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よんじゅうはーち



サミュエルの周りには人だかりができている

ただ、挨拶が終わった者もいて少しずつ減ってきていた


やはり魔族問題が気になるものもいるのだろう

挨拶が終わりすぐにそそくさと会場から出るものも少なくない

完全に解決はしておらず何が起こるかわからないのだから



アドン達が近づくとサミュエルが気づき

にこやかな笑顔を向ける




「おお!久しいなアドン」



気さくに声をかけられ礼を取る



「お久しゅうございます。この度は心からお祝い申しあげます。今後益々のご活躍と…」



「よい!よい!堅苦しいぞ!」




聞き飽きたのだろうか、眉にシワを寄せ首を振っている

唇を突き出して不満そうな顔はとても国のトップには見えない



後ろに控えている宰相がこめかみをおさえている

王らしい振る舞いを何度も伝えているのだろう

いっこうに改めないようで宰相の顔には

諦めが浮かんでいる気がする




「たしかに国王という立場にいるがこうもガチガチにかしこまられると肩が凝る」



「それは致し方ないことかと…陛下、息子のドゥータでございます」




後ろに控えていたドゥータが前に出て礼を取る

すこし緊張しているのだろうか、表情が固い




「おおっ、ドゥータか!!たしか私が7歳の頃に少し遊んだな!覚えているか?」



「はい、ドゥータ・ロアンヌでございます。その節は私のようなものと…」



「だからっ!かたいっ!!」




ガチガチな表情で返すドゥータにストップをかける


サミュエルは元々正義感が強く優しい心の持ち主だ

王城に務める下々の者にも声をかける人格者である

自分の立場にあぐらはかかず

努力を続けるタイプなので皆サミュエルを尊敬しているのだ


今まで色んな人と気さくに話していたのに周りが一歩引いてしまったのだろう

失礼にならないようにと気を遣われたのが

本人には嫌なようだ





「皆が固くならないように、敬語をやめる法を制定しようか!!!」




名案だ!と言わんばかりに満面の笑みだ

頭は悪くないはずなのだが猪突猛進型で

突っ走るタイプである





「やめてください陛下」




さすがに宰相…オスカー・ブルズが止めに入った

声をかけられたサミュエルはまずい、と言いそうな顔をしている

あとで説教をされるのだろう

オスカーのこめかみに青筋がたっていた






「久しぶりだな、アドン」


「そうですねブルズ宰相」



宰相はドゥータの友達であるノアの叔父である

その繋がりもあり顔見知りであった


ドゥータも挨拶をしていると

サミュエルはまだ口を尖らせていた





「そんな感じでフランクに話したい…」

「無理です」




わりと食い気味に否定されてしまい

クッ…!と顔を歪めているとこの場で説教が始まった


アドンは気づかれないようため息をつくと

そっと声をかける



「大変申し訳ないのですが、私達はそろそろ…」



お暇をしようとそっと声をかけるとサミュエルがすぐに反応した



「待ってくれ!…先日の謝罪を改めて…」



前国王の事件のことだろう

謝られたところで変わらないのでやんわりと断る




「いえ、もう充分でございます」



サミュエルはウッ、と声を詰まらせた

とても申し訳なく思っているのだろう

悲しい顔をしている

とても素直な青年なのだ



「すまない…あれから魔族について調べたのだ。前国王が何をしていたのか、いつから繋がっていたのか…など」





サミュエルなりに事件を解明しようとしたようだ




「完全には分からないが魔族との関わりはここ2年くらいだろう。前国王の手記でそのような記述があったのが2年前だ」



あくまで手記であり真実はわからない

もしかしたら書き残していないだけでずいぶん昔からなのかもしれない




「魔族の魔力は色が特別だ。識別する魔法があるのでそちらで確認した。

王城で働く者はすべて見た。貴族から平民まで全てだ…だが関わりのあるものはおらぬ」




魔族が関わるとオーラは黒っぽく濁る

そのオーラを見る魔法を使ったのだろう




「潔白は完全に証明できないが少しずつ信用を取り戻したい。もし不安であればオーラを確認する魔法を使ってほしい。または可能であれば…大精霊様に見てもらうほうが真実を見てもらえるだろう」




ただ、大精霊様にも負担をかけたくない

小さな声が聞こえる



さきほどまで口を尖らせてブーイングしていたとは思えない真面目な対応だ




(これをつねにやってくれないかな)

とオスカーはそっと考えていた





サミュエルはドゥータを見る

急に目が合い戸惑ってしまう



「というわけで件の精霊さんとお友達から始めたい!!!!!」



「…は?」












「へくしっ!んー…風邪かな?」





宰相(聞いてないんだけど!!!!)

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