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妖力強制遮断装置をいろんな技で破壊しました

ここを下りれば地下か……。

僕たちは光莉の作戦で捉えた敵から見事に情報を聞き出すことに成功した。しかしその聞き出し方はとても残酷で忘れなれないものとなってしまった。

だが、相手の渡してくれた通りに進んでいた僕たちは難なく地下へ続く階段に辿り着いた。

「さぁ、降りましょう」

光莉の合図で僕とローナは階段を降りる。

「敵がいることは頭の隅に置いといて。すぐに戦闘体制取れるようにね」

注意深く光莉は僕たちに言った。

すぐそこは妖精の妖力を遮断することのできる装置がある地下だ。そんなところに見張りがいないわけない。確実にいるに決まってる。

「わかってるよ」

ここを落とせばローナやカリナの超回復が戻る。そうすればこの状況も一転するだろう。

僕たちは必ずやらなければならない。やり遂げなければ僕たちは全滅すると言っても過言ではない。だから、ここで確実に落とす。

「うちとカリナはどうするんや?」

ローナは先陣をきっている光莉に聞いた。

「そうね……、敵が来ないようなところにいてくれると助かるわ。もし見つかったら対抗出来る術がないものね」

そうだ、ユウナが死んでしまったからローナを守れるのは僕と光莉だけなんだ。でも、どちらか一人が守りに入るともう一方が大変になる。どうにしたってヤバイ状況になっているな……。

「速攻で装置を破壊しよう。行くぞ、光莉!」

僕はそう言ったのと同時に階段を駆け下りた。光莉もあとに続いて下りて来るのが音でわかる。

「リミットは五分ね。お兄ちゃん」

五分か……。相当短いな。だが仕方ない、やるしかないのだ。それ以上の時間をかけるのはローナに危険だってことか。

「了解!」

僕はさらにスピードを上げる。

「おい、何だお前、侵入者か⁈」

階段を駆け下りると大きなドアがあり、そこには二人の敵が立っていた。

「悪いな、答えてる暇はない」

そう言って僕はスピードに乗ったまま相手の首を跳ねる。

「敵襲!敵襲!本部に通達、てき……」

「ごめんなさいね」

そう言って光莉はもう一人の敵を斬る。

「ドアを開けて」

僕は光莉に言われて相手の腰から鍵を見つける。その鍵でドアを開けた。

「な、何だ⁈敵か?」

ドアを開けるとそこには大きな部屋があり、その半分くらいを敵が埋めていた。

「多くないか……」

僕はポロッと愚痴をこぼす。

「しょうがないわよ。すぐそこに装置があるんだから」

光莉はドアの前で突っ立っていた僕を追い越し、敵の輪の中に突っ込む。そしてズバズバと斬って行く。

「お兄ちゃんも早くして」

光莉の言葉でやっと身体が動いき、敵に向かって走り出す。

「おう、わかってる」

僕も敵の輪の中に飛び込み斬り始めた。

「先に言っておくが、装置を止めるためだ。悪く思うなよ」

「もう斬ってるわ!」

敵からのツッコミを受けた僕はツッコんだ奴に剣を向けた。

「ナイスツッコミ。だが、斬る」

ズシャッ

僕は華麗なツッコミを披露した相手に敬意を持って斬った。

「うぐふっ」

死に際まで最高に綺麗だった。まあ、斬ったこっちも今までで一番綺麗だと思える実感があったら気分は最高だった。…………、いやいや、敵がまだあんなにいるんだよ。何喜んでるんだよ。

