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さんじゅうはーち





明らかに怒っている

眉間に皺を寄せブロンシュを睨みつけた

怒鳴りつけるのをこらえているのだろうか

身体が震えている



「交渉決裂か…残念だよ」



国王陛下はそう言うと片手を上げる

控えていた騎士が一斉に動き出す

フロアにいた貴族達から悲鳴が上がる

巻き込まれたくないのだろう

必死に出口へ向かおうと逃げていく














【止まれ】















声が聞こえたと思ったら場が静止する

その場の人々の身体が動かない

ブロンシュ、ドゥータ、アドンを残し

一人残らず止まった

だが意識だけは残されており

今の異様な状況に戦慄する

叫びたくても叫べない

声を出すことができないのだ

出口を見ていたものは振り向くことができない

これから何かが起きても分からないのだ

だがそれが幸せかもしれない

ブロンシュ達を見たまま固まったものは恐ろしいものを目にするのだから






幾分温度が下がった気がする

気づくと雪の結晶が舞っていた

風が渦巻き止まったかと思うとそこには


ラネージュが現れた






「さて…我が娘に何をしているのかな?」





ラネージュが国王に向けて指を振った

国王の口元だけ動くようになったようで

途端に声を荒らげる





「っ貴様!何者だ!魔術師か!?こんなことをして…いや、今なんといった…?」



「ん?娘だといったんだよ」



「む、すめ」




ようやく理解したのだろう

目の前にいる麗人が大精霊だということを

何故忘れていたのだろう

その大精霊がこの国を支える守り神のような役割をしていたことを

そして喧嘩を売ってしまったことを






ふぅ、と息を吐くとラネージュはとんっと跳ねた

瞬間国王の目の前に立つ



「ヒッ」



「別に国をどうこうしたいわけじゃなかったんだけどね

ただ娘に危害を加えるものは潰すだけ」




そう言うと国王の足下から凍っていく

ゆっくりと

確実に



「まて!待ってくれ!私はただ…!」



「魔族から入れ知恵されたんだろう?

大方、精霊の娘を囲んでおけば【雪の涙】にたどり着ける。さらなる国の繁栄が見込めるとか」



図星なのだろう

口をはくはくさせ言葉を紡げないようだ



「お前から魔族特有の魔力を感じる

まぁだいたい操作されているようなものだな…思考を奪うなどして操られていたんだろう」






「私は!ま…」




ザシュッ




国王の背中から腹にかけ貫かれた


「あ…!なん…」



貫いたものは魔物のような赤黒い手

魔族だろう

自分のことを話さないように口封じをしたのだ

口から血を吐いて絶命

ラネージュに足下を凍らされたので身体が傾くのみだった




「遠隔操作できないと思って油断したな…」




苦虫を噛み潰したような顔をしたラネージュは

王妃と第1王子と騎士達を動けるようにした

そして宣言する






「我が名は大精霊ラネージュ

我が娘とロアンヌ家およびその領地で事を起こしてみろ

この国ごと潰してみせよう」





ブロンシュの頭を撫でて

すぅっと消えてしまった





全員が動けるようになったのはそのあとしばらく経ってからだ

混乱は長く続いた






パパ上頑張る回

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