ごじゅうっ
戴冠式翌日の昼
「ちぇっ、父上や兄さんが魔族なんかと関わっちゃったから精霊さんと仲良くできないんだ」
国王という地位について初めて使う机でつっぷしている
泣いてはいないがめそめそしながら文句を言っている
(そんな楽観的な話でないだろうに…)
オスカーは顔に出さないが疲れていた
王家に魔族が関わるのは大問題だ
なぜか噂が出回っておりサミュエルは安全だ、など好意的である
ただ今後の行動次第では国を揺るがしてしまう
サミュエルは真っ直ぐだ
真っ直ぐが故に正しいことを突き進むのであれば頼もしく
間違えたことに気づかない、周りが見えてないとかなり危険がある
それを軌道修正するのがオスカーである
アドン達ロアンヌ家、そしてブロンシュ、ラネージュ
そもそも先代の大精霊が王家を拒否している
長年の確執もあるし今回のブロンシュを囲おうとしたこと…明らかに向こうからは関わりたくないと思うのだがサミュエルにはいまいちピンときていない
下手をすれば皆話せばみんな友達ぃ!!くらいに思っているだろう
(本当に全員友達と思っているかもしれん…笑えん…)
オスカーに重大な責任がのしかかる
馬鹿の手綱を握り国を守るという使命がある
王太后もいて教えてもらうことはできるが常にそばにいるわけではない
本来はここで王妃もいるべきなのだろう
ただサミュエルの婚約者…ジュリアは床に伏せていた
病気、とだけ公表している
実際は立ち上がることができず1日の大半を寝て過ごしていた
食事の時間でなんとか半身は起こせるものの
それ以外の時間はベッドで横になっておりずっと眠りについている
食事の際に少し会話はしており思い当たる節はないか聞いたことがある
だがまったく原因がわからないのだ
「すごく眠い」「なぜこんなに身体が重いのかしら」
ということを言っていたのを記録している
ジュリアは元々優秀な令嬢である
言語能力はもちろん、国の歴史にも精通しており父の仕事の関係で他国とも関わりがあった
なによりあのサミュエルを引っ張れる人間なのだ
そんなジュリアを切り離すことはしたくない、と誰もが思いいまだ王妃という地位は空白のままである
病気が治り体調が整えばすぐにでも動けるようにしている
「ジュリア…」
そう呟くサミュエルは寂しそうな目をしている
病に倒れる前はとても仲が良く
暴走気味のサミュエルをしっかり修正してくれてお互い信頼をしてきた
たまに手を繋ぐとお互い恥ずかしくて真っ赤になり周りは生暖かい目で見ていた
「早く…原因が分かるといいのだが…」
治せる医者を探し続けている
皆首を振るがきっと治せる
そう信じて自分は前に進む
魔族に負けない!
この国はジュリアと二人で守る!
そう心に決めたサミュエル
バッと顔を上げ驚くオスカーに声をかける
「とりあえずお腹が空いたな!!」
サミュエル書いてると馬鹿っぽくなる(´ω`٥)




