決意と始まり(前編)
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モテるのは、顔のいい奴だ。褒められるのは、頭のいい奴だ。ひいきされるのは、優秀な奴だ。人生を満喫できるのは、何かを持っている者だ。だから何も持っていない者はそれなりに、それ相応の人生を送ることが何よりの幸せだ。それが、16年間生きてきた僕の結論だ。事実この僕、天道 昇もそれをモットウに生きてきた、そして今も生きている―――
そんな僕は今、大勢の群衆の視線が集まる中一人の少女と、[決闘]を行おうとしている…如何してこうなった!?――――――
「よーし終礼は、これで終わり…解散!!」
という担任教師の言葉と同時に、教室の中が、クラスメート達の放課後の予定や、明日の予習の確認などの会話で溢れかえる、僕は、早めに帰り支度をすると、早々に教室から出ようとした。
「おい!! 待て天道!!」
と教室から撤退しようとしていた僕を担任が、大声で引き留めた。やっぱりか…
「何ですか…」
そう言いながら俺はトボトボと担任のほうに向かって歩いていった。
「惚けてるんじゃない。 お前、今日主任の上城先生に呼び出されてるだろ…」
全くこいつは~といった感じで、担任は、頭をかく。ハァ~だから、今、いつもよりも更に早く帰ろうとしてたんじゃないですか…
「この前もそんな感じでお前帰ったろ? 叱られるのは、俺なんだぞ!!早く行ってこい!!」
「はぁ~分かりました…」
僕は、教室を出て、だるい体を動かして[主任室]に、向かった…
[主任室]とは、うちの学園特融のシステムで、なんでも主任になると、その部屋の使用がが認められ解任時に元に戻すのであれば、好きなようにしていいらしい。つまりは、学園の中の個人スペースだ。
コンコンとノックをして
「天道です。 失礼します…」
と言ってからドアを開けた。ドアの向こうには、白と黒を基調としたモダン的な空間が広がっていた。
「やあ~今日はちゃんと来てくれたんだね」
そう言うと目の前にいる女性は、微笑した。彼女は上城 薙この学園の1年部主任の教師だ。年は、頑なに教えたがらないが、見た目からすると、20代後半といったところだろう。綺麗な黒髪を無造作にまとめて、後ろで、束ねている。かなりの美人だが、その厳しさとお高くとまった態度からあまり男受けは、良くなさそうだ。
「ご用件は、何でしょうか?」
「うむ…その前に、この学園の存在意義について、説明してもらってもいいかな?」
「何故いきなりそんなことを…」
「サッサトシタマエ!!」
「はいッ!!」
こ、怖え~…
「えぇっと…世界のあらゆる分野で活躍出来る[持導者]を育成することでしたっけ…?」
「そうだ。 …少し歴史の話をしよう――今から50年前、【新月の誕生】という現象が起きた。 その余波は、月から最も近い惑星すなわち地球にも影響をもたらした。 特に知能の高い人間にな…」
「【大罪の炎】のことですか?」
「ああ、そうだ」
【大罪の炎】…【新月の誕生】以来、生存する全人類が、体内に宿している魔力の源のようなモノだ。
「そして、人類の中にその炎を、制御し操れる人間が次々と現れた。 皆は彼らをその炎を持ち、人類を新たある進歩へと導く者として[持導者]と呼んだ」
へぇ~そうゆう由来が、あったのか。
「まあ~ここまでは、常識内の知識だね」
と彼女は軽く笑った。…あ、そうなんですか。
「そんな[持導者]だが、実際には軍事目的の生物兵器として利用されていることが、ほとんどだったらしい…そんな状況だ無論、我が国日本でも、軍事目的で、[持導者]を利用していた。あくまで防衛手段としてだがね。 そうゆうワケで、当然国を守るための人材であるを、[持導者]育成する必要がる。 幸い〔原石〕は、目の前にゴロゴロ転がっていた…そうして、日本各地に将校がいくつも建造された。 そして、この勝鷹学園も、勝鷹将校として建設された」
ほうほうとても歴史ある学園なんですねココ
「それでここからが、本題だ!!」
突然彼女の形相が厳しくなり、僕は、背筋がピンッとなった。
「君が、そんな由緒正しき学園にいるのは、何故だ?」
「ぼ、僕に[持導者]としての適性が有ったからです…」
