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独白。  作者: 周写楽
5/10

 翌日、私は仕事を早々に切り上げ、彼女の服を買いに駅前のショッピングモールへ駆け込みました。彼女の服を買うためだとはいえ、自分から進んで恋人のために服を選んだことがありません。


 ひとまずモール内の服屋を見て回り、比較的値段の安い店に入ることにしました。


 店内に入ってすぐカゴを片手にレディースファッションの売り場に急ぎました。

白で統一された清潔感のある店内には色とりどりの服が並んでいましたが、私にはどの服が彼女に似合うのかがわからず、ただ目の前の棚に並んだ商品を見つめることしかできませんでした。


 そんな私の様子を見て訝しんだのか、店員が近寄ってくるのが視界の端に見えたのです。

居た堪れなくなった私は目の前にあった白いシャツワンピースをカゴに詰め込み、会計を済ませ、逃げるように店を後にしました。


 彼女を一人の女性として意識してからというもの、あの日から数日の間、薄汚れた制服を着させていたことに罪悪感を感じていた私は、帰宅してすぐ買ってきた服に着替えてもらいました。


 新しい服に着替えた彼女は、どこか幼さがありつつも大人びた雰囲気があり、触れたら消えてしまうのではないかと思わせるような儚さがありました。

制服を着ていた時とは違う印象の彼女に私は惹かれたのです。


 それからというもの私は、頻繁に彼女の服を買って帰るようになりました。初めのうちのように行き当たりばったりで勘を頼りに服を買うわけにもいきません。

ですから、雑誌やインターネットでコーディネートの仕方を必死に覚えました。

服の種類や名称、色のまとめ方、基本的なことは一通り覚えました。


 大きな襟のレースがあしらわれた白いブラウスとひざ下までの白いマーメイドスカート。

 白いドレープシャツに白いフレアスカート。


 交じりっ気のない純粋な白が彼女にふさわしいと思ったのです。

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