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自分らしく異世界を謳歌する転生者は狂気的~ゲームの世界?いいえ、もはや異世界です。  作者: 黒白のアレ。
第2章 転生者はある程度で満足するもの
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21話目 一枚目の仮面。


▼▼▼《作者からの言葉》


 少しばかりの考えを重ねに重ね、熟考し考えを熟成した結果、区切りが良いので章を新しくすることにしました。

 あと重要じゃない時以外物語上での【▽▽▽《》】これ使うのやめることにしました。


(*_ _)コメントよろしく




 コート、カーディガン、パーカー、メイド服、ドレス、タキシード、腰巻の毛皮、〇ッキーの着ぐるみ、全身黒タイツ、コスプレ衣装、三角帽子、鉄鎧、サムライ風の服、どこかしらの民族衣装、軍服、トゲトゲ肩パッド、ダメージ革ジャン、チャイナドレス、包帯ぐるぐる巻き、多種多様な学生服、地面から50cm以上はあるハイハイハイヒール、穴だらけの宇宙服、アークリアクター内蔵パワードスーツ……。


 これだけでなく他にも数多とあるが、一周まわって尚もう一周周り世紀末を漂わせる服装や装飾の数々は、この大通りをさも当然が如く歩きゆく。


 時折、背面や額、鼠径部などに穴の空いた服が見られるのは、異種族が共生を果たしていることの現れだろうか。


 そう、この文化が混雑を起こし奇天烈で珍妙な服装が並ぶこの地こそ、異種族混合国家ユグドラの王都ユグドラである。






 異種族混合国家ユグドラ。


 その名が示す通り、多種多様な種族がこの地に集まり、共に生きている。


 沢山の種族が集まると言うことは、必然的にそれぞれが持つ文化が混ざり合うという事でもある。


 それ故か、この地では食事や衣服、住居や行事など、多種多様なものが混在していた。



 例えばコレ。『コカ・ソーラ』。


 透き通る焦げ茶色に、シュワシュワと軽快な泡立ちを奏で、微かな甘色の香りを漂わせる飲み物は、前世で見たアレに限り無く似ている。


 多分、転生者が作ったのかな。


 他にもマヨネーズや醤油、フライドポテトにハンバーガーなど、調べた限りでは、もう簡単に真似出来そうな知識チートは、残ってはいないようだった。


 前世の記憶で荒稼ぎ、とは問屋が卸さないようだ。


 残念。なんて思わないけど。クハハッ。






 私は今、名も知らぬ廃れた喫茶店で、このソーラを心ゆくままに楽しんでいる。


「やっぱりソーラはいつ飲んでも美味しいね。もちろんヘプシも好きさ。個人的に、何派かに分かれるよりも両方を自由に楽しむって言うのが一番楽しいと思うんだよね。最も、派閥に別れて争っている様子を見るのも楽しいけど。マスターはどう思う?」


「……(さっきからずっと何言ってんだこのガキ、さっさと出ていかねぇかな)」


「もしもーし、聞こえてますかー……。そんなに鬱陶しそうな顔しないでよ、面白くなっちゃうじゃないか(わざとらしく満面の笑み)」


「…………(ドン引き)」



 路地裏に佇む廃れた喫茶店の中には、私と、この喫茶店のマスターの2人しかいない。

 それは現在時刻が朝の9時くらいだからなのか、それともただ単に人気がないからなのか。


 特に興味無いや。


 暇つぶしにしていたマスターへの、かれこれ30分近くにも及ぶダル絡みをやめ、会計をして店を出る。


 いやはや、前世で食べ慣れた物を異世界でも食べられるなんて、それに加え魔力なんてものまである、最高の異世界だよね


 ん? お金はどうしたのかって?


 知っているかい? 早朝の歓楽街には、お眠な人達が沢山いるんだよ。


 そうだな……金髪の彼は、酒瓶を片手にぶっ倒れていたよ。


……あとはまぁ、分かるよね。






 はねっ気のある頭髪。

 光に当たった植物のような、黄緑色の髪。

 鼻上から頬までまばらに広がる蕎麦滓。

 凡庸で影の薄い顔立ち。

 中等部の学生程度に成長した躯体。

 髪の隙間から垣間見える新緑の瞳。

 縦に割れた瞳孔。

 私とは似ても似つかないその体の持ち主は──




 ──そう、私だ。



 何故姿が変わっているのか。

 簡単に答えるのであれば、変装と言うやつだ。


 この世界では魔力があるからね、 原型を留めないほどの変装も、《《頑張れば》》できるのだよ。

 変身と言ってもいい程かもしれない。


 魔物との激戦後、瀕死の重体だった私は殺した魔物達の肉体を取り込んで、進化……とまでは行かないけど限り無くそれに近い急成長を引き起こしたんだよね。


 その進化モドキをしたとはいえ、その姿のまま観光するとなると、急成長により高まった魔力に、元とそこまで変わらない姿では、どうしても違和感が拭えなかった。


 それこそ、少し目立ってしまう程度には。


 もしそのままの姿でリベルスタ家の面々に遭遇したら……なんて考えたら観光どころではなくなってしまう。

 ドッペルゲンガー、なんて言われてしまうかもしれない。


 居るか知らないけど。


 あくまでも今回の私の目的は、"自由に王都の観光をする"事だ。

 だから、下手に周りの注目を集めるというのは、余り宜しくない。


 そこでアテルビアさん考えました。

 注目を集めない存在とはどんな存在なのか。


 周りと比べ特筆するものが無く、人間関係、延いては社会において居てもいなくても変わらぬ存在。



 そう、つまりは"モブ"である。



 黄緑色の髪の毛は、この国において何の変哲もない在り来りな髪色の1つに過ぎず、中途半端な背丈は存在感を薄め、蕎麦滓は顔面偏差値を下げ、よりモブらしく。


 種族は獣人。モデルは木陰の狼。


 狼モデルの獣人族なんか、如何にもありきたりで凡夫と言った感じだろう。


 それに加え性格や言動まで偽れば、私をアテルビアとして同一視することが出来る者など多分そこまでいないだろう。


 異世界初の身分の偽装。


 1枚目の仮面は、何の変哲もないモブである。



 何の変哲もないモブ顔にダル絡みされたマスターは、どんな心境だったのかな……。


 クハハハッ。






▽▽▽【備考】


・【獣人族】


 人族に続き人口の多くを占める種族一つ。

 人族の身体に獣の身体的特徴が混じる形で進化した種族で、人類種の一つとして分類される。

 獣と人族の身体的特徴の割合には個人差があり、平均的なのは、獣耳に尻尾、鋭い爪牙に獣的特徴が出る形で、獣人族はモデルとなる獣にもよるが、基本的に身体能力が高く直感的な判断に従いやすい。

 要するに脳筋で単細胞な奴になりやすいという事だ。



・【路地裏に佇む廃れた喫茶店のマスター】


 大柄ガチムチでイカついおじさん。

 見た目に反して性格は物静かでとても器用。

 右前頭部からは丁寧に磨かれ湾曲した角が生えており、種族は鬼人族と人族のハーフ。

 趣味はお庭の花壇で可愛らしいお花を愛でることで、店を早くに締めては一日の大半をそれに費やしている。


 尚、口は悪い。悲しきかな。



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