「そうだな…で、君は、何か実績を持っているか?」
「いいえ…何も…」
「そうか…じゃ~最後に、お前の[炎]はなんだ…?」
「…………分かりませ…」
分かりません。そう言いかけたとき…
《ガシャァァン!!》
大きな音を立て目の前にあった大きめのデスクが、崩れ落ちた。何があったか理解しようとしたもうそのときには、僕の前髪が何かに握られていた。
「オイ…フザケテンノカ、ガキ…?」
「…すいません…」
怖かった、唯々怖かった顔が熱くなって、目から何かが込みががって来た…
「お前は確かに〔原石〕だ、我が国の宝だ!! だがな、いつまでも〔原石〕のままでは、唯の宝の持ち腐れだ!! 腐ったものを、大事に持ち続けるほど、この国は、貧乏してなどいないんだよ!!!!」
怒鳴る彼女の顔は、まさに鬼のそれだった。口から飛沫する唾の一つ一つが、僕の顔につくたびに僕の恐怖が増していく。何なんだ、なんで僕は、怒られているんだ?その宝を育てるのが、あんたらの仕事だろ!?
「今、それを、育てるのが、あんたらの役目だとか思っただろ!! 勘違いをするなよガキ!! お前は、卵からかえってない雛を育てられる鳥を知っているのか!? あ!?」
彼女は、更に僕の前髪を引き上げる。だが、今の僕には、そんな痛みより「怖い」という気持ちだけが、僕を支配していた…
「そういえば、お前の親父さん特殊案件科のエリート様だったな~? お前を見るからに必ずしも鳶が鷹を産んだり、カエルがカエルの子を産むわけじゃ~ね~見て~だな!!!!」
「・・・・」
「何も言い返せね~のか? やっぱりテメェはその程度の人間か!! あ!?」
全く持ってその通りだ…何を言われたって、言い返すことなんて出来ない。いつだってそうだ、僕が、その程度の人間かなんて、自分が一番分かってる…
「・・・・」
「チッ!!」
彼女は舌打ちをして、僕の頭を軽く振って僕を跳ね飛ばした。
「もういい…出ていけ…」
それ以上彼女は、何も語らず、僕に対して目すら合わせてくれなくなった―――
僕の通うこの学園は、全寮制で、男子寮と女子寮がそれぞれ三つずつ在り教師も何人か住んでいる。だから、少し肩身が狭いのが、寮生たちの悩みだ。いつもなら玄関から寮へ入るのだが今日は、裏口から入ることにした。この涙に濡れたクシャクシャの顔を、あまり人に見られたくなかった…寮は、全部で6階まであり、僕の部屋は、玄関から入ってすぐ大広間に出るその広場の左右に10個ずつ部屋があり、僕はその左の一番奥に住んでいる。
「あれ?」
何故か鍵が開いていた。閉め忘れてたのかな?そういえばいつも扉に貼ってある悪口を書いた紙が、貼られていない…恐る恐る部屋に入る。すると、それと同時に扉のすぐ近くに、あるシャワールームから…
「あ、姉さん遅かったから先にシャワー浴びたよ~」
タオルで頭を拭く、全裸の少女が現れた…そのとき腕と同時に揺れる二つの果実が白い肌と長く綺麗な黒髪により強調され、僕の目は釘ずけになった。
「エッ!?」
「ん? どうしたの姉さぁ……!!!?」
お互いに目が合った。
「キャァァァァ!!!!!!」
「ブッハッ!!アリガドウゴザイブ…!!!!」
大量の鼻血を流してしまった僕は、そまま意識を失ってしまった―――
気が付くとそこは、自分の部屋ではなく別の場所の椅子に、縛りあげられていた。僕は、この場所を、知っている…そう、怖いぐらいに、おそらく上城先生の[主任室]だろう。なんで僕は、此処にいるのだろう?あれは、夢だったのだろうか…いや違うな、僕のシャツが真っ赤になっているところから、間違いなく、あれは夢じゃないだろう…
「あ!姉さんこいつ目覚めたみたい!!」
その声を聞きいて、僕はゆっくりと声のした方へ顔を挙げた…
「や~調子は、如何だい? クソヤロー…」
そこには、上城先生とあの少女がいた。少女は、胸を覆い隠すようにして腕を組み、体を少し捩らせて、こちらを睨んでいる。上城先生は、顔こそ笑っているものも、その表情からは、隠すつもりのないらしい殺気が、滲み出ている。
「さ~何であんたが、姉さんの部屋に居たのか、しっかりと訳を聞こうじゃないの!!」
…姉さんの部屋?何を言ってるんだこの人?
