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よんじゅうきゅーう



「…聞き間違えましたかな、お友達という言葉が聞こえてきたような気がします」



困ったような顔を作りたかったのだろう

だがあまりに突然な言葉で苛立ちが隠せず

アドンのこめかみに青筋が立っている

ついでに口元が引き攣っているのでかなり怖いことになっている




「間違ってないぞ!!」



ドヤァァァ!と効果音がつきそうな笑顔だ

曇りなき瞳にその場にいたものは呆れていた



(真っ直ぐすぎてどこからつっこめば…)




アドンはこめかみをマッサージしながら思案した

この人には遠回しな言葉は伝わらない




「まず、娘は王都に来ません」



「なにっ」



大げさなくらい仰け反るサミュエル

わかりそうなものなのだが…それは本気なのかわざとなのか分からない



「人間の姿にはなれますが元は精霊です。我が領地であるチュテレールおよび森にて静かに暮らすのが望みです。私達とは交流しますが王家と交流は致しません。これは私の意志ではなくブロンシュおよび大精霊様の意志です」




ラネージュと事前に話し合いをしており

王家と交流をしないという意思表示をして良いと許可を得ていた

アドンだけなら不敬かもしれないが大精霊の意志である

それに反発することはできない




「それに魔族がなぜ王都に入り込んでいるのか、その目的まで明らかになっていませんよね?

その状況ではこれから何も起こらない、と言い切れないでしょう」




痛いところを突かれたのだろう

サミュエルは困った顔をして言葉を発することができなかった

オスカーも黙っている



「たしかにそうだな。今は幽閉されている兄…アーサーも調べたが魔族に操られた形跡は分かったものの、詳しいことがわからないのだ」



貴族用の牢に閉じ込められているらしい

ブツブツと言葉を発するだけで質問にも応じず

自白剤を飲ませても意味のない言葉ばかりを並べる

記憶を操作され話せないようにしている可能性があるのだ




「私はただ精霊さんに迷惑をかけてしまったお詫びと、ただ純粋な好奇心で仲良くなりたいのだ」





しょんぼりしているサミュエルはまるで叱られた大型犬のようである

正義感が強く真っ直ぐな性格だがまだ20歳

自分の言動、行動でどのような影響を及ぼすか把握できていない


眉間にシワを寄せたオスカーがアドンにアイコンタクトを送った

それを苦笑いで受け取った

これから指導をしていくのだろう

苦労が絶えなさそうだ




「陛下には申し訳ございませんが大精霊様の意志でございます」



「…仕方あるまい」



口をとんがらせてしぶしぶ了承した

あとは軽く雑談をし挨拶をする


その場を後にし手配された部屋で休む

早朝に出発し帰還する予定だ



ドゥータは寝ているときに何かあるのでは、と警戒していたが杞憂だった

何も起こらず王都を出発した




「第一王子が暴れた件はありましたが他には何もありませんでしたね」



馬車の中

一息ついたところでドゥータが切り出した



「あぁ…何かあっても娘からもらったお守りがあったが使わずに済んだな」



ブロンシュからお守りを渡されていた

それはラネージュが力を込めたもの

危険が及べば盾となり槍となる


そしてさらにラネージュは確かめたいことがあったのでさらに手を加えていた




「…国王陛下に反応しなかったな」



お守りを魔族またはその魔力が近くにあると光ったり反応し過ぎて熱を持つなど言われていた

だが光りもせず熱も持たず無反応だった

これにはふたりが驚いた




「国王陛下がトップとして立たされたが魔族とは関わりがない……これはどういうことだろうな…」



仕組まれたものだと予測していたがまさか本人が魔族と関わりがないと分かった

なぜ操っていないサミュエルを立たせたのか

魔族の狙いが何なのかさらに分からない




「私達の手には負えないかもしれませんね…」



向こうの出方がわからない

様子を見つつ守りを固めるほかないのだ

ラネージュに相談し策を考える




帰りの馬車はとても静かであった






アドンとドゥータ混乱

サミュエルはただの熱血お馬鹿説

オスカーは苦労人( ノД`)

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