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性活

作者: ナダ

ジェンダーレスな昨今


下半身に支配されて生きているのは雄

現代に至るまで長らくそういう認識だった


女性が欲望を持つなんて、はしたない

200年程続いた男性性優位の世界

近年、女性性を中心とする考え方に時代はシフトした


女性の発言力、存在感

女性性の在り方のメリットに目が向くようになった

男性性の縦社会から横の繋がりへ

強制的な統制システムから個の尊重へ


性別による二元論の神話は崩れた

女性に性欲があることを、世の中の男性は知り始めた

体の性別によるのではなく、個人の男性性、女性性のバランスによるのだが


世の男性陣は戸惑うかもしれないが、それ以上に女性陣が困惑している

自分の欲望の扱い方がわからない

自分の欲を受け入れることにさえ抵抗がある


日本では特に性の話を大っぴらにするようなことは、品格を疑われる

ましてや、女性が公に堂々と語る時代は、初めての到来かもしれない


急に性に開放的になることを許容されても、うまくいくはずがない

男性の体のように、わかりやすいスイッチはついていない

男性のように体の一部のこととして小さな頃から向き合ってきていない


女性性は受身だ

受け入れる包容力、求められて発動する、与える愛

男性性の攻撃的な支配欲、求める愛に触れてそれに応えるようにして自分の欲を知る


誰にでも、男性性、女性性、共に備わっている

男性性の強い女性もいれば、女性性の強い男性もいる

当たり前に、皆違う


男なら、女だからの二元論はもう通用しない

ひとりひとりの様々な性欲、性活がある


過去に、男女雇用機会均等法で男女平等がうたわれた頃

おじさんみたいな女性が世に登場した

突然、平等に肩を並べていいと言われて、男性の真似をした結果だ


有能な女性として認められるように、男性のように振るまい、男性の中で負けないように男らしくして


同じことが、性にオープンになった現代でも起きているように思われる

下半身に支配されたり、無差別に攻撃的になったり

映像作品と現実を勘違いして、強い刺激ばかりを求めたり


わからないから、男性性の模倣をする

何でも始めは真似事から入るのが人間

けれども、女性性の性欲は男性性とは違う

生物としての体の成り立ちも違う


男性性と同じようにしても、同じ喜びは得られない

全く得られないのではないが、別物だ

女性の体、自分の体についても知らないことが多すぎる


自分の体についても自分の性欲についてもよく知らないまま、男性任せの性活

それでは、悩むばかり


ゆっくり自分と向き合って、本当の自分の欲を知り、自分をもっと大切にしよう

緩やかに穏やかに、(いと)しんで慈しむ

女性性とは、そういうもの




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