僕は自分にツッコんでいた。

「何やってるの?早く敵の数減らしてよ」

少し自分に惚れ惚れしていたら光莉に注意されてしまった。

「はいはい」

僕はやる気を一気に削がれた気分だった。やる気メーターは90から40くらいまで下がってしまった。

「もう、数が多いって」

光莉も愚痴をこぼし始めた。

何たって敵が奥からうじゃうじゃ湧いて来るのだ。それはもう愚痴をこぼしても仕方ないだろう。

「たたみかけろ!」

敵の士気はどんどん上がって行く。

「あー、もう!ウザイって!」

僕は始めから愚痴を言っていたが、ここに来てさらに多くなった。

「「「「おおー!」」」」

敵の大群が奥から詰め寄って来る。強くはないが、いくらなんでも数が多すぎる。僕らもノーダメージでは闘い切れそうにない。

「うわっ⁈」

僕の少し気を抜いた瞬間に後ろから斬られてしまった。

「もう、何やってんの!」

そう言って光莉は僕の方へ駆け寄り、僕らは背を合わせた。

「これでもう後ろは狙わせない。後ろは任せたよ、お兄ちゃん!」

「わかってるって。光莉こそ、頼んだぞ」

僕と光莉は死角をカバーしあい合い、敵を向かい撃つ。

「おらおらおらおら!」

僕は剣を凄い勢いで振り回す。

「はっ、やっ、せいやっ!これで、どう?」

光莉は正確無比に急所を狙う。

敵のやられる声もとてもテンポが良い。

「うがっ」

「くっ」

「ガハッ」

三人がやられたな。とてもわかりやすい。斬撃と声が呼応している。

僕も負けてられない。

「食らえ、旋風大回転!」

僕は一度成功している技を使った。あの時よりも威力は強い。この剣が僕に馴染んで来る。

「うわぁぁぁ!」

辺りにいる敵が宙に舞い、悲鳴をあげている。

「剣技、乱舞!」

今度は光莉が技を出す。

「何だよそれ。いつの間に?」

光莉の技など見たことがなかった。

「そのままよ、思い付きだし。お兄ちゃんこそ凄いわね」

光莉が、あの光莉が僕を褒めた。

「あ、ああ、ありがとう」

素直に嬉しかった。が、僕が敵を宙に上げたのを光莉が斬るという美味しいところを持っていかれた。何だか嬉しいような、悔しいような…………。

「どうしたの?さっ、次よ」

光莉はこの気持ちがわからないらしい。まあ、わかれとは言わないが、察しては欲しい……。

「…………、わかってる」

頭を切り替えろ。ここは戦場だ。少しでも気を抜いたらやられる。って言うかやられた。それが全然生かされてないじゃないか。

「くそったれ!風神旋風かまいたち!」

僕はもう投げやりで技を出す。技の名前も適当だし、出来るかもわからないままやっている。

「何それ、かっこ良い!」

は?どうしたんだ光莉。まさか……。

光莉もこういうのが好きなのか?僕はもう人間的に廃人と化しているから言っていて気持ちが良いくらいだが、まさか光莉もこういうのに興味があるなんて思いもしなかった。

「剣技、花吹雪!」

今度は光莉が新しい技を出す。花吹雪って何だよ……。と思っていたら、斬った後に桜の花びらが舞った。

何だこれ……。見ていて美しい……。それに何だか暖かい……。

「どう、お兄ちゃん?」

「ああ、綺麗だ」

その言葉しか出ない。これが花吹雪……。凄い。光莉だから出せる技だ。光莉の容姿、剣技、その二つが綺麗に合わさることで花吹雪が完成するんだ。

「ってか、お兄ちゃんも闘ってくれない?私しかやってないよ」

僕としたことが見惚れて倒すことを忘れていた。

