4
誰だこんな朝早くに。
ドアスコープから外を窺う。
セミロングの髪にリボンカチューシャをつけた、小柄でかわいらしい女生徒……あれ、こいつ昨日の子だよな?
純白パンツの、土御門?
「今開けます」慎重にドアを開ける。
まさか仕返ししにきたんじゃないよな?
覚悟を決めてドアを全開にする。
土御門は、昨日のような攻撃的なそぶりは見せず、俯いてもじもじとしていた。
少し待っても何も話さない相手に痺れを切らし、愛想笑いを浮かべてなるべく優しく声をかける。
「昨日はごめん。怪我とか大丈夫?」
「大丈夫……」
土御門はスカートの裾をつかんで俯いている。
なんか、やけにスカートの丈が短いな、昨日こんなに短かったか?
ふいに土御門が顔を上げた。
その顔は熟れたリンゴのように真っ赤だ。
「あのっ、わ、私と、交接してください!」
土御門はキュッと目をつむると、はっきりとそう言った。
こうせつ? って何? 南こうせつ?
「は? こうせつって?」
俺のその返答を聞いて、土御門は目に涙をにじませた。
なんなんだよ……。
「せ、性交してください!」
せいこう。成功、じゃないな。精巧も違うか……せいこう……性交?
土御門の言う意味を理解した瞬間、俺の顔は耳まで赤くなった。
「は!? え!? 急に何言って!!」
土御門も赤面しているが、その表情は真剣そのもので、冗談を言っているようには見えない。
「お願いします!
土御門家の男の娘は、魔法を使用しての殿方との勝負に敗北した場合、一生を肉の眷属として捧げなければならないんです!!」
肉!? どれい!?
こいつ、一体何を言っているんだ!?
「肉の眷属として酷く扱われることは覚悟してます!
でも、これは家のしきたりなんです!」
土御門は土下座する勢いで俺にペコペコ頭を下げる。
いやいや、それも気になるけど、それよりおかしい台詞があったぞ!?
「つ、土御門、さっきのもう一回言ってくれないか?」