にじゅうっ
「えっと、大精霊様、なんですよね?精霊の生みの親、だからですか??」
目の前の残念な人に引きつつ質問する
(捨てられた子犬の目をするんじゃない
こちらが悪者みたいじゃない)
ジト目で大精霊を見るとしょんぼりしつつ口を開く
「君は私の娘だ」
「えっ…」
なんで、とか
どうして、とか
色々浮かぶものの言葉にはできない
森に家族がいると思っていた
雪の精霊たちと大精霊だ
でもだからって大精霊が本当にお父さんとか
意味不明
パンクしそうだ
「む…混乱しているな。無理もない。ややこしいことだろうから」
顎に手を添え過去を思い出しているのだろう
うーん、と唸ったあと
「順を追って説明しようか」
「はい…」
「まずはスタンピードが起きた20年前よりさらに前。私はこの森でマリーと出会った」
ブロンシュの母、マリーは森の入り口付近で木苺を摘んでいたらしい
入り口には魔除けの陣が張られており
魔物は出てこない場所である
だが老朽化なのか異常があったのか…
帰ろうとすると入り口に魔物が現れた
慌てて逃げて森の深くまで来てしまったのだ
【去れ。ここは人間が来るところではない】
大精霊ラネージュは声をかけ
帰るように促した
『えっえっ!!誰!!こわーーーーーーい!』
【えっ、あっ、ちょ…】
逆効果だった
たしかに一人心細いところに得体の知れない者の声を聞いたら怖い
【待て!】
姿を現して
走って逃げようとするマリーを捕まえる
逃げた方向の先には魔物の巣があるはずだ
そこに行ってしまったら食べられるのが目に見えている
『おとなしく帰るんだ、ここは危険……』
『あっ…』
(