ったことないのか。」
「うん、100回は哲二とやっただろーけど、
一回も勝てない。」
喧嘩とは違うが、柔道とは言え立派な格闘技。
デタラメなつよさを誇る純平が、1度たりとも勝ったことない、
最強柔道家、猿渡 哲二。
最強の猿が登場し、ローも清掃員として川流に居座ることとなり、
モモタロウ、鳥、犬、猿がついに揃った。
どんなスクールライフを送ることになるのか。