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義妹ハーレム  作者: ひだまりのねこ


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第三十三話 出発前の大掃除


「しかしジェラルド、お前さん本気でこの国を支配するつもりか?」


「そんな面倒事は表の人間にやらせておけばいいんだよ。俺たちは裏で旨い汁をたっぷり吸わせてもらうだけだ。カラカル商会を狙ったのはその第一歩ってことさ」


 カラカル商会はシルヴァニア公国屈指の大商会。当然大陸中に支店がありその情報網は国家の諜報機関を優に凌駕する。


 しかし、今の会頭は代替わりしたばかりの若造、先代と違って付け入る隙はある。


 可哀想だが、ちょっと痛い目に遭ってもらって、俺たちの操り人形になってもらうのが目的。断るなら死んでもらうだけだが、理に聡い商人ならメリットもある話だからな。


 奴を攫う計画は思ったよりも手こずった。一見隙だらけに見えるが、ああ見えてなかなか用心深い。伊達に大手商会の会頭になったわけじゃないということか。


 時間をかけて行動パターンを調べ上げ、一番警護が薄くなっているタイミングを狙う。腕の良い精鋭も揃えた。数を集めるためにライバル関係にあった他の犯罪組織にも声をかけた。


 大手商会を影で操るとなると人手が必要になってくるからな。


 一旦地位を確立すれば、他の組織が合流して勝手に構成員は増えてゆく。


 つまり――――ここが俺にとって一世一代の勝負所ってことだ。


 すでに他の組織の幹部連中も集まっている。絶対に失敗は許されない。



 ――――それにしても遅いな? 衛兵に見つかった? いや、それはない、事前に手配が済んでいる。



「おい、ジェラルド、いつまで待たせるつもりだ? 本当に大丈夫なんだろうな?」

「心配するな、今回の襲撃の指揮を執っているのは、あの『灰色のオーガ』だ。万が一もない」


「なんだと!? あの『灰色のオーガ』お前の組織に居たのか!! ま、まあ……それなら安心だな」


 ふふふ、高い金を払って雇った甲斐があったというものだ。


 これまで請け負った仕事の成功率は100%、裏社会の人間なら一度は聞いたことのある傭兵。



「ボスた、大変です!! 襲撃されていますぜ!!」


「なんだと!? どこの命知らずだ?」

「ジェラルド、待っているだけってのも暇でしょうがねえ、俺たちも手を貸すぜ」


 ハハハ、どこの馬鹿か知らないが、今、この公都の主要な犯罪組織の主力がここに集まっているんだぞ、仮にシルヴァニア公国の正規軍が相手だって良い勝負出来るっていうのによ。


「だ、駄目です突破され――――うわああっ!!!」


 報告に来た部下が――――扉を突き破って俺たち幹部の前でバウンドし動かなくなる。


 

「えっと……ここに犯罪組織の幹部連中が集まっているって聞いたんですけど、合ってます?」


 どんな化け物が来るかと思ったら、ただのガキじゃねえか。しかも武器も持たずに素手だと?


「答える必要はねえな、お前は今ここで死ぬんだからよ!!」


 構えもなっちゃいねえ……完全に素人だな。


「否定しないということはどうやら間違いはないみたいですね。言い訳があるのなら後で騎士団か衛兵隊に言ってください」



 気が付いたら縄で縛られて衛兵に引き渡されていた。


 俺だけじゃない……他の組織の幹部連中も一緒にだ。


 一体……何があったんだ……思い出そうとすると――――頭痛が――――




「ごめんね克生くん、キミにメリットは無いのにこんなこと頼んじゃって」

「いいんですよ、俺もこのままで出発するのちょっと気になってたのでスッキリしました」

「まあ……これでしばらくは大丈夫でしょ。後は兄さんの仕事ってことで頑張ってもらいましょう」


 人が暮らす大都市である以上、犯罪は無くならないが、主だった組織は潰した。


 少なくともしばらくは――――平和な街が戻ってくるだろう。維持できるかどうかは、為政者の今後の努力次第になるけれど。


「紗恋さんお兄さんがいるんですね」

「悪い人じゃないんだけど、克生くんと違って全然頼りにならないけどね。それでも……まあ、一番向いていないのに他の兄妹たちに押し切られる形で大公になったことに関しては同情するわ」


「あはは……他人事みたいですけど、紗恋さんのせいでもあるんですよね?」

「それは否定しないわ。だからといって戻るつもりはさらさらないけどね」


 紗恋は胸を張って開き直る。


「まあ……そのおかげで俺は紗恋さんに会えたわけですし、感謝すべきなんでしょうね」

「か、克生くん……!!」


 思わぬ克生の言葉に、紗恋は瞳を潤ませる。


「それに――――さっき俺にメリットが無いって言ってましたけど――――そんなことないですよ?」

「――――え?」


「紗恋さんの俺に対する好感度が上がるでしょ? それだけで俺は嬉しいです」


 紗恋を見つめる克生の瞳に嘘も偽りも存在しない。


 その真っすぐな想いは、紗恋の心をあっさりと貫く。


「ああ……もう駄目、これ以上克生くんを好きになんてなれないって思っていたけど……間違ってたわ!! 好き……大好きよ克生くん……このまま二人で――――痛い痛い痛いって!!」 


「紗恋姉さん……時間がないんですから出発しますよ?」

「まったく……油断も隙もないのですわ!!」

「ほらね、私の言った通りの展開になっていたでしょう?」

「紗恋、美味しいもの食べに行く話なら私も行くぞ!!」


 甘い空気もどこへやら。妹たちに引きずられて連れ去られる紗恋であった。 

克生「灰色のオーガなんて居ましたっけ?」

紗恋「ああ……一番最初にやられてたわね……それなりに有名なヤツらしいけど」

灰色のオーガ「名前すら出してもらえなかった……」

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