「何を、言ってるんですか!? あそこは、僕の部屋ですよ!!」
「何を言っているのだ? クソガキ…?」
先生も少し困惑している。
「さっき男子寮の玄関の防犯カメラを調べたが、お前の姿は、なかったぞ?」
「それは裏口から入ったからです!!」
「そんなの証拠にはならないじゃない!! それに聞いたわ~あんた、さっきまで姉さんに、説教くらってたんでしょ? これは、その腹いせでしょ!!」
と彼女は、何処からともなく罵倒の言葉が書いてある紙の束をポンッと出した。
「そ、それは…」
僕は、その紙の束に見覚えがあった。勿論僕が、書いたモノだからとかではない。それが、毎日僕の部屋の扉に貼ってあるモノからだ。
「見損なったぞこのクソガキ… テメェ~がここまで屑だったとわ…」
だから違うのに!!
「ハァ~」
…もういいや何かでも良くなった…「はいそうです。 僕が、全部悪いです」なんてことを口に出そうとした時…
「だいたい[マーメード・ショコラ]なんてのが男子寮のワケがないじゃない!!」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・?」
その瞬間その場は、重要な会議の途中で誰かが大きなくしゃみをした後のように凍り付いた…
「オイ、彩よ彼の縄を解け…」
「エ!? どうゆうこと!?」
「イイカラ…」
「…ハイッ」
そう言うと彩と呼ばれる少女は、おとなしく、手際よく縄を外してくれた。
「先生…彼女もしかして…」
と手首を軽く動かしながら、上城先生に尋ねた。
「ああ…今日ここに来たばかりだ…」
「どおりで…」
「本当にすまない…」
上城先生は、片手で頭を抱えながらそう言った
「いいえ…これは、仕方がないですよ…」
本当に…
「何でよ!? どうして姉さんが謝っての!?」
「ちなみにだが、お前、もう一つの寮は、見に行ったか?」
「もちのろん!! 男子寮のほうでしょ? えっとぉ~確か[漢梅]だったかしら?」
「よく聞け彩、実はな、そっちが女子寮なんだ…」
「……え? えぇぇぇぇ!!!?」
「何か昔、寮が建てられるとき、業者さんが間違えて取り付けちゃったみたいなんだ」
驚愕してる彩さんに僕は、軽くことの説明をした。
「誰も気にしていなっかたし、たかが、表札ごときに金や労力を使うのも勿体無いということで、職員の方でも意見がまとまってな。 ずっとそのままにしていたんだが――危うく、妹の勘違いで人を殺めるところだった…」
僕も危うく人生を更に棒にふるうところだった…
「よくわかんないけど、私の勘違いで色々言ってその…あの…」
もじもじしながら何かを伝えようとしている姿が少し可愛いかった。
「ご…ごめん…」
「いいや気にしてないから、大丈夫だよ」
それにもう関わることの無いだろう人のことを一々気にしていられない。
「それじゃ~僕はこれで…」
こんな場所に、数秒たりとも長いはしたくない。そうやって俺が早々に立ち去ろうとすると…
「ハァ~!? ちょっと待ちなさいよ!! 何勝手にずらかろうとしてんのよ!!」
「え!? だってもうこの話は終わったじゃないですか!?」
「え~寮の件はね…私が言いたいのは、…は、裸を見たことについてよッ!!」
ああ~そんなこともありましたね~
「そんなこと、どうでもいいじゃないか減るもんじゃないし」
逆にこれから色々増えそうだし…
「ど、どうでも!! 今あんた、どうでもいいって言ったわね!! この花も恥じらう17の体をどうでもいいてッ!!」
涙目になりながら激怒する彩さん…ていうかこの人先輩じゃん!?