「それにスピード重視なのよ?もっと急いで」

そうだ。上の階にはローナがカリナと一緒に待っている。二人は戦闘が出来ない状況にあるんだ。僕らと離れるのはとてもマズイ。

「そうだった。旋風大回転&風神旋風かまいたち!」

僕は旋風大回転で巻き上げた敵を、風神旋風かまいたちで切り刻む。

「剣技、乱舞花吹雪!」

光莉も二つの技を組み合わせ、大勢の敵を斬る。

「まだまだ、ここを通すな!」

もうすぐあの司令塔に辿り着く。そいつを倒せば装置はすぐそこのはずだ。

「うおぉぉぉ!旋風疾風突き!」

僕は風の速さで相手の懐まで突っ込み、一突きで相手を仕留める技も手に入れた。

そして、敵の司令塔まで辿り着いた。

「よっ、お前はここで消えてくれ。それか装置を壊してくれるか?」

僕は二択の選択を迫った。どちらにしても、装置は必ず壊すが。

「そんなのお前らを殺す以外ないわ!」

相手は僕に向かって走って来る。

「そうか、交渉決裂。お前を倒して先に進む!はぁぁぁぁぁ!」

僕も相手と同様に走る。

「これで、どうだ!」

僕は勢いよく剣を振り下ろす。

ガチンッ

しかしそこには敵はいなかった。

「きゃー⁈」

すると後ろで光莉の声がした。ハッとなって振り向くと、さっきまで僕の目の前にいた敵が光莉の背後に回り、首にナイフを当てていた。

「よくもやってくれたな。魔王様に何て言えば良いか……。責任は取ってもらうぜ、死というものでな!」

くっ、やられた。僕一人で突っ込んだために起こったミスだ。何で僕はこんなに単純なんだ。頭を使っていればこんなことならなかったかもしれないのに……。

「光莉を離せ!」

「おっと、そこを動くなよ。動いたら、こいつがどうなっても知らないぞ?」

くそっ、何てありがちな人質の使い方だ。まるで漫画の中にでも入ったかのようだぜ。

「剣をこっちに渡せ。そうしたら考えてやる」

何だよ。マジでそういう世界に入ったのかよ……。脳内だけで十分だよ。

「お兄ちゃん、私のことはいいから、こいつを」

光莉は僕に言った。

「いや、それは出来ない。光莉は大切な妹だからな」

「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ?早く装置を壊さないといけないんだよ?」

それはそうだ。装置を壊さないとローナやカリナの超回復が戻らないからな。だからと言って、妹を見捨てる兄なんていないだろう。

「わかった。僕が人質になる。それなら良いだろ?」

僕は再び相手に交渉をしようとした。

「それは乗れない相談だな。何か考えがあるからそう言うんだろ?」

実際だったらそうだ。だが、今の僕はそんなこと考えてる暇はない。もし光莉に何かあったら僕のせいだ。それは絶対にダメだ。それなら僕が死んだ方がマシだ。

「何言ってるの?早く殺ってよ!」

光莉は僕に怒鳴る。

「もう茶番に付き合うのはごめんだ。こいつを殺す。良いよな?良いって言わないと殺すぞ?」

それってどっちにしても殺すぞと言っているじゃないか。

「出来るんだったらな」

僕は堂々と立ったまま言った。

「ああ、良いぜ。残念な兄だったな」

敵は光莉に皮肉を言ってからナイフに力を入れ始める。

「うっ、くっ、いやっ!」

光莉はジタバタするがもちろん敵は離してくれない。

「おとなしくしないミスって痛い思いが長く続くぞ?」

くそ!足が動かない。光莉が、大事な妹がやられてるのになにやってるんだ!

