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28.合宿です!⑥

 ホテルに戻ってから、部屋に戻ってからもう結構時間は経つのに。まだ顔が紅い気がする。まだ胸がドキドキしてる……。

 原因はちゃんと分かってる。イルミネーションを見てる時に近くなったわたしと桐崎くんの距離、ぶつかり合う肩と腕。桐崎くんはなにを思ったか分からない。でもわたしはすごくドキドキして、このままでいたいと思ってしまった。

 それってつまり、ラブってこと?わたしはとうとうラブにまで発展してしまったの?あぁー、一度しかラブを経験したことがないわたしにはよく分からない。最早ラブがどんなものか忘れかけているもん。

「ちょっと乃愛ー、大丈夫?一体なにがあったの?」

 ベッドの中でうずくまるわたしを心配して緋華はわたしがいるベッドに座った。

「具合悪いとかじゃないならどうしたの?まさか桐崎くんとなんかあった?」

 ドキッとして身体が動いた。……もうバレバレだよ。

「なるほど、原因は桐崎くんか。なんかなんとなく分かった気がするよ」

「えっ……?」

 やっぱりわたしが桐崎くんにラブになりつつあることに気付いてしまったのかな。

「すぐ隣に男子がいたのが嫌だったんでしょ?男子苦手だから」

 意外な答えに言葉もでない。

 そういえばそうだ。わたしはつい最近まで男子が苦手だった。でも、気付いたら話しているじゃないか。部活でもクラスでも。まぁ限られた人だけど。そして苦手だったはずの男子に、桐崎くんに対してラブになりつつあるんだ……。

「え?違うの?」

「……半分あたってる。わたしがこんなことになった原因は桐崎くんってことはあたってる」

「違うんだ。でもやっぱり桐崎くんが絡んでるのか」

「うん……」

 どうしよう。これって言うべきなのかな?正直あまり知られたくない。でも緋華ならいろいろと相談に乗ってくれるはず。言っても損はないかな?

「あのね、わ、わたし……その――」

「ねぇ乃愛、検討外れかもしれないこと言うけど許してね?」

「え?う、うん……」

 緋華は結構真剣な目でわたしを見るのでちょっと戸惑う。そんな真剣な目をしてるのに検討外れなんて言われても本当にそうなのか信じがたいよ。

「もしかして乃愛、桐崎くんが好き?」

 ドキッ。いきなり核心を突かれ、なにも言えない。恥ずかしくて枕に顔をうずめた。

「その反応からしてそうみたいだね……。それが原因か……」

 なんで緋華には分かるのだろう。やっぱり紅くなった顔を見られてたのかな?

「す、好きじゃないよ……。ただ、気になって気になってしょうがないの……。でもさっき、近くにいた時もっと一緒にいたいって思って……」

「えっ、それって……」

「ん?なに……?」

「い、いや、なんでもない。うん、気になるのね」

「う、うん……」

 緋華は一体なにを言いかけたのだろう。わたしの言ったことに対してなにか思ったのかな?

「そっか。あの男子苦手な乃愛が気になるっていうんだから絶対いい人だね。桐崎くんは」

「そ、そうなのかな……。でも、うん、すごく優しいなぁって思うの……」

 うわぁ、なんかすごく恥ずかしい……!本当のことだけどすごく恥ずかしい。

「それで、気になるから先に進みそうなの?」

 先に進む?つまり気になるじゃなくて好きになるってことなのかな?

