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独白。  作者: 周写楽
6/10

 休日は適当な映画配信サービスで一晩中恋愛映画を鑑賞したり、さながらファッションショーのように様々な衣服に身を包んだ彼女の写真を撮ったりと、一日を無為に過ごしたりしていました。


 あとは二人で頻繁に食事をするようにもなりました。

以前のカップ麺やコンビニ弁当が中心だった食生活を見直すようになった。というのは建前で、実際は料理男子という響きに憧れて、彼女に手料理を振る舞えるようになりたかったのです。


 とはいえ最後に自炊に挑戦したのは学生時代が最初で最後であり、初めのうちはまともに料理することすらままなりませんでした。

朝食にトーストを作ったときは、いつも焦がしてばかりでよく彼女に笑われていました。

それでも、彼女においしいものを食べさせたい一心に、初心者向けから上級者向けまでレシピ本を片手に凝った料理に挑戦したこともありました。


 彼女は無口であまり喋ることはありませんでしたが、二人で同じ時間の流れを共有していることが何よりも幸せなことだったのです。しかし、同じことの繰り返しばかりだと次第に飽きてしまうもので、いわゆる倦怠期とでもいえばいいのでしょうか。

彼女と一緒にいること自体に不満はありませんでしたが、こころなしか満足できなくなってしまったのです。


 そこで、倦怠期の解消方法をインターネットで検索したときに表示された中で、〝恋人と一度距離を置く〟というものが実行しやすそうだったので試してみることにしました。


 〝距離を置く〟と言っても、趣味と呼べるようなものはあいにく持ち合わせていなかったので、何か新しいことを始めると良いとあったのを思い出し、思い切って洋裁教室に通ってみることにしました。

元々、彼女のために服を作ってみたいとは考えていたので、良いきっかけでした。


 最初は、初心者でも比較的簡単に作れそうなものから始めました。教室外でも練習ができるように洋裁に必要な道具は一通り揃え、今では簡単な衣服なら私一人でも作れるほどになりました。


 それとある時、彼女の肌が少しくすんで見えた気がしました。一応、最低限の身だしなみとしてスキンケアの心得はあったので、私の分とは別に彼女の化粧水や美容パックなどの用品を揃え、毎日スキンケアもするようになりました。

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