上山基也の場合 Part2
最後の検査は緊急治療室での髄液検査だった。髄液と聞いてどんな物かを知ってる人は少ないと思うので記載しておくが(上山基也の知識内で)髄液とは、背骨の穴から取れる液(血液なのか透明色なのかは知らない)らしい。高校のとある教科の先生の友達の話によればとてつもなく痛いと聞いていた。そして、先生からの説明を聞き、副作用の事も教えて貰えた。その副作用の事を聞いて驚いた。長くて2週間、痛みが続くと言われた。そして、最悪の場合足が動かなくなると言われた。それもそうだ。背骨、脊椎は脳から脚まであるのだから、足が動かなくなるかもしれないのは当たり前の話だ。だが、受けなければ髄膜炎で死ぬかもしれない。俺は別にそれでも良かった。だが、親からすればまだ利用価値があったのだろう。当たり前の様に髄液検査を受けるように言った。
そして、治療が始まった。まず最初は麻酔を打つ。それは手術でも予防接種でもする事だが、髄液検査の場合、背骨に麻酔を打たれた。打たれた時の衝撃、痛みはとても強かった。とても痛かった。だが、まだ耐えられる痛みだった。その1発が打ち終わった後、先生は
「痛かったかい?今のを耐えれればそれ以上痛くはないよ。」
と。
だが、それは嘘だった。
麻酔の打ってから1回、2回、3回と回数だけが増えていき、痛みは当然の様に増していった。そして痛みで数えるのも忘れ、半時間ほど経過したのだろうか、先生が休憩を申し出た。もちろん、痛いので少しでも和らぐならと思い承諾した。だが、その休憩はそんなに長くなく、注射をする場所をほんの少し変えるための休憩だったのだ。
そして、また針が刺さる。だが、まだ髄液が取れない。時間が刻々と進み、痛みも段々強くなっていく。
何度打たれたのであろうか。痛みで死を連想し始めたその時、背中から何か液体がたれ落ちるのが分かった。血か髄液かは分からない。だが、終わりが近いと思った。だが、それでもまだ終わらず、その液が色んなところからたれ落ちてるのに終わらなかった。そして、何度目かの麻酔の後、外科の麻酔士の先生が髄液を抜いた。今までの痛みが嘘だったかのような速さ、痛みの軽さだった。そして、1時間以上に及ぶ髄液を抜くという作業は終わり、1時間のその場での安静を命じられた。午後3時を過ぎていた。
1時間後、診察室に入り結果を聞いた。結論から言えば何もなく、ただの偏頭痛だった。そして、痛みと共に家に帰りそのまま晩飯を食べずに寝、人生が変わる悪魔の日を終えたと思った。
そう、終わったかの様に見えたのだ
これを書いてる時、とても身震いして、尚且古傷が痛み、恐ろしいです
髄液を抜くという行為はとても難しいらしいです。特に内科の先生はそんな所に針を打つという行為が少ないらしく、自分みたいなケースも多くはなくともあるらしいです