モモタロウ伝説3
ピカピカの野球部兼、サッカー部一年生
VS
狂気の一年生。
放課後の部室。誰よりも早く練習するために一番のりで部室にきた純平に、
ここぞとばかりに喧嘩を仕掛けたロー。
ふりかぶりもせず、大きな溜めをつくらない、零距離射程で繰り出すローの強烈なヘッドバッドが、
純平の顔面にぶち当たる!!
「って、、、!!!!!!!」
ローの攻撃!!
すかさず顔面に強烈な右ストレート!!休む間もなく、
よろけた純平をおもいっきり蹴り飛ばす!!
ロッカーに激突し、しゃがみ込む純平。
「………立て」
うずくまったまま動かない純平。
容赦なく更に蹴りをいれるロー!
そして、ローがまた金属バットに手をかけた、
瞬間!!
「!!!」
座ったままの体勢から足払いし、ローを背中から地に叩きつける!
「おい、何回も言わせんなよ。次はねーぞ?野球の道具に触んな。
」
「次触ったらどうなる」
「そん時は~、あんまり気は乗らないけど、本気でブッ飛ばすから」
「本気でこいよ」
「!!」
逆に、倒れたままの体勢から、体を器用に回転させ、
足払いで純平をこかす!!
即座に起き上がったローが、純平に飛び乗り、
マウントポジションから殴り続ける。
このときのローは、背も低く小柄で、一発一発の攻撃にもそれほどの威力はなかったが、
人を殺さんとする狂乱ぶりが凄まじかった。
常に全力で、相手をぶっ殺す勢いの喧嘩をする。
「どうした」
止めることなく殴り続けるロー。
腕で防御はしているものの、青アザができるほどの強烈な攻撃の連打。
「本気だせ」
三度目。
ローが起き上がり、金属バットを手に取る。
そして純平の頭めがけてふりかぶる!!!!
「!!」
ギリギリ交わし、素早いフットワークで後転しながら起き上がった純平。
「次はないって言ったかんな?ちゃんと。」
「!!!」
これから後の純平の怒濤の攻撃に、ローは度肝を抜かれた。
おもいっきりの助走でローに体当たりし、二人してロッカーに激突!!
すぐに起き上がりローの服をガッチリ掴んで、向かいのロッカーに投げ飛ばす!!
そこに更に助走をつけて、頭からローに激突!!
「く」
振り払おうと腕を出すローだが、その腕を捕まれ、また向かいのロッカーに投げ飛ばされる!!
そして、助走をつけてスライディングで頭突き!!
後転してまたすぐに起き上がり、今度は背負い投げでローをおもいっきり床に叩きつける!!
そしてまた投げ飛ばす!!
そして繰り返す。
あまりの速さに全く反撃できないロー。
あれだけローにボコボコにやられたにもかかわらず、全く動きが鈍くならない。
純平の恐ろしいタフさ。
「殺す」
なんとか起き上がるも、すぐに足払いで倒され、
また投げ飛ばされ、そして繰り返される怒濤の攻撃。
「このやろう!!!」
立ち上がり拳を振りかぶるロー。
これだけやられても立ち上がるローも、相当なタフさ。
正直、この場に二人しかいないが、誰も手出しできないような、
壮絶な喧嘩っぷり。
ローが拳を振り上げたと同時に、また足払いでローをこかす。
「こいつ」
直ぐ様また起き上がり、ローの服をガッチリ掴みまた、ロッカーに投げ飛ばし、そのまま頭突き。
すぐにまた、ローを投げ飛ばし、そしてまた繰り返す純平の攻撃。
ケリはついた。
意識はあるも、全く動けないロー。
純平がローの前に歩み寄る。
「あー疲れた~!!まだやる?」
「………。」
純平を睨み付けるロー。
「お前。強すぎる。………全く勝てない」
「言ったじゃん、本気でブッ飛ばすって。」
「………。うそつけ」
「ん?」
「全然本気じゃない。投げる以外手は全く使ってない。
ほぼ体当たりと頭突き。」
「まぁね。手は痛めたら部活できなくなるでしょ?
足痛めたらサッカーできなくなるでしょ?」
「…………。」
桁違いの強さを見せつけられたローは、上を向いて黙ったままだった。
そして、そのローの横に座り込み語りかける純平。
「名前、ローだったよね?
ロー、めちゃくちゃ強いね。ぶっちゃけ部活より体力使ったし。
それにさ?」
「…」
しばらく二人は、語り合った。
喧嘩屋みたいな奴と、スポーツマンが数十分話込んだら、
すっかり打ち解けて、
絆が生まれたみたい。
「って事で、仲良くしよーよロー。
あ、でも部活の邪魔はすんなよ。」
「…。わかった
俺とお前は、
親友になったからな」
「だね」
喧嘩で始まって、親友関係を築いた純平とローの中学時代。
しばらくして、傷害事件を起こして少年院に送られる。
親友との再会だけを頭に置き、
四年近くもの長い間過ごした。
吉備中伝説の、高嶺 楼。
桃田に名前が変わった話はいづれ。
次はいよいよ最後の猿。
最強の猿のお話し~♪