「ま、まだ分かんない……。だって桐崎くんとはつい最近話すようになったんだもん」

 多分部活が同じじゃなかったらこんな気持ちにはならなかったし、話すこともなかった。クラスが一緒でも話すことなんてないもの。

「でも……また、今日みたいに距離が近かったり話したりしたらもしかしたら好きになっちゃうかもしれない……。近くにいてその……すごく嬉しくてすごくドキドキして、でも何故か安心して」

「嬉しい、ドキドキ、安心、か……」

 緋華はなにかを考えるような顔で呟いた。

「気になるから好きに変化するなんて気付いたらだから今じゃよく分かんないか。なんかあったら言ってね?頼りないかもしれないけど相談にのるから!」

「あ……ありがと緋華!」

 緋華が相談にのってくれるならなんでも相談出来そう。それが嬉しくてわたしは緋華に抱きついた。

「わぁっ!」

 突然のことに驚いた緋華はそのままベッドへ倒れ込み、抱きついたわたしも一緒に倒れた。……この経緯を知らない人が見たらまるでわたしが緋華を押し倒した一面、緋華を襲おうとしてる一面に見られるだろう。でもそんなことあり得ないから!仮にしてしまったとしたらわたしは真田くんに殺されてしまう!いろんな意味で!

「ねぇ乃愛、恋って楽しいと思う?辛いと思う?」

「えっ?」

 いきなりなにを言い出すかと思ったら恋のこと。残念だけど恋が楽しいのか辛いのかなんてわたしにはよく分からない。

「あのね、乃愛……」

 緋華になにかあったと直感したわたしは緋華の上からよけて隣に寝っ転がった。

「わたし、この間隣のクラスの子が真田のこと好きだって友達経由で知ったの」

「!?」

 衝撃だった。相手が彼女がいる人でもやっぱり好きになったりしちゃうんだ。

「その子がね、『真田くんのこと好きでも彼女がいるから彼は絶対振り向いてはくれない。好きにはなってはくれない。あたしのこと見てはくれない。前までは叶わない恋って分かってても彼を見かけるだけですごい嬉しくて恋が楽しいって思ったの。でも最近すごく悲しいの。恋してるのが辛いの。どうしたらいいかな?』ってわたしの友達に相談したみたいなの」

 まさか緋華の周りでそんなことがあったなんて……。学科が違うとやっぱり情報はなかなか入ってこないから全然分からなかった。

「それを聞いてわたし、恋ってなんなんだろうって思って……。仮にわたしと真田は恋が楽しいって思っていてもその子にとっては辛い。恋って大変なんだね。楽しいと思う人がいるから辛いと思う人もいるんだってやっと気付いたの。片想いの恋って辛いのかな?楽しいのかな?」

 珍しく悲しそうな緋華の顔。こんな緋華、見たことない……。それだけ真剣に考えてるってことだよね。

 でもごめんね。わたしもよく分からないの……。気になるってまだ恋じゃない気がする。

 今のわたしから言えることはなにもない。時間が経てば言えるかもしれないけど。

「緋華、わたしはまだ気になるだから好きってわけじゃないけど意見言っていい?」

「もちろん」

「わたしは、片想いでも恋は楽しいと思う。やっぱり好きな人を見かけただけでも嬉しい人はいるし、話しただけでも嬉しい人はいる。そうやって自分はこの人がホントに好きなんだなぁって思うときっと楽しいと思うの。ただ、恋人がいるから……なんてこと考えたら辛くなる人もいると思う。その、真田くんのこと好きって人みたいに。マイナスに考えなければ恋は楽しいと思うんだ、わたしは」

「つまり、恋が楽しいか辛いかなんて人それぞれってことだね。難しいなぁ……」

 緋華の言うように恋は難しい。よく分かんない。辛いのか、楽しいのか。

 わたしには知ることが出来るのかな?恋が辛いのか、楽しいのかってことが。


乃愛が恋する乙女になりましたぁ!笑

なんて可愛らしいのだろう!


そして後半は緋華の悩み。

付き合ってもいろいろあるんですね……。

両想いになったからと言って誰もが幸せになれるわけじゃないんですね(泣)

皆さんは片想いが辛いと思いますか?楽しいと思いますか?



と、ここで1つお知らせです。

作者はテストが近いので次はいつ更新出来るか分かりません。

すいません……。


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