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23.合宿です!①

 ついにきました。演劇の完成度アップのための合宿が!

 集合場所は学校の校門前。集合時間は……7時!しかも夜じゃなくて朝の!

「おはよう緋華」

「おはよう!早いね乃愛。何分に着いたの?」

「え、6時半」

「早っ!」

 だって……ね、真田くんに言われたから。副部長なんだから集合時間の30分前には来い!って。ある意味脅迫だよ……。

「はい出席確認。来てない奴いるかー」

「真田ー桐崎がいねぇよ」

 言われてみれば確かに桐崎くんの姿が見えない。

「やっぱりか……」

「やっぱりってなんで?」

「さっき、というか30分前に電話したら寝坊した!今から家出るから多分、いや絶対間に合わない!遅刻する!って言ってたし」

 わぁお。いつの間にそんなやりとりをしていたんだ。

「というわけで桐崎が来るまで待機ってことで……」

「悪い!遅れた!やっぱり間に合わなかった!」

 真田くんが待機と言った途端、こっちへ向かってきた桐崎くん。桐崎くんを見た瞬間思わず笑ってしまいそうになった。だって――

「……ぷ、あはは!桐崎、頭すごいことになってっけど!」

 真田くんは笑いながら言った。

 うわ、デリカシーのない奴。早速指摘したよ。……桐崎くんの髪型を。

「し、仕方ねぇだろ!寝坊したから直す時間なくてとりあえず濡らしてきたら風の影響でこうなったんだよ!」

 そういえば桐崎くんも自転車通学だっけ。自転車じゃ髪がとんでもないことになるね、間違いなく。

「じゃあこれで全員だね。よし、バスに乗ろう!ってあれ、先生は?」

「もうとっくに会館にいるらしい。メールきた」

「んじゃ出発?」

「あぁ。って何故疑問形?」

 そんなこんなで合宿が始まった。


 ***


 学校からバスで30分のところにある会館に到着し、合宿の流れについて先生と部長から話があった。もちろんわたしは副部長なのになにも知らない。

「えっと、とりあえず全員筋トレや発声とか基礎練習してから役者、裏方それぞれ分かれてミーティング等を午前にする。昼休みの1時間を挟んで午後から通し練習。そして6時くらいになったら片付けてホテルに向かう、って感じだな。というわけで早速練習か――」

『えぇー。もう始めるのー』

 ほとんどの部員が文句を言い出した。

「文句言うな!」

 だがそんな部員を真田くんが一喝して一気に静かになった。

「ねぇねぇ、そう言えば部屋割りとかどうするの?」

「部屋割り?」

 もしかして考えてなかったの!?部屋割りって何気に重要なのに。

「うん。だって男子は男子、女子は女子ってだけでも結構な人数だよ?」

『そうだそうだー!』

「あぁ……。一応一部屋2人から3人にするつもりだったから。そのつもりで決めといて」

『えぇー今決めようよ!』

『そうだそうだー!』

 ちょっとみなさん、そんなに練習したくないのか……。部屋割りなんてすぐ決まるじゃん、多分。って言い出したのはわたしか。

「ったく仕方ないな……。10分だけ時間やるからその間に決めろよ」

『はーい』

 それじゃあわたしは誰と同じ部屋にしようかな。やっぱり緋華かな。

「乃愛ー!一緒の部屋にしよー!」

「いいよー!わたしも今、緋華にそういうつもりだった!」

 よかった!緋華と同じ部屋なんてすごく嬉しい。緋華の惚気話とか聞けないかなぁ。

「宮本、お前誰と同じ部屋?」

 真田くんは普通に、堂々とわたしの目の前で緋華に声をかけた。

「乃愛とだよ。真田は?」

「桐崎と」

「なんか不満でもあるのか、真田」

 真田くんの声が聞こえてたのか、真田くんの後ろには桐崎くんが立っていた。

「別に不満はねぇよ」

「あるだろ?宮本さんと同じ部屋がよかったって顔に書いてあるけど」

「なっ……!」

「うわ、真田変態」

「いや違うから!おいなに言ってんだよ桐崎!」

「だって事実だから」

「確かに書いてあるよ?」

 わたしも空気を読んで桐崎くんに便乗。真田くんの本心なんて知らないけど面白そうだから言ってみた。

「……如月、あとで覚えてろよ」

「えっ、わたしだけ!?そこは桐崎くんもでしょ」

「ちょ……巻き込まないでよ如月さん」

「巻き込むもなにも事実だもん」

 だってわたしは桐崎くんに便乗しただけなんだから。全ての原因は桐崎くんにある!と内心責任を押しつけた。

「部長、そろそろ練習始めてもいいか?大体決まったみたいだし」

 先生は呆れながらわたし達に言った。

「そうっすね……。よし、大体決まったみたいだし練習開始するぞ」

『はい』

 こんな感じで初日の練習を始めることになった。


今回から合宿編です。

おそらく少し長めの話になります。


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