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魔法学校に入学したら、男の娘に俺の○液を提供することになった。  作者: 男の娘を孕ませてあげる会
運命の男の娘
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9

 女生徒は懐から杖を取り出した。


 純夏が息を飲むのがわかった。


 なんだ? 何をしてくるつもりだ?



 周囲に集まっていた生徒たちの話し声が聞こえてくる。


「土御門が喧嘩するみたいだぞ!」

「珍しいね、っていうか、はじめてじゃない?」

「相手誰だよ? あんな奴いたっけ?」

「なんにせよ相手に勝ち目はなさそうだな」

「学年トップが相手じゃなあ」



「りっくん、逃げて!!」

純夏が周囲の騒ぎに負けぬような大声を張り上げた。



 周りの空気が、女生徒の構えた杖を中心に渦巻くのを感じた。


 ザワザワと身体中の毛が逆立つような感覚に包まれた。

 なんだかヤバい予感がする。


 キン!

 鋭く高い音と共に、杖の先からバスケットボールほどもある火の玉が三つ現れた。


 火の玉は、ゴウゴウと音を立てて俺に向かってくる。


 呆然とする俺の前に、何か複雑な模様のかかれた分厚い本を構えた純夏が躍り出た。


 その本から障壁が発生し、火の玉を防ぐ。

 障壁は一球、二球と火の玉を消滅させ、三球目を消滅させると、燃え尽きて灰となり床へさらさらと舞い落ちた。


「土御門さん、りっくんを許してあげて!

わたしも一緒に謝ります!」


 懇願する純夏に、女生徒は杖の先を向けた。


「許せない。

講習の面前であんな不埒な真似をした奴なんて!」


 女生徒がそう叫んだ直後、純夏が菫色の光の輪で拘束された。


「あっ!」

純夏はしまった、というふうな声を出すが、もう遅い。

 緊縛がキツいようで、身動きを取ろうとしても少し身を捩るくらいしかできていない。


 そのまま、女生徒が降る杖の方向へ飛ばされていく純夏。

「純夏!」


「だ、大丈夫だよ、りっくん」


 純夏へ呼びかけると、苦しげな返事が返ってくる。


 純夏へ駆け寄ろうとすると、俺の足元に光球が放たれ床を穿った。



「人の心配をしている余裕があるの?

あなたからは一寸たりとも魔力を感じられない。

本当にここの生徒?」


 上手い言い訳が思いつかずに黙り込む。

 つーかやっぱ魔力とかあるんだな。

 ……こいつの話が本当なら、俺にはないっぽいが。


「お前の感覚が狂ってんだよ。

手加減してやってんのがわかんねえの?」


 思わず言い返してしまった。

 女生徒は下唇を噛み、さらにキツく俺を睨む。


 言わなきゃよかった。

 さらに怒らせてしまったようだ。


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