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四転

「あら柊さん。

 こんな時間にお引っ越し? それとも、夜逃げ?」

「あ、杜子ちゃん」

 どさぐさに紛れて杜子の腕をとろうとしたが、ひらりとかわされる。

「ああ……夜逃げ兼お引っ越し、かなあ。

 社長のクソ野郎が更新料を置いていかなかったもんで、一時撤退。

 名残惜しいけど、元気でね」

 杜子は柊の(元)職場と(元)住居があったマンションのオーナーが一階部分で経営していた喫茶店のオーナーで、彼女の存在があればこそ、柊は茶々屋の泥みたいなコーヒーを我慢しつつ常連になっていたわけである。

 柊の主観によれば、あと一息で落とせるところまで来ていたのだが……。

 とか思いつつ、ちゃっかりと引っ越し先の住所と携帯の番号を教えておく柊であった。

「へぇー。

 意外と近いんだね」

「うん。

 知り合いの伝手でちょうどいい物件があってね。

 本当、助かったわ」

 実はまだ、柊も物件の実物を見ていなかったりする。

 なにぶん、時間と選択肢の幅があまりにも限定されすぎていた。


 そのとき、柊のスーツのポケットに突っ込んでいた携帯が、クワイ河のマーチを奏でた。


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