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モモタロウ  作者: 110
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モモタロウ伝説2

純平と同じ中学で、中学1年のとき、傷害事件がきっかけで少年院にいっていた(ろう)


とっくに始業のベルが鳴っている中、

純平と駿、川流の学生でもない楼と3人、校舎の屋上でたむろする。


「にしても、ホント久しぶりすぎて嬉しいよロー♪元気だった?喧嘩三昧だった?少年院でも笑」


「、、、。」


「………。」


「てか、純平に会いにこの学校きたの?」


「そう、出たら来るって言ったから来た」


「少年院をってこと?」


「そう」


中学時代に傷害でパクられて、純平と再会する約束を交わしていたロー。


「懐かしいなー」


以下回想。


4年前。

二人が吉備(きび)中の1年生だったときの話。

純平はこの頃から、サッカー部と野球部を掛け持ちしていたスポーツバカだった。

ある日、野球部の練習のために、部室に道具を取りに入ったときローと初めて顔を合わす。

当時の吉備中は、ヤンチャな高学生が多くて、部室を溜まり場にしていた事が多かった。


「あ、ちぃーす♪道具取らせて貰いまーす♪」


10数人のヤンチャな先輩たちが、

野球部の部室でタバコを吸っていた最中のこと。


「お~一年生。野球がんばれよ。俺を甲子園に連れてってくれ」


「は?バカすぎお前。甲子園は高校生だから。」


「あ?そーなの?」


「マジうけるわバカ♪」


ゲラゲラ笑う先輩ヤンキーたち。でも、

決して嫌な人たちじゃなかった。

そしてそんな3年生たちの中に1人混じっていたのが、

ロー。

純平と同じ一年生の、高嶺(たかみね) (ろう)だった。


当時のローは、まだ一年生なだけあって、背も低く、成りはライオンみたいなボッサボサの髪に、

ドぎついパーマをかけていて、短ランボンタン。

とりあえず喧嘩っ早く、

3年生たちにも、敵対するくらいなら付き合いした方がいい、と思われる程無茶苦茶するヤツだった。


「んじゃ、失礼しま~す♪」


部室を後にして立ち去る純平を見て、このときからローは、純平の事が少し気になっていた。

怖さのあまり部室に入れないヤツや、

入ってきても、3年生たちにビビりまくるヤツらとは、全く違う立ち振舞いをする純平に。


高嶺 楼。

昭和を生きるような成りのヤンキー。

入学してすぐに三年生にバカにされ、そのまま騒動を起こす。

10数人に囲まれた楼だったけど、全く怯むことなく、

その人数相手に喧嘩をして病院送りにされた。

でも、

楼を相手に負傷したやつも何人かいて、

小学校上がったばっかりのチビの一年生にして、

喧嘩が強いのを思い知る三年生たち。


そして騒動の次の日に起こった、楼の報復事件。


病院を抜け出してきて、学校に来るやいなや、昨日の三年生を見つけていきなり殴りかかる。

すぐに数人が止めに入るが、あまりの楼の狂乱ぶりに、手を出せないでいた。

ゴタゴタは落ち着いて、

後日新たに、楼に報復しようと考える三年生たちだったが、

更に報復されるのが目に見えて分かっていたから、

敵対するより、

連れとして引き込む事を選んだ。

どう言う話し合いで、連れ添うようになったかは当人たちしか知らないけど、

その日から三年生と楼は常に一緒に居るようになった。


正に狂気の一年生。

その存在を知らないヤツは居ないほど。

そしてその狂気の楼が、純平にしかける日がくる。


「ちぃぃ~す♪道具、、、ん?」


部室に道具を取りに来た純平だったが、三年生たちの姿はなく、楼1人だった。


「あー!今日は修学旅行かなんかで先輩方居ないんだった。ま、行ってないだろーけど笑」


楼を無視して独り言いって笑う純平。


「おい」


「ん?」


純平に絡む楼。


「お前。喧嘩、強いだろ」


「ん?多分ね♪」


「………やるか?」


「なにを?喧嘩?喧嘩はしないけど、暇なら野球する?」


「………」


余裕な態度にムカついた楼。


「余裕だな、強いんだろうけど、俺の方が強いぞ」


「え?野球?」


その一言にキレた楼が立て掛けてあった金属バットを掴んだ、

その瞬間!


「!!」


手を掴みバットを取り上げ、楼と対峙する純平。


「喧嘩したいんだろーけどさ、おい。部活の道具に触んじゃねーよ。」


「死ね」


「!!」


喧嘩勃発!

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