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義妹ハーレム  作者: ひだまりのねこ


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第七十一話 寝室 解放戦線


「屋敷に滞在中はこの部屋を使ってください」


 メイド長に戻った聖がサラ達異世界組を部屋に案内する。


「おお……なんと快適な部屋なのだ、暑すぎず寒すぎず……しかも清潔で匂いすらしない」

「見てくださいこのベッド!! 信じられないくらいふかふかで気持ちが良いです!!」

「それもそうですけど、この部屋着の質ですよ!! 可愛いし肌触りが最高です!!」


 元々の文化レベルもあるが、ここ鳳凰院家に用意されているのは最高級品、彼女たちが夢中になるのも無理はない。


「喜んでいただけて光栄ですが……急がないと良いポジションが確保できなくなりますよ?」


「へ? ポジションって何の話ですか? 後は寝るだけなんじゃ?」


 聖の言葉に首を傾けるミルキーナ。


「毎週日曜日は希望者全員に克生さまの寝室が解放されるのです。もっとも……希望しない者など一人もいませんが」


「「な、なんですって!!!」」


 こうしてはいられない、すぐさま戦闘準備態勢になるサラ、ミルキーナ、ハクア。


「良い表情です。良いですか、今回だけは私が血路を開きますので後は各自の頑張り次第です。一応言っておきますが、寝室に入れば皆等しくライバルです。私は一切遠慮しませんのでご理解ください」


「「「わ、わかりました、よろしくお願いします!!!」」」 

「そうですか、では――――飛ばしますよ」


 走り出した聖に遅れまいと必死に付いてゆく三人。以前であれば、汗だくになっていたところだが、今は強化されているのでその心配は無くなっている。


「しかし……全部で何人いるんだ?」

「クロエさま、ホムラさま、マリカさま、サレンさま、ヒジリさま、サクラさま、ミサキさま、チヅルさま、そして――――私たち三人で、十一人ですね……」

「う……それって物理的にカツキさまと添い寝するの不可能なんじゃ?」


 少しでも良いポジションを取ることの重要性を理解する三人。協力する仲間ではあるが、同時にライバルでもあるわけだ。


「克生さまの寝室が近いです、全員私の後ろへ!!」

「はい!! お互いの健闘を祈って!!」 


 いよいよ決戦が近いとあって緊張感が一気に高まる。 



「聖、今夜こそ特等席は私がもらう!!」

「ふふ、魔璃華、特等席ではありません。あの場所は私の指定席です。たとえ貴女が相手でも譲る気はないのであしからず」

「ちぃ!! ほざけ!! 私の本気を見せてやる!!」


 戦闘行為は禁止だが、手足を使わない体の押し合い程度は許容されている。まるでラグビーのように肩をぶつけ合って少しでも良いポジションを確保しようと文字通り火花と衝撃波が飛び交う。


 そして――――その隣では


「焔、そこをどきなさい!!」

「はっ、たとえクロエ姉さまでも聞けませんわ!!」


 クロエと焔が同じく激しくぶつかり合っている。


「サクラさま、今のうちに!!」

「ありがとうミサキ、千鶴も早く!!」

「た、助かります!!」

 

 激闘を繰り広げる妹たちからすり抜けるようにサクラが一番乗りするかと思ったが――――


「ふふふ、悪いけど今夜は私が一番乗りよ」


「「「「し、しまった!!!!」」」」


 こうなるともはや単なる早い者勝ちだ。


「うう……頑張ったのにカツキの顔が見えない……」

「サラはカツキさまの足に触れられるだけマシじゃないですか!! 私なんてギリギリベッドの上ですけど一ミリも触れないんですから!!」


 サラはともかく、ミルキーナに至っては添い寝ですらない。一応同じベッド、同じ布団で寝るからギリギリ同衾ではあるけれど。


「ふふふ、私はまあまあですね……残念ながらカツキさまには届きませんが、マリカさまの隣ですからね!!」


 ハクアの場合は神力が食べられればとりあえずは満足なのでポジションの不満は少ない。彼女の場合、尻尾を伸ばすことでカツキに触れるという裏技もあるのだが。



「ははは、皆仲良くな」

「「「「「はーい」」」」


 一方の克生はこの状況に苦笑いするしかないが、当然このまま寝てお終いとはならない。


 ゲートの応用技、部分転移を使って手を飛ばし、届かない場所で寝ている者もフォローしてゆくのだ。


 皆、それを知っているので悔しがりはするが、外れポジションでもそこまで落ち込むことは無いというわけだ。


 まさに休む暇のない克生だが、彼にとっての意味は大きい。


 十一人とイチャイチャするということは、同時にレベルが十一ずつ上昇してゆくということ。少しでも早く強くならなければならない克生にとっては絶対に外せないのだ。


 そして――――同衾する女性たちにとってもメリットは大きい。克生レベルアップ十一個分の一割が強化になるのだからその効率はとんでもないものになる。別々にイチャイチャしたのではこうはいかない。


 実は、聖がハーレム計画をすすめている理由の一つがこれだ。理論上は人数が増えれば増えるほど効率が上がってゆく。その分物理的、心理的な難度は上がってゆくが、彼女はそのあたりも見極めながら動いている。決して自らの野望のためにだけしているわけではないのだ。


『レベルが十一上昇しました』


『レベルが十一上昇しました』


『レベルが十一上昇しました』


 英雄スキルのイチャイチャレベルアップは一定のクールタイムを経て再び有効になる。したがって寝ている間もどんどんレベルは上昇することになり、女性たちも同様に強くなってゆく。


 彼らが目を覚ました時――――きっと見える世界が変わっているだろう。


 克生はまだ知らない――――


 彼のステータスが世界最強である勇者冬人を超えたことを。


 


 ステータス


 名前 鳳凰院 克生

 年齢 十六歳

 性別 男

 種族 人族

 レベル 999 


 体力 99999

 魔力 99999

 筋力 99999


 スキル 英雄 ゲート 創造 女神の加護


 称号 超越者 (NEW)

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