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義妹ハーレム  作者: ひだまりのねこ


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第三十六話 死の砂漠


「なるほど、見晴らしも良いし、周囲の被害を考えなくて良いから戦闘には最適というわけですね」


 克生が納得したように周囲を見渡す。


 魔力というものは基本的に知覚出来るものではないのだが、極めて魔素密度が高い場合はその限りではない。そして――――魔素のあるところには魔物や魔獣がいるのもお約束。姿は見えなくとも無数の気配が潜んでいるのが克生にははっきりと感じられた。


「まあ……その分魔物に襲われやすいし逃げ場がないとも言えるんだけど……あなたたちなら関係ないわね」


 ほとんどレベルアップしていない妹たちではあるが、異常な成長率を誇る克生によって、彼女たちのステータスはすでにかなりのものとなっている。


 それに加えて元々勇者パーティーにいたほどの実力者である紗恋とすでに高レベルと言っても差し支えないほどに成長している克生がいるのだ。負けるイメージが浮かばない。


「さっそく来たわよ、サンドスネーク!! 大物ね……毒のある牙と尾による打撃には注意して。頭潰してもしばらく生きてるくらい生命力が強いから油断しないように!! 私が牽制して動きを抑えるから動きが鈍ったところで一斉攻撃して」


 砂漠の砂が盛り上がって二十メートルはありそうな巨大な蛇の魔物サンドスネークが現れる。足場の悪い砂地において滑るように移動するそのスピードは相当な脅威で、別名「砂漠の死神」と恐れられている。


 克生たちはサンドスネークを囲むように散開し、紗恋の魔法によって動きが鈍った瞬間、一斉に攻撃を加える。


 非常に生命力が強い魔物ではあるが、ステータスの暴力の前では無力であった。自慢の固い鱗ごと斬り裂かれて砂漠の海に沈む。


「や、やりましたわ……」

「うう……蛇は苦手です」


 青い顔をしている焔とクロエ、どうやら蛇が苦手だったらしい。


 克生は焔はともかくクロエは竜なのにと少しだけ思ったが、何となく怒られそうだったので何も言わない。


「ハハハ、クロエは竜なのに蛇が怖いとか笑えるな!!」


 空気を読まない魔璃華はクロエに追いかけられているが。



「じゃあ魔石を分けるわよ」


 サンドスネークから取り出した大きめのリュックほどの黄色い魔石を紗恋が切り分ける。


 レベルアップする方法はいくつかあるが、一般的なのは魔石を体内に取り入れる方法。 


 パーティーの場合、今回のように切り分けて等分にするが、魔石は切り分けると断面から少しずつ力が抜けてゆくのですぐに吸収する必要がある。


 そして――――魔石を吸収する方法は簡単で、心臓に押し当てるだけで溶けるように身体に吸収されてゆく。服の上からでは駄目なので、女性冒険者や甲冑を着込んでいる者にとってはやや面倒である。そこでもう一つの方法は――――


「これ……本当に食べても大丈夫なのですか?」

「大丈夫よ聖。ほんのり甘くて飴っぽいから」


 魔石とにらめっこしていた聖だったが、それを聞いて口に放り込んだ。


「ん!! 本当に甘くて……まあまあ美味しいですね……あ、レベルアップしました」


 魔石の持つエネルギーによってレベルアップするため、戦わなくとも魔石だけを吸収すれば楽にレベルアップ出来そうなものだが、少なくとも魔石を持つ魔物にダメージを与えた者でなければ吸収出来ないらしい。

 

 したがって貴族の子弟や裕福な家の人間がレベリングをする場合、本人が同行して実際に攻撃させる必要があるが、あまりに実力がかけ離れた魔物だとダメージを与えられず上手く行かない。


「俺は結構レベル高いので多分これくらいじゃレベルアップしませんよね……え? レベルアップした?」

「サンドスネークは結構強いけどね。でも克生くんがレベルアップするほどじゃ……あ、そうか女神の加護ね」


 女神の加護の効果の一つに『健やかな成長』というものがある。どうやら成長を促進する効果があるようだが、思ったよりもチートらしい。



 その後も、紗恋監督の下、克生たちは魔物を狩り続ける。


 途中からは騒ぎを嗅ぎつけた魔物が大量に集まって来たので、効率が一気に上がる。


「やれ!! ハーピー軍団!!」


 魔璃華のハーピーたちも連携して魔物を狩ってレベルアップしている。


「いいぞ、その調子で頑張れ。兄上におんぶしてもらうために!!」

『きゅい、きゅい~!!』


 ハーピーたちが強くなれば当然輸送能力が上がる。もちろん種族の成長限界は魔物にも存在するので、いくら能力が上がったところで飛竜やグリフォンのようにはならないが、クロエの代役は難しくとも交代で休ませることくらいは出来るようになるかもしれない。




「お兄ちゃん……お願い、聖に魔石を吸収させて欲しいの」


 魔石の経口摂取の問題点は、少量ならともかく飽きてくることだ。


 聖は剝き出しになった豊満な胸を手で隠しながら克生に魔石摂取をねだる。


「わ、わかった……聖さえ良ければ」


 克生はごくりと息を吞んで聖の滑らかな白い肌に魔石を押し当ててゆく。


「お兄ちゃん……もう少し上です……」

「だ、だけどそれだと……」

「お兄ちゃんだったら良いんです。だから……ね?」


 羞恥で顔を赤くする聖に克生も赤面するしかない。


「あっ!!」

「ご、ごめん、手が滑った!!」 


「くっ、魔石によるレベルアップに加えて英雄スキルのステータス強化も兼ねた一石二鳥作戦……やるわね聖……」

「お兄さまって絶対にラッキースケベのスキル持ってますわよね……」

「なんだその男の夢みたいなアホくさいスキルは!!

「いやいや、あれ絶対に聖が誘導してるでしょ……」


 これを見せつけられて黙っている妹たちではない。


「克生お兄さま!! 私にも魔石を!!」

「わ、私にもお願いしますわ!!」

「ま、待て!! 兄上、次は私に!!」


「はあ……私に魔石は意味無いけど……英雄スキルのステータス強化もあるし……参戦しない手はないわね」


 魔物除けの結界魔法を展開し、上半身をはだけさせながら克生の元へ向かう紗恋であった。 

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