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5.男子が苦手になった原因は?

 わたしが男子に苦手意識を持つようになったのは確か中学の時。恐らくピークは2年の時だろう。


 ***


「うわっ!こいつマジキモい!」

「近づきたくねぇ」

 教室内で飛び交う暴言。わたしに対しての暴言。

「お前のことだよ!わかってんのか?」

 そうして暴言を吐いた男子はわたしの机を蹴った。わたしはなにもなかったかのように読書を続けた。だけどこれが相手の反感を買うことになってしまった。

「無視してんじゃねぇよ!なんか言ったらどうだよ!」

「……で」

「あぁ?」

「なんであんた達みたいな奴らを無視しちゃいけないの?無視するもしないもわたしの勝手でしょ?読書の邪魔しないで。近づきたくないなら近づかなくて結構。わたしだってあんた達みたいな最低な人間に近づきたくはないから」

 わたしがそう言うと教室内は一瞬にして静かになった。

「乃愛……すごい……」

「あいつにあんなはっきりと言ってやるなんて……」

「乃愛ってホント男子には毒舌すぎるよね」

 一部の女子はわたしの行動に驚いたらしい。

「て、てめぇ……!」

 相手は顔を真っ赤にして震えだした。図星、だったのかな?

「ふざけてんのか!?好き勝手言ってんじゃねぇよ!」

「好き勝手言ってるのはどっちよ?わたしは言われたから言い返した、ただそれだけ。なんか文句ある?」

「あるに決まってんだろ!いつか絶対泣かせてやる!」

「やれるもんならやってみれば?わたしはあんた達みたいな卑怯者には絶対負けない」


 中学の同級生はほとんどが小学の時からの付き合いなのに、中学に入って2年目、わたしは男子から嫌がらせを受けていた。

 1年の時はまだよかった。女子も男子もみんな仲がよかった。わたしは元々あまり男子と喋らない人だったけど、友達と一緒にいる時はまぁなんとか話せていた。

 だけど、次第に男子と話さなくなり、気づけば無視されていた。いない者扱いをされていた。別に相手がたった数人の男子だから気にしてはいなかった。

 そして2年になった時、更に酷い扱いを受けるようになった。男子みんながわたしを汚いもの醜いもの扱いした。暴言を吐かれるなんて日常茶飯事。

 そう思うなら近づくな。わたしだってあんた達みたいな最低な人間に近づきたくはない。嫌味なら言いたい放題言えばいい。わたしはあんた達みたいな陰でひそひそ言う卑怯者なんかには絶対負けない。暴力でどうにかしようなんて考えの最低な人間なんかには絶対負けない。そう思って1年間を過ごした。


 ***


 多分これが原因なのかもしれない。まだよく話す方だった男子にも避けられ、嫌がらせを受け、知らないうちに男子を拒否していた。男性不信になっていたのかもしれない。

 少しでも男子との距離が近いだけであからさまに距離をとったり、すれ違う時でさえ身体がこわばっていた。話すとしても敬語を徹底していた。絶対に信頼してはいけない。男となんて適当に話を合わせてればいいんだ!そんなことを思いながら過ごしていた。

 初めは嫌っていた男子。でもこの時既に『嫌い』を通り越して『拒否』や『不信』になっていたのかもしれない。

 今となっては数年前のわたしの気持ちは分からないから確かめようがないけれど。


 だから今のわたしの男子に対する態度はまだいい方なんだ……。あの頃は口悪くて男子に毒舌ばっか吐いてたし。男子との距離がちょっとでも近いと、嫌いですわたしに近づかないでくださいオーラが尋常じゃないくらいわたしの周りを漂っていたし。

 今はそんなに負のオーラは出ていない。敬語も使ってない。毒舌になることはない。

 少なくとも中学時代よりは成長している。少しは心を許している。信頼しようと、いや一部の人は信頼している。

 ……って確かめようにも幸か不幸か同じ高校に進学した人はいないから無理。これはわたしがそう思いこんでるだけで実はそうでもないかもしれない。


 そう、だからこんな女の子が男子に恋をするわけがないんだ!頭では大丈夫、信頼出来るって思ってるのに、分かってるのに!身体に染み付いた癖は抜けなくてツンツンしてしまう。態度が冷たくなってしまうんだ!

 もう……自分じゃどうしようも出来ないんだ……。

 素直になりたいよ……。男子に対してツンツンしないようになりたい……。

 そんなことを思っていたら自然と涙がこぼれていた。


舞原です。


今回は乃愛の中学時代について(の一部)です。

乃愛には珍しい『闇』が満載です!笑


ちなみに乃愛のこの男子に対する態度は中学の同級生のみです。

高校では少ーし言葉を柔らかくしています。


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