「もう許さない!! 勝負よ天道 昇!! [決闘]で私と勝負しなさい!!!!」
「ハァ~ッ!? 何でそうなるんですか!?」
「それは、いい提案だな!! よしどうせなら、[試合会場]を使用出来ないか頼んでやろう!!」
「イヤッ!? ちょっと、僕はいいなんて一言も…」
「ナニカモンクガ、アルノカ?」
「…イエナイデス」
「よし!! 決まりだな、それでは解散!!」
「フンッ!! 見てなさいよ、明日大勢の人の前で大恥かかせてやる!!」
腕をピンッと伸ばし人差し指を僕に向けて、彼女はそう放つと、[主任室]を出ていった――――――なんてコトがあったんだっけ…
「あの~本当にやるんですか…?」
「当たり前じゃない? ここまでしてもらってやらない方がおかしいでじょ!」
「それは…そうだけど…」
《ビィィィーーー!!!!》
サイレンが鳴り、空中に巨大な魔法陣が、形成される。その中にローマ数字が、現れた。「Ⅹ」から、1秒ごとに「Ⅸ」、「Ⅷ」、「Ⅶ」と、カウントダウンが行われていく――そしてついに…
《GEBEN SIE IHR BESTES》
開戦を告げるアナウンスが鳴った!!!!
「解放!! [憤怒の炎][焔月参式 鋼斬り・紅蓮]!!」
彩先輩が、そう叫ぶと、先輩の周りの地面に円を描くように、炎が巻き上がり、それは、先輩の頭上で収束し刀ような形に変形した。
「確かこの、[試合会場]ってのは、【大罪の炎】の物理的干渉を失くす効果があるのよね? なら、アンタを、どんだけ捻りつぶしても、何の問題もないってことでしょ!! 昨日の恨みたっぷりと晴らさせてもらうわッ!!」
そう言うと先輩は刀を下段に構えこちらへ突撃してくる。何て真っすぐなお方だ!!俺は、タイミングを見計らい、手を胸に当て叫んだ!!
『フラッシュ・フレア』
叫ぶと同時に、胸にかざしていた手を、先輩に向けるすると、手のひらから野球ボールサイズの白い光が飛び出てきた。
「キャッ!!」
よし!!当たった!!
「アレ? だけど、あんまり痛くない…」
そうこれは、あくまでも見せかけだけの技だ。それ以外には、何も使えない。だから、今のうちに距離をとる。―――しばら同じことを繰り返していると…
「「オイ汚いぞ!! 正々堂々と戦え~!!」」
観客席から、批難の声が飛んできた。ま…如何だっていいことだ。僕は、僕の思うように戦おう…とりあえずこのままタイムリミットまで持ちこたえれば、試合はドローになり延長に入る、そこで僕が、辞退すれば、彩先輩は、勝負に勝って俺は、臆病者のレッテルを張られるだけで済む。あと残り5分いけるぞ!!…
バシュ!!
すぐ後ろで何かが、そう肉のような何かが、刃物で切られる音がした。僕が、その音が何から発せられたものなのか、頭が理解するよりも速く、体がそれを理解した…
「ギャアアアアア!!!!」
背中が、何かに斬られたように痛い!!何だこの熱さ!!血液の一滴一滴が、沸かしたばかりのやかんのお湯のでようで、何度も何度も体の中に激痛を運ぶ。その収まることの無い痛みに思わず悲鳴を上げた
「何とか動きは止められたみたいね。 時間切れを狙ってたみたいだけど、そうはいかないわよ!!」
僕は、すぐその場から、離れようとした。距離さえ取れば、[炎]の性質上先輩の攻撃は、届かない!!
「逃がさない!!」
先輩は、刀を上段に構え振り下ろし…炎の斬撃を飛ばした―――――
別作と同時連載のため更新が、遅くなります。




