モモタロウ見参
「え?」
「なんだアイツ?」
学生が通学する時間帯。
あまりにもド派手なヤンキーに、道行く人、すれ違う人がざわつく。
背は、蒼真と同じくらいの170ないくらい。
黒いツナギに、サングラス。
ド派手な金髪のリーゼントが肩で風を切って歩いていく。
もちろん、そんなヤツを見て、からかうヤツも出てくるわけだ。
「え?なんだお前?バカなの?」
笑いながらリーゼントに絡む4人組の学生。
「…………」
「なんか言ってよ。バカなんでしょ?なんだその格好ww」
「…………おい、カス集団。川流高校場所忘れた。連れてけ。」
「は~~!?」
爆笑する学生たち。
「なにこのバカ、マジでうける」
「とりあえずコイツ、いじめちゃう?」
「だね。」
リーゼントに襲い掛かる学生たち!
話は変わって、
川流高校。
今日も朝からサッカーの朝練に本気をだす純平。
7つの部活動に所属する、スーパースポーツバカ純平。
柔道
剣道
サッカー
野球
テニス
その他2つ。
そんなデタラメが通用するのは、純平のデタラメな身体能力があってこそ、まかり通る。
武闘派で知られる隣県最強の暴走族、狂犬連合の頭だった、駿を倒す学生なんかなかなか探してもいないだろう。
「おっす駿♪」
「よ。朝からはりきってんな純平。」
駿が登校してきた。
あの日以来、駿は純平に一目置いている。
そして友人として絆も深まっていっている。
「もうすぐ大会近いからね。」
「ん?甲子園の地区予選も始まるよな?」
「もちろんそっちも出るよ。レギュラーだから♪昼は野球の練習♪夕方からはテニス♪」
「ホント、アホだなお前は。」
「でしょ?」
二人が喋っている最中、
「ん?なんだあの校門とこのヤツら?」
やってきたのは、
ボコボコに顔を腫らしたさっきの学生四人と、
さっきのド派手リーゼント。
見るからにやばそうなリーゼントに、校庭で朝練に取り組む部活動生一同、通学途中の生徒一同、足をとめる。
「誰?」
「え?てか何?」
「見て、あの四人、顔腫れまくってる、、、」
「超恐いんだけど」
「……。カス集団。案内ご苦労。消えろ。」
「は、はい、、、」
「す、すいませんでした!!」
一目散に、リーゼントの元を去る四人組。
「ん???あれは、、、、!!!」
「……!」
「楼!!!!!」
「純平。出てきた。」
なんかヤバそうな今はまだ、一切詳細不明な、
桃田 楼見参。