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「かっ……関係あるよ!」
純夏は思わず、といった様子で気色ばんで叫んだ。
「だって、私は……私は……」
そのまま頰を赤らめて俯いてしまう。
なんだ? なんでこんな言いにくそうなんだ?
幼なじみだから関係あるって、ハッキリ言ってやればいいのに……。
って、それ俺が言えばいいのか。
「純夏はな、俺の幼なじみなんだ。
だから、関係ある! 大いにある!」
「りっくん……」
純夏の顔が少しだけ曇った気がしたのは、気のせいだろうか。
「幼なじみだから、何?」
土御門はまるで尋問するかのようなキツい口調で続けた。
「何って……」
「幼なじみだからって、保科くんの行動を阻害する権利があるの?」
「それは……」
純夏はそれきり黙ってしまった。
てか、キツくないか、土御門。
「いいんだよ、純夏は。
幼なじみで、仲の良い友達だし」
純夏の肩に手を置く。
「とにかく俺は、眷属とかいらないから。諦めてくれよ」