狂った、イヌ(完)
午後の授業のチャイムが鳴り響く中。
倒れていた蒼真が目を覚まし、
そのすぐ横で、パンと牛乳をむさぼる白鳥。
「、、、。」
「起きたのいいけど、ちょっと待ってね。あと焼きそばパン一個食べるまで♪」
「、、、。誰だてめえ」
「待ってて言ったばっかなのに!!
気が早いわ喧嘩っ早いわ、
さすが狂犬だねー」
「、、、。いつから分かってた?」
「えーーー?誰もいないけどお前の武勇伝てか、黒歴史ってゆーか、伝説の話今ここでしていーのー?www
」
「こら、、、。答えろ」
「はいはい。
▲▲県に、なんだったかなー。部活の合宿かなんかで行ったときさ?
初めてお前の顔見たんだけど。
夜、コンビニ行ったとき。」
「、、、。」
「俺、一回覚えた顔は忘れないからさ?
照れられると面倒だけど、
お前って超有名人じゃん??」
「、、、」
「▲▲県南最大の暴走族、狂犬連合。
30年続く族の頭を、15歳で継いで、
狂犬史上最強、最若の頭って言われた、
桐生駿。
ま、
親の離婚か何かで名前変わったのかだろーけど、
あのコンビニがあった国道沿いを暴走していった、
お前の顔とそのド派手な族は、一回見たら忘れないよね。
ちなみに名前はそこのコンビニの店員から聞いた♪
コンビニ店員が知ってるくらい有名人だったんでしょ?」
なんか、嬉しそうに話す白鳥。
そして残りのパンをたいらげる。牛乳を飲み干す。
そして、蒼真駿に関する事のまとめ♪
純平と同い年であり、
純平が中3のときに、
▲▲県南最大の暴走族、
狂犬連合の頭を務めていた蒼真駿。旧姓
桐生。
連合300人を越える狂犬を、15歳で束ねる統率力、
OBや仲間からの信頼、単車のテクニック、
何より、喧嘩の強さや、その喧嘩の際に見せる狂乱ぶりから、
狂犬史上最強の頭と言われていた!
そんな、暴走族の頭が、
何故、
進学校、川流高校にやってきたのか。
てゆーか、まずどうやって入れたのか。
「ま、俺もお前の顔知ってたの、たまたまだけど。
あの桐生駿が、ソーマ?駿で、マジメな格好して、
この進学校にくるなんて思わないから、俺も人違いだっけ?て、
思ったの」
「、、、。」
白鳥が、蒼真の顔を覚えていたのは、ホントにたまたま。
スポーツバカの白鳥が、入っていた部活の合宿先が▲▲県立の総合体育館。
で、近くに民宿があって、
小腹が空いた白鳥が、近くのコンビニに行った際に、
▲▲県南最強の族、狂犬連合の蒼真、旧姓桐生率いる、
約100台近くの単車の暴走を目の当たりにしたのだった。
白鳥が、自ら語った、一度覚えた顔を忘れない、とゆう特技がありながらも、そのとき目にした狂犬の桐生駿と、
転校生、蒼真駿の出で立ちが、
剰りにも違いすぎて、分からずにいた。
「なんかゴチャゴチャ言って、俺を本気で半殺しにするって喧嘩ふっかけてきたときに、やっぱ狂犬のヤツなんだっ!って確信したのよね」
「、、、。
お前、なんなんだ?
初めて喧嘩で負けた。
初めて意識ぶっとんでた
、、、。」
「じゃ、言わしてもらうけど、俺も初めて、
ここまでボコボコにされた。
初めて本気で殺されんのかと思った。」
「!!」
「ホントに。でも俺より強いやつはこの学校にもいるからね。」
「お前より?」
「おもしろいでしょ?
こんな進学校にだよ?
ま、
警察の大捕物で、色々あったみたいだけどさ?
お前の親父のコネでこの学校来たんだろうけどさ?
やめんのはもったいないよ!
学生も悪くないよ?駿!」
「、、、!!
は。アホみたいに事情知られてんな。おもしろいなお前。
、、、純平。」
蒼真がこの学校に来て初めて笑った日になった。
この日を境に、純平と駿は強い絆で結ばれていく。