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独白。  作者: 周写楽
8/10

 以前、彼女について調べていたことがありました。彼女が着ていた制服に手掛かりになるものがないかとポケットを探っていたときに指先に触れるものがありました。


 生徒手帳とスマートフォンでした。


 スマートフォンはあの日の事故の衝撃を物語るように、画面は完膚(かんぷ)なきまでに割れており、その隙間からは基板がこちらを覗いていました。


 一方、生徒手帳は彼女の名前と住所の記入欄が塗りつぶされていましたが、辛うじて擦れて薄くなった校章から彼女が通っていたであろう高校は見つけることができました。


 その高校はここから10キロメートル以上は離れた場所にありました。ですが、なぜ彼女はあんな夜中にあの場所いたのでしょうか。


 自宅もおそらくその周辺にあると思い、インターネットや図書館の新聞のバックナンバーであの日の事故も含めて、周辺地域の事故、行方不明者の情報を探してみましたが一向に見つかる気配はありませんでした。


 またそんな中、ブライダルフェアに参加することになりました。


 実は以前から、プロポーズをしようと指輪とドレスの準備を彼女に内緒で進めていたのです。

頭の中にある知識と実際にモノをみて得られる経験は違う。と洋裁教室の先生に勧められたのもあり、今回の参加でウェディングドレスのデザインの最終調整をしようと思っていました。


 会場には青や赤など色とりどりのウェディングドレスが展示されており、ウェディングドレスには白しかないと思っていた私にはとても新鮮な光景でした。


 その中でもひときわ目を惹かれたのが、展示室に一着だけ置かれていた黒いウェディングドレスでした。そのシルエットと細部まで施された装飾の数々が息をすることさえ忘れるほどに美しかったのです。


 それから私は足早に会場を後にしました。ドレスの色は白から黒に変更するとして、スカートの素材や全体的なデザイン、刺繡の柄。次から次へとアイデアが湧いてくるのです。


 そんな時、一枚の張り紙が目に留まりました。どうやら女子高生が一人、家出をして以来、行方不明になっているようでした。

その女子高生が通っていた高校、失踪した時期、どれも彼女と似ているのです。

奇妙な一致にじっとりと嫌な汗が(にじ)んでいるのがわかりました。ですが、もしかしたら人違いかもしれない。そう思い、私は恐る恐る写真に視線を動かしました。


 ──張り紙に写っていたのは彼女でした。

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