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義妹ハーレム  作者: ひだまりのねこ


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第二十三話 英雄スキルの真価


「うわあああああっ!!!? ち、力がっ身体が……」


 魔王クラスの潜在能力を持つ魔璃華の覚醒は、克生と同じように意識が持っていかれるほど凄まじい。


「大丈夫だ魔璃華、俺がついてる、すぐに収まるよ」

「あ……兄上……ありがとう……」


 強く魔璃華を抱きしめる克生。彼女の頬を伝う一筋の涙。



「……よくわからないけど、覚醒した」



  ステータス


 名前 鳳凰院 魔璃華

 年齢 十六歳

 性別 女

 種族 魔族

 レベル 1 

 

 体力 85

 魔力 105

 筋力 95

 

 スキル 暗黒魔法 転移 女神の加護

 


「ちょっと待って!! どういうこと克生くん?」

「えっと……なんか女神の加護スキルの発動条件を確認したから強制覚醒するって聞こえました」


 あまりのことに呆然とする紗恋。そんな話聞いたこともない。まあ……女神の加護というスキル自体謎のスキルなのだから当然なのだが。


「と、とにかく確認を!! 急いで!!」

「あ、はい」


 今度こそ集中する克生。


「えっと……英雄スキルの発動条件――――うっ!? これ読まないと駄目ですかね?」

「当たり前でしょ? とても大事なことなのだから一言一句正確に言いなさい、良いわね?」


 レベルアップに関わることなのだ、意訳は許さないと念を押す紗恋。


「わ、わかりました――――発動条件、スキル所持者に身も心も捧げた異性との肉体関係を持つ。効果、スキル所持者のレベル上昇――――だそうです」



「な、なんですってええ!!!」

「に、肉体関係っ!?」

「な、なんて破廉恥な……」


 顔を真っ赤にする三人の妹たち。


「つ、つまり……私と兄上はすでにそういう関係に……も、もしかして赤ちゃんが出来るのかっ!?」


 一番動揺しているのは他でもない魔璃華。


「「「「そんなわけあるかっ!!」」」」


 四人から冷静なツッコミが入る。




「なるほど、つまり克生くんが魔璃華と肉体関係を持ったから英雄スキルが発動したってことね。じつに興味深いわ……」

「さ、紗恋さん、言い方がなんか生々しいです!! 魔璃華とは抱き合っただけで――――」


「話はわかりました。さあ克生お兄さま、私と肉体関係を!!」

「お兄さま!! 今すぐ最高の部屋を用意しますので――――わ、私とその……めくるめく時間を――――」

「克生さま、覚醒、鬼塚との死闘、さらにレベルアップとお疲れでしょう、いえ、疲れてます!! 一刻も早くお部屋に戻ってケアしなければ。この愚妹聖、文字通り全身全霊でご奉仕させていただきますので!!」

「はいはい、未成年はホットミルクでも飲んで休憩してなさい。ここはお姉さんに任せる場面でしょ。ふふ……抱き合うだけでレベル1上がるのなら――――あんなことしちゃったらどうなるのかしら……ワクワク……」


 興奮状態にある女性陣は克生の言葉など聞いていない。


「みんな、ちょっと待ってくれ、女神の加護スキルの発動条件は基本的に英雄スキルと同じなんだけど――――強制覚醒にはもう一つ条件がある。相手も女神の加護を持ってることだ」 


「あ、私も女神の加護があるから――――それで?」


 魔璃華が自分のステータスを見て納得する。


「問題ないわ。私はすでに覚醒済みだし。それにクロエと焔、聖はもうすぐ誕生日が来るでしょ? 少し遅いか早いかの違いなんだから。それより大事なのはレベルアップよ。レベル5以上にしないとゲートが使えないんだから躊躇っている場合じゃない、そうでしょ克生くん?」


 紗恋の言う通り、今最優先すべきはゲートを使えるようにすることだ。その方法がわかったというのに試さないという選択肢はない。


「た、たしかに」


「わかったのなら私の部屋に行きましょう。大丈夫、私にすべて任せて……」


 紗恋が克生の手を取って――――


「させませんよ!!」

「私が先ですわ!!」

「紗恋さんといえどもこれは譲れません!!」

「待ちなさい、スキルの効果が一人一回とは書いていないなら、今度こそ兄上と!!」


 熾烈な争い――――決して負けられない戦いが始まってしまった。



「ちょ、ちょっと待った!! ここに五人いるんだから無理する必要ないだろ? ほら、順番にぎゅってするからさ?」


 これは収まらないと判断して克生は提案する。たしかに検証も必要かもしれないが、今はゲートを一刻も使えるようにしたい。


「順番は――――出会った順で許してくれ。まずは――――紗恋さん」

「えっ……私!?」


 紗恋の手を取って抱き寄せる克生。紗恋は不意を突かれて大いに慌てる。


 実は克生にとっては大いに不安があった。皆が自分に好意を寄せてくれているのはなんとなく感じてはいるものの、発動条件に書かれているような、身も心も捧げるほどだと思えるほど自惚れていない。 


 もしレベルが上がらなかったら――――自分は良いのだ。だけど――――相手を傷つけてしまうことになるのではないかと克生は躊躇っていたのだ。


「克生くん……そんな顔しないで。心配しなくて良いのよ、私は貴方を心から愛してる。だから――――大丈夫」

「紗恋――――さん――――」


 紗恋は瞳を潤ませながら唇を重ねる。


 その瞬間――――克生の身体が淡い光に包まれる。


『英雄スキルの発動条件確認――――レベルアップします』



  ステータス


 名前 鳳凰院 克生

 年齢 十六歳

 性別 男

 種族 人族

 レベル 4 

 

 体力 444

 魔力 444

 筋力 444

 

 スキル 英雄 ゲート 創造 女神の加護



「れ、レベルが2も上がってる!?」


 驚く克生。


「ふふ、やはり肉体関係の強度でレベルアップの幅が変わるようね」

 

 自慢げに誇る紗恋。当然だが紗恋は女神の加護を持っていないし覚醒済みなので変化はない――――と思われたのだが――――


「ええっ!? 嘘でしょ……ステータスが上がってる……レベルアップしてないのに何で? か、克生くん?」

「え? あ、はいっ、すぐ確認します」


 克生が確認したところ、英雄スキルが持つ特殊効果――――レベルアップによって上昇した数値の十分の一が相手に付与される――――ということがわかった。

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