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義妹ハーレム  作者: ひだまりのねこ


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第四十話 学園のボス


「ところで克生は学園のことはどこまで知ってるんだ?」

「あ、いや、全然知らないかな、色々教えてもらえると助かる」

「はは、任せとけ、こう見えて俺、結構学園のこと詳しいんだぜ?」


 こうして歩いているだけで視線が集まってくるのがわかる。伊達に推薦枠じゃないってことだな。まさにタッチの差、先手必勝で突撃しなければ危ないところだった。


 こいつらエリートだけに妙にプライドが高いし、無駄にお行儀が良いから、誰かと話しているところに無理やり割り込んでくることは基本的に無いからな。あくまで基本的に、だが。



「詳しいことはおいおい説明するとして、この学園で無事に過ごしたいなら知っておかなければならない存在がいる。大事なことだから最初に伝えておく」

「な、なんだか物騒な話だな」


 いきなりこんな話をするのも可哀そうだが、危機感を煽って俺に頼ってもらう作戦だ。まあ……作戦関係なく本気で大事なことなんだけどな。


「簡単にいえば、この学園は二大勢力に分かれていてね。それぞれの派閥を率いる学園のボス的な存在がいるんだ。彼らに逆らえば居場所どころか尊厳すら踏みにじられて学園はおろかこの社会から葬られてしまうことになる、くれぐれも気を付けてくれ」

「えっと……ここ学校なんだよな?」


 まあ、そうだよな。イケメンで良い奴っぽいけど普通の庶民にはわからないだろう。星彩学園は学校ではあるが社会の縮図そのもの、まさに弱肉強食の格差社会なのだから。


「ははは、そう怖がらなくても大丈夫、そもそも一般の生徒が話す機会なんて無いし、万一遭遇したら頭を下げて廊下の端に寄って決して目を合わさない、通り過ぎるまで存在を消して祈るだけで良い。まあ……取り巻きの連中というか熱狂的な崇拝者はヤバい連中だから常に細心の注意が必要だけどな」  

 

 ボス自体は基本的に向こうからは何もしてこない。興味もないだろうしな。だが、周りの連中は違う。勝手に忖度して動きやがる。最善は一切関わらないこと、それだけだ。


「な、なるほど、それでその二大勢力のボスってどんな連中なんだ?」


「良いか、とにかく名前だけでも覚えておくんだ。この学園の二大ボス、学園の筆頭株主である鳳凰院家の令嬢、天上天下唯我独尊、鳳凰院 焔さまと百戦無敗の女帝、生徒会長の麻生魔璃華さまの名をな!!」


「……へ、へえ……そ、そうなんだ」


 ハハハ、凄い顔をしているな、ちょっと脅かし過ぎたかもしれない。


 だけど大袈裟でもなんでもなく、巻き込まれたら終わりなんだ。新入生である克生はともかく、俺は知らなかったでは済まされないからな。しっかりと釘を刺しておかないと俺の人生が終了してしまう。


「まあ……普通に過ごしていれば関係ない話だ、あの二人は特級クラスだし」

「ああ……そういえばそんなクラスがあるって言ってたな」


 特級クラス――――学年成績上位者二十名で構成されるエリートの中のエリート集団。定期テストのたびに入れ替わることにはなっているものの、実際のところほとんどメンバーは変わっていないんだよな……。


「特級クラスは校舎もカリキュラムも別枠だからな、俺たち一般クラスとはあまり接点が無いのさ」


 学園一の情報網を持つ俺でさえ、特級クラスのメンバーにはほとんど食い込めていない。


「へえ……なんか面白そうだな。普通科からも入れるんだろ?」

「そりゃあ入れるが……特級クラスの連中、全国模試上位常連のやつばかりだぞ? 無理無理」

「参考までに二十位の奴って何点ぐらいなんだ?」

「前回の定期試験で九教科で818点だったかな? ボーダーは最低でも平均90点以上、言っておくが星彩学園のテスト難しいからな? ちなみに学年の平均は540点、はっきり言って化け物連中だよ」 


 俺も一応地元じゃ神童って言われてたが、平均取るのがやっとだしな。


「まあ、次の試験で狙ってみるよ。俺は普通科で良いんだけど、特級クラスに来いってうるさく言われててな?」

「もしかして……特級クラスに知り合いがいたりするのか?」

「あはは、まあね、妹が居るんだ」


 妹? 特級クラスに香月なんて子居なかったけどな? ああ、複雑な事情って奴か。知り合ったばかりだし、深入りするのは得策じゃない。


「そうなんだ。その様子だと試験は結構自信ありそうだな?」

「まあな、全国模試で三位以下取ったこと無いし」

「は? はあああああ?? 嘘だろっ!!?」


 イケメンで性格も良くて……勉強も出来るだとっ!? 神さま……こいつに弱みでも握られてます?

 

「か、克生!!」

「ん? どうした隆道。そんな真剣な顔して?」


「特級クラスへ行っても忘れないでくれ!!!」

「あはははは!!! 当たり前だろ? 隆道はこの学園で出来た最初の友だちなんだから」


 克生……めっちゃ良い奴!! こんな俺を友だちと言ってくれるのか!!


 あれ? もしかして作戦すでに成功してるんじゃね? やったあああ!!!!


「ハハハ、隆道って本当に面白い奴だな、ころころ表情が変わって飽きないよ」


 しまった……素で喜んじまった。ま、まあ、結果オーライということにしておこう。




「克生、昼飯はどうするんだ?」

「ああ、妹と学食で一緒に食べる約束しているんだ。良かったら隆道も来るか?」


 マジか!! 妹って特級クラスに居るって子のことだよな? これはお近づきになるチャンス!! 


 しかも克生の妹なら絶対に美少女!! ふふふ、俺の時代来たかもしれない。


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