よんじゅうさーん
森の入り口についたところで3匹の精霊が飛んできた
ブロンシュの周りをくるくると飛んでいる
「おはよーブロンシュは飛ばないのー?」
「ブロンシュブロンシュ!!」
「…おはよ」
それぞれ一斉に話し出す
この3匹はとくにブロンシュのことが大好きで森に来ると後ろについてくる
のほほんとしている子はマル
元気な子はミル
おとなしい子はメル
ブロンシュが呼びにくいから、とのことで名前をつけた
実際は適当なんだが3匹とも泣いて喜んだ
「おはようみんな。飛ぶとやっぱり力使うからね、普段はとばないよ」
森の奥へトコトコ向かうとマルミルメルもついていく
魔物の感知が早い子達でもあるからブロンシュの案内役でもある
魔物がいたらそれを避けるルートで行くのだ
「それなーにー?なんだかいいにおーい」
マルがブロンシュの背中を指差す
「料理長にサンドイッチを作ってもらったの。皆で食べよう」
「「「わーい」」」
本来精霊は食べ物を食べなくても良いが
食べることによって力を溜めやすい
中には味を楽しむ子もいるのでたまにごはんを持ってきているのだ
だんだん森の奥に来ると太い木が増えてきて
木々の根元に光の玉がある
何本、何十本とある木々にそれぞれあるので玉もたくさんある
「みんなまだ起きれないのかな」
ボソッとつぶやくブロンシュ
あの中には生まれ変わる精霊達やケガをした精霊達が眠っている
光の玉に皆がいないほうが、とても平和であるということだ
「この前も20年前もみんな戦ったり傷つけられたんだよね…悲しいね」
少し沈んだ声色になってしまう
それに返事する声はとても軽いものだった
「悲しいー?」
「でもみんなまた生まれ変わるよ!!」
「…傷は直せる……」
本来精霊は人間ほど感情が豊かではない
ブロンシュは成長しにくかったとはいえ半分人間であったからか、人間に近い感情をもっている
「そっか、皆とまた会えるから悲しくないんだね」
なるほど、
でも私はやっぱり悲しくなっちゃうな
そう心の中で考えるとふと気づく
あれ??
国王陛下が魔族に殺されたとき
なんであんなに王妃は
無表情だったんだろうか
魔族の手が陛下の腹を貫いた瞬間、ブロンシュは見てしまっていた
王妃は眉一つ動かさなかったことを
やや俯きがちだったが感情がないように思えた
王妃という立場だったからかもしれないが
それにしては感情がなさ過ぎる
自分の夫が殺されたのだ
多少の反応があるはずだ
「このことを予想していた…?」
王妃が話し出してからは感情も出始めたように思う
「戴冠式…大丈夫かな…」
とても遠い王都へいったドゥータ達がたまらなく心配になった
ブロンシュちゃんのハーフ時代はあまり感情が表に出ていませんでした。ドゥータ達に会ってからは本来の感情を知り始めます。




