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自分らしく異世界を謳歌する転生者は狂気的~ゲームの世界?いいえ、もはや異世界です。  作者: 黒白のアレ。
第2章 転生者はある程度で満足するもの
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10話目 異種族混合国家ユグドラにて、既視感?


▼▼▼《作者視点》


 まさかの保存のし忘れで、2000文字以上の文章をなかったことにしてしまうと言うね。1話目の時も一回やってしまったんですけど、結構きついですね、遅くなりました。その代わり少し長いよ。




▽▽▽《アテルビア視点》


 魔力測定への準備は確かにしていた、けれど、最悪の事態に備えるというのは、この世界のことをまだあまり知らない私にとって必要な事だと思う。


 力ある者が負けたり、死んでしまったりする原因とはなんだろうか? とんでもなく強い敵に出会ってしまったから? 運が悪かったから? 私は、油断や慢心をしていたからだと思う。


 油断や慢心は、その人にとって負の要素をおびき寄せる要因となり得るものだ。


 この世界でも、多少の例外はあれど、大抵の生き物は、首を切断すれば二度ととしてその体に体温が戻ることはないだろう。

 この世界に普通に売っている、家庭用魔道具の《キレ・スーギー(包丁)》くらいであれば、子供ですら、大人の首を切り落とすことが可能であろう。


 前世でと例えるのなら、明日その場所に行く予定があって、その場所ですることには、必要な物があるとする。

 その必要なものは誰でも持っているようなもので、その人は高を括っていて、結局忘れ物をした。


 油断すると失敗するだろうし、慢心すると不測の事態への対応が遅れる。

 

 何が言いたいのかと言うと、王都で行う、魔力測定への準備をいくらしていようと、何か私にとって不都合なことが起こるかもしれない。


 だから私は、この世界に来てから鍛え続けてきた膨大な思考力を持ってして、最悪を想定し続けて行動する。


 実際、人体改造の時も、不測の事態に備えて『変形』の性質を付けたおかげで助かったりしたからね。

 もう一度言うけれど、私はまだまだこの世界の知識があまりないんだ。

 だから、心配しすぎるくらいでちょうどいいと思うんだよね、心配しすぎて動けなくなるなら考えすぎない方がいいと思うけど。


「それでは、私達は行こうと思う。私が空ける間、この屋敷を頼んだ」


「よろしく、サテラ」


「えぇ、旦那様、奥様。この私、リベルスタ子爵家のメイド長である、このサテラが、これからこの屋敷を空けることになる旦那様達に変わって、徹底的に管理してみせましょう」


 今日は、魔力測定のために王都へと出向く日で、今は父上と母上が、メイド長であるサテラさんに、お別れの挨拶を告げている。


 今回の魔力測定へは、父上と母上、兄上達に、執事のセバッス含めた従業員たち複数人、そして私ことアテルビアで赴く。


 だからこうして、サテラにお別れの挨拶を告げているわけだね。


「じゃあね、サテラさん。また今度」


「はい、アテルビア様。また今度、お会いしましょう。行ってらっしゃいませ」


 なんて感じでお別れの挨拶をしたら、運転手をセバッスとした、魔導車で、王都まで向かう魔導列車へと向かう。

 兄上達の魔力測定の時も王都へは同行したんだけど、その時は王都のホテル内に居ることしか出来なかったんだよね。


 この辺の街並みは、ヨーロッパのような石造りな建築を主にはしているものの、場所によっては前世より技術が発展している場所もあるような、魔力光の漂う綺麗な街並みをしている。


 大体の異世界転生ものの世界って、中世ヨーロッパくらいの発展度が普通だと思っていたのだけれど、魔力なんてエネルギーがあれば、それこそ普通は発展しているはずだろうと、考えを改めるにはいい街並みをしている。


 そう考えると、異世界ラノベって結構無茶な設定しているんだなって思ったよ。


 そもそも主人公が唯一無二の絶対的な力を持っているなんて言うのも結構無茶な設定だしね。


 兄上達と会話しながら、そんなことを考えていると、魔導列車の駅へと着いたようで、そこから移動して、魔導列車へと乗り込んだ。


 リベルスタ子爵家の屋敷が建っている場所は、辺境に比べれば王都には近い方らしく、魔導列車一本の直通で王都まで行けるらしい。


 魔導列車や魔導車もそうだけど、この辺のものは魔力が動力源だから、二酸化炭素などを排出しなく、非常にクリーンなものになっているらしい。


 魔力のみ消費するため、煙が出ることは無く、そのため、魔導車などにはそもそも煙を排出する機構が存在しないから、コンパクトな見た目になっている。


 コンパクトとは言っても、多くの人数が乗るから大きいには大きいのだけれどね。


 魔導列車に乗ってからは、家族と喋ったり、寝たフリをしながら、私が観察をするためだけに作り出した観測魔法その一のすべ、《浮遊する視界》で、景色を観ていた。


 とは言っても、兄上達の魔力測定時にも観ていて、その時と変わらぬ景色だったから、魔導列車の方を観察していた。


 この魔導列車は、対魔法・物理防御結界や、車輪への衝撃音吸収と耐久保護、列車前方から覆うように、空気抵抗緩和結界などの魔法が使われているようで、これが普通の乗り物なら、観光とかも楽しく行くことができそうだなと思ったよ。