「さあさあ、助けに来いよ。そうしたら一瞬でこいつは死ぬけどな」

相手はバカ笑いをして僕を挑発して来る。

「お兄ちゃん、早く!私はもう良いから!」

光莉は僕に訴えてくるが、僕は動けない。動いたら光莉が……。ここは敵の言うことを聞いた方が……。

カランカランッ

僕は剣を落とし、光莉を人質にしている敵の方へ蹴った。

「これで良いだろ?光莉を離せ」

僕の右目が赤くなっていくのを感じる。これは歯止めが効かなくなりそうだ……。

「ふっ、はっはっはっ。そこに跪け(ひがまずけ)、そして俺の言うことを全部聞け!」

くそっ、僕は渋々敵の言うことを聞いた。

「お兄ちゃん!」

光莉は僕に何か言おうとするが、それをしようとするとナイフを突きつけられる。

「いいな、そこを動くなよ?」

僕は動かない。

「おーし、じゃあここで妹の公開処刑といこうかぁ!」

敵はさらに首に当てるナイフの力や強くする。

ツゥー

血が首を伝って胸に流れる。

「うっ、お、お兄ちゃん……」

光莉は涙を流している。

「お兄ちゃん!何で攻撃しないの?何で?何でよ!」

光莉はとうとう僕に怒ってしまった。こんな兄で悪かった……。敵の言うことを聞いて、騙される。なんて情けない兄なんだ……。

「そろそろ死ねぇ!」

敵が思いっきりナイフを振り上げる。

ドクンドクンドクンドクン

血が騒ぐ。歯止めが効かない。もう一人の僕が現れる。

「やめろ。妹を泣かせる奴は、俺が許さない」

僕はついに妹LOVEスイッチが入ってしまった。心はこのままなのに言動と行動が……。

振り上げたナイフを首に刺さる寸前で止め、そのまま敵を背負い投げした。

「お兄ちゃん!」

「下がってろ、光莉。こいつは俺が殺る」

敵から光莉を解放した僕は、敵との一騎打ちを申し出た。

「わかった」

光莉は素直に僕の言うことを聞き、後ろに下がった。

「さあ、よくも妹を可愛がってくれたな。それに……、いや、以下省略。時間がないんでな」

「何だよそれ!まあ、良い!お前から先に死ね!」

相手はさっきと同じようにこっちに向かって走って来る。

「旋風疾風突き……」

相手との距離を一気に縮め、突きをする。

「ふははは、そんなの関係ねぇな!」

だか、相手は一瞬のうちに視界から消える。

「ちっ、面倒くさい技だ」

瞬間移動といえば良いのだろうか?一瞬で場所を移っている。

「これがある限り、お前は俺に追いつくことは出来ない!ざまぁねぇな」

相手は大笑いし僕を挑発する。

「そうか、だからどうした?旋風大回転&風神旋風かまいたち。近づけないのなら近づかなければ良いだけだ」

僕はその場で回転し、風を起こした。

「うわっ、くそっ、身動きが!」

相手は予想通り宙に舞う。そして今度は僕が放ったかまいたちが襲う。

「うわっ、くそがぁ!なんて言わねぇよ、ばぁか」

敵は僕の放ったかまいたちを難なく受け止める。

「そうか……」

「何だぁ?万事休すかぁ?」

ゲラゲラ笑いながら僕に言う。

「いや、もう終わりにしよう……」

僕は集中する。

「お前が死ねば終わりだ!」

相手は突っ込んで来る。

「雷神雷落とし!」

ゴロゴロゴロ、ズシャーン!

