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ラブミーレスポンス  作者: 優涼 雪
一年一組 四月
4/29

アメリカからの帰国子女

これからは毎回これくらいの長さで行きたいと思います! 

是非楽しんでいってください(≧∀≦)


 ―静かに燕先生と、一人の男子生徒が教室に入って来た。


「…!?」

その派手な見た目に春人含みクラスメイト全員が目を丸くする。


金の髪に、青い瞳。


ハーフのように彫りの深い端正な顔立ち。春人も思わず息を呑む。女子生徒は静かに半狂乱になる。


燕先生はそんな教室のざわめきには目もくれず視線を春人に向けた。


「あ、さっき自己紹介してた人、ごめんね。途中で切っちゃって。このまま一回続けましょう。」

そう言われてドキリとする。


え?あのイケメンな男子生徒は放置するの?


それで俺?気まずいよ。 

こんな状況じゃ誰も俺の自己紹介なんか聞かないでしょ。



春人はオロオロと静かに席をたつと目を伏せて自己紹介を続けた。

 

「久賀谷 春人です。……学科は、美術科で、えっと……」

 

趣味は。そう言いかけて、美術科で絵を描くことが好きだと言う味気なさにやはり違和感を覚える。

一瞬でもそう思ってしまえば、春人の言葉は詰まった。


「……」


クラスメイトは皆春人に注目している。

冷や汗が出る。

もう好きなことは絵を描くことだと言ってしまおうか。


春人が口を開きかけた時、男子生徒がニヤリと笑って言った。


「Hey, how long are you going to keep quiet?」

 

突然放たれた他国語に困惑する。春人は何の反応もできずに硬直した。


ハウ、ロング?どれくらい?そう言っていただろうか。分からない。どうしよう。

「Oh,

you can't understand this level of English?」


春人は今度こそ理解した。

この程度のレベルの英語も理解できないのか、と。そう言ってる。馬鹿にされてるんだ。


「……好きなことは、絵を描くことです。よろしくお願いします。」


結局そう言い放って春人は乱暴に席についた。


何て不愉快な奴だろう。英語だったら何でも言っていいと、そう思っているのだろうか。

 

男子生徒はフンっと春人を鼻で笑うと、今度は日本語で先生に言った。


「で?俺も自己紹介していいんですか?」


それを聞いて春人はますます目尻をつりあげた。

なんだよ!日本語も話せるんじゃないか!

俺だけ公開処刑だ!酷すぎる!


春人はじっとその男子生徒を睨む。男子生徒は春人に目もくれず、今度は自分の自己紹介を始めた。


「初めまして、陽成(ひなり) 春人(しゅんと)です。言語学科です。一週間前までアメリカにいました。まぁ、俗に言う帰国子女ですね。質問があれば何でもどーぞ。俺は言語学科なので。Nice to meet you〜.」


クラスメイトの中には、いまだにあんぐりと口を開けている人もいたが、春人は不愉快でたまらないと言ったような顔でそっぽを向いて、シュントを見もしなかった。



行きたい高校に行けたのに、クラスにこんな嫌なやつが来たら絶望ですよね。

次回もお楽しみに!

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