 

 そしてそのうちの一つである、衝撃音吸収の魔法にとても興味が惹かれて、ほとんどの時間、寝たフリをしながらずっと解析している。


 ちなみに、寝たフリをする時には気をつけるべきポイントがあって、人間は睡眠時に唾液の分泌量が下がるから、唾液を飲み込むペースを調整することで睡眠しているように見せることが出来る。


──ガタンッ


『ただいま、異種族混合国家ユグドラの、王都ユグドラへと着きました。ご乗車中の皆様は───────』


 どうやら、王都に着いたっぽいので、眠るふりをやめて、立ち上がる。

 て言うか、王都も名前が同じとか分かりにくいなぁなんて思ったけど、まぁ何か理由でもあるんだろうなと勝手に納得した。


「よし、では行こうか」


「行きましょうか、あなた達は荷物を持ってついてきて」


 父上に続き、母上について行く。従業員たちは母上に言われた通りに、荷物を持って後に続いていた。

 途中、従業員の1人が離れたと思ったら、魔導車を持ってきていたようだった。


 魔導車に乗り込んで、王都にあるホテルへと向かう。


──その時、駅に隣接された、近未来とヨーロッパ風な建造物が美しくまとまった街並みの奥の方、目測でおよそ500メール以上先に見えた、白く、どこか淡い光を放つような、髪の長い女の子と、目が合ったような気がした。


『なんだ? どこかで見た覚えがある』


 遠くて、顔もあまり見ることができず、年齢が私と同じくらいだと言うことくらいしか分からなかったけど、とてつもない『既視感』を感じた。


 すぐに人並みにのまれて、見失ってしまったから、それ以外にわかることはなかった。

 魔導車にも乗ってしまっているしね。


『まぁ、貴族っぽい人と一緒にいたから、魔力測定の時にまた相見えることが出来るかな。それよりも、今は王都の観光でも楽しもうかな』




▽▽▽《???(白いの)》


『? 何あれ。まぁ、いいや。早く行こう』


 そうして、彼女は、その背に、限りなく純白に近い白金の膜《一対の翼》を展開し、その場から音もなく飛び去る。

 

 音も、気配すらなく飛び立った彼女が向かう先には、公爵家レベルの地位を持つものの私有地があったとか。



▼▼▼《作者視点》


 目と目が合う瞬間、恋が始まって胸がドキドキしちゃうと思いました? 残念! 始まらないです! そんな簡単に人と人との関係が始まるわけないじゃないですか。

 人は結構警戒心が強いんですよ? これを読んでいるあなたもそうなのかは分かりませんけど。

 目が合った相手がどれだけ眉目秀麗であろうと、知りもしない人には普通話しかけなくないですか? そういうことです。

 まぁ、この主人公ならば、興味さえ惹かれればフレンドリーに話しかけるフリくらいはしそうですけど。



▽▽▽《備考》


・家庭用魔導具 《キレ・スーギー》


 一般家庭用に作られた包丁の形をした魔導具。

 地球で例えるなら、4000円くらいの、高いのか普通なのか分からない程度の値段で買える。

 使用時、その刃の表層に魔力光のコーティングが施され、切れ味や耐久性を上げる他、魔力光のコーティングが施されているため、使用を止めるとコーティングが解除され、ついでに調理中についた汚れもコーティングと共に落ちてくれる優れ物。



・観測魔法一の術 《浮遊する視界》


 アテルビアが過ごした約5年間の内に創作された魔法の一種。

 魔力で象られた目のような模様は魔力操作によって動かすことが出来、その模様から前方およそ100メートル内までは視界を共有することが可能。

 模様自体は透明で、見られる心配は無く、使う魔力量を現時点での最短まで下げて効率よく運用しているため、魔力感知等のものにも空中に漂う虫くらいにしか認識されない。

 


・異種族混合国家ユグドラ


 ヨーロッパ風でありながら、前世よりも未来的でもあり、その二つが上手く合わさった魔道都市が混在する。

 貴族制は残っているものの、平民にも政治への発言権は当然のようにあり、昔からそのような形で政治の在り方を決めていたため、平民と貴族との間に隔絶とした隔たりはなく、平民が貴族に抱いているイメージは、ちょっとお金持ちの家とか、少し偉い人達と言うくらい。

 また、実力主義的な面もあり、奴隷制度も残っているのに、何故か反発とかは起きていない。

 多くの種族が居て、区域分けをしたり、文化の共有や実力主義の面が上手く交わり、それを何百、何千年と続けた結果、大陸で一番種族数が多く安全に暮らせ、大陸で一番大きい国になったのだとか。

 



 

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