僕の放った技がもろに相手を捉える。

「うがっ……、こんな技があるなんて……」

黒焦げになった相手は床に倒れ、ピクピクと痙攣(けいれん)している。

「光りより速いのは存在しないさ。それが瞬間移動であろうとな。悪いがこれでお終いだ」

僕は容赦なく心臓を一突きした。

ドビュッ

敵の周りは血で満ちる。

「さぁ、光莉。この先へ行こう。装置はすぐそこだ」

僕は次のドアを力任せに壊した。

「急ぎましょう」

光莉は空いた部分から内部へと侵入する。


「あったわ、これね」

ドアを破って入った部屋には馬鹿でかい機械があった。

「何だこれ?」

僕は妹LOVEスイッチが切れ、元に戻った。目の色も戻り、疲れが一気に溜まった。

「くっ」

僕は体制を崩し、膝をついてしまった。

「大丈夫?」

光莉が顔を覗かせる。

「ああ、光莉の方こそ大丈夫だったか?」

あんな目に遭わせてしまった自分が本当に申し訳ないと思う。兄として、失格だ。

「うん。でも、助けるならもっと速い段階が良かったわ」

「悪い……」

そうだ。僕がもし、妹LOVEスイッチが入いらなかったら今頃どうなっていたことか……。いやいや、結果はしっかりと受け取るべきか。

「おし、手分けしてこいつをぶっ壊すぞ」

とてもでかい機械だが、周りに敵はいない。これならすぐに壊せそうだ。

「わかった。剣技、乱舞!」

光莉は早速壊し始める。

「なら、僕も。旋風大回転!」

大回転の風の力で辺りのものをまとめて片付ける。

「くそっ、デカすぎてダメだ。風神旋風かまいたち!」

斬れ味抜群のかまいたちで今度は壊していく。

「剣技、花吹雪!」

光莉も技を変え、どんどん壊す。

だか、装置はあまりにもデカくて全てを破壊し切れない。

「何でこんなデカイんだよ!」

しかも部屋の広さが尋常じゃなく広い。一番奥が見えないくらいだ。

ヒュンッ

⁈何だ?いきなり部屋の奥から何かが飛んで来た。

「おい、光莉。何かあるぞ?」

「え?」

光莉が言った瞬間、部屋の奥から矢が飛んで来た。

「ヤバイ、隠れろ!」

ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン

物凄い数の矢が僕の横を通っていく。

「大丈夫か、光莉?」

僕は反対側に隠れた光莉に聞いた。

「大丈夫。でも、どこから?」

「おそらく部屋の奥からだ。僕たちに気付かれないように隠れているんだろう」

だか、人が撃てる数をゆうに超えている。数で言ったら数百は飛んで来たたろう。何人の敵が奥に潜んでいるんだ?

「光莉、お前はこの装置を破壊しろ。僕は奥の奴を仕留めて来る!」

僕はバッと影から出て、前を向く。

「了解」

光莉は盾にしていた機械から壊し、続いて周りのも壊し始めた。

「旋風疾風突き」

僕は一瞬で奥まで突っ切った。だが、そこには誰もいない。

「おかしい。これならどうだ?旋風大回転!」

今度は範囲を拡大し辺り一面を壊した。しかし、誰も出てこない。あれだけの数の矢が飛んで来たのに敵が一人もいないなんておかしいぞ?

ギギギギギ。スパン。ヒュンヒュンヒュンヒュンヒュンヒュン

「ちっ!」

何かの音を合図に矢が全方向から飛んでくる。

「隠れられないじゃないか!」

どうする?このまま食らってしまうか?否、やはりこれか。

「旋風大回転!」

僕はその場で大回転し、竜巻並みの風を起こす。

「お兄ちゃん、何かあったの?」

遠くの方で光莉の声がした。

「何も問題ない。光莉はそのまま続けてくれ」

僕は回転しながら言った。

くそっ、いつまで飛んで来るんだよ。人か連写出来るスピードじゃないぞ?僕はまだ回り続ける。でなければ、僕がやられてしまうのだ。

「旋風竜巻嵐!」

僕は大回転の進化版、竜巻嵐を使った。風の強さはもちろん、威力は数段に跳ね上がり、これだけでも十分な殺傷能力のあるものになった。

「はぁぁぁぁぁ!」

範囲がどんどん広がっていく。これが竜巻嵐の力か……、凄い……。

やっとの事で攻撃がやみ、僕は辺りを見回した。

「凄いなこれは……。辺りは機械の残骸でいっぱいだ」

しかし、肝心の敵が一人も見当たらないのだ。

「どうなってるんだ?」

わけがわからない。数百の矢が飛んで来たのに一人も敵がいないなんて……。どうなってるんだ?

「お兄ちゃん、これでラストよ」

後ろを振り返ると光莉が立っていた。

「ああ、わかった。急いで壊そう。ローナが心配だ」

もうリミットの十分は過ぎてる。これ以上は本当に危険だ。

「僕が壊すから光莉は下がって」

僕は一歩前に出て言った。

「わかった」

光莉は少し下がり、僕を見る。

「これでどうだ!」

僕が剣を振り下ろす瞬間、

ババババババババババ

その機械から矢が飛んで来たのだ。

「うおぉぉぉぉぉ!旋風竜巻嵐!」

僕は急遽(きゅうきょ)技に変え、機械と共に矢を振り払った。

「大丈夫か、光莉?」

機会は粉々になり、矢も全て吹き飛ばした。

「うん、お兄ちゃんかっこ良かったよ」

不意に光莉に言われてドキッとした。

「お、おし、戻るぞ」

これで機械は全て壊したはずだ。妖精の超回復も戻るだろう。

そう思い、僕らは妖力強制遮断装置のあった部屋を後にした。


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