表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
自分らしく異世界を謳歌する転生者は狂気的~ゲームの世界?いいえ、もはや異世界です。  作者: 黒白のアレ。
第2章 転生者はある程度で満足するもの
25/28

閑話 そのあと、のお話。1




「カヒュッ、 スーーーー………」


 禍々しくも、赤黒い容貌をした獣身の近く、死体と間違えてしまう程ボロボロとなった満身創痍の身体で、僅かながらに、息をしていた。


 四肢壊滅。胴には、骨が見える程の爪痕と、不自然な凹凸が抉れるように出来ていて、傷口は酷く炎症し化膿している。


 爪痕や傷口の所々から、紫色、緑色に変色した体液が垣間見え、毒々しい。


 抉れるような凹凸からは血肉が見え、全身はその者のモノでは無い、血液と肉片がまとわりついていた。



 そんな、最早遺体のようにさえ見える満身創痍な状態なのにも関わらず……黒く、あまりにも澄み切った黒光を宿す彼の眼は、死などどうでも良いと言わんばかりに、夜空に浮かぶ星々を、写していた。



 想像も絶するであろう痛みを、しっかりと感じているハズなのに、それでも彼は、見るものを絶句させるような、悍ましい程に、秀美な笑みを、その顔に浮かべていた。


 常軌を逸した表情を浮かべる彼を、理解できる者は居るのだろうか。




◇◆◇《アテルビア視点──満身創痍──》



──余韻、と言うやつだ。


 前世とは、明確な違いが見える程に、知性と感情を持ち合わせる、森の魔物達。

 当然、身体能力も前世の動物とは比べ物にならない。


 そんな魔物達相手に私は、魔物達が持つ力の全て……否。

 限界をも超えた力(狂転禍化)を私にぶつけさせて、その上で、殺し切った。


 死線を越える。その行為によって得られる、スリルと満足感は、平和な世の中が広がる前世では、感じることの出来ないモノ。



 無論、世間一般的に、何方が悪か正義かを考えるのならば、何の理由も無しに、只々興味の赴くままに魔物達の命を刈り取った、私が悪と呼ばれるべきであり、其の悪に致命傷を負わせた森の魔物たちは、紛れも無く正義と言っていいのだろう。

 私は、自らの行いを正当化する気はさらさら無いんだ。


……何が悪で何が正義か。

 それは、定かではないのだけれど。



 ともかくそんな訳で、出来ればやっておきたかった、【魔物達をできるだけ傷付けずに倒す】、【魔物が持つ力の全てを観る】、と言った2つのミッション(?)もある程度クリア出来て、身体の状態に反して、気分はとても良い。



……それにしても、狂転禍化に至った魔物でも、消滅し切る前に殺せば、《《適切な処置》》をする事で遺体を残せるだなんて、随分と都合が良くて嬉しいね。

 お陰で殺した魔物の遺体は、全て残すことができた。


 年齢的に、これを売却してお金にすることは難しいのだけれど、“魔物の素材”と言う物には多くの近い道がある。


……普通では考えられない、そんな使い道も。


 特に、今の私からしたら、これ以上無いまでに価値のあるも──



「カヒュッーー……。 シューーー…、 シューーー……」



──流石に…限界が近いね。



 けれど、あともう少しだ。


 あともう少し経てば、《《使える》》。


 まだ、耐えよう。耐えて見せよう。

 なに、魂だけだった時に比べれば、そう難しいものでも無いだろう。






 既に事切れていても、何らおかしくない姿をした子供は、瞼を下ろし、意識をより一層、集中させた。




▽▽▽【備考】


・【この世界の住人の生命力】

 摩訶不思議な力が多く存在する世界では、それらに適応するために、アテルビアの前世に比べて、生命体の生命力が高くなる傾向にある。

 そのためか、ほぼ遺体みたいな状態のアテルビアでも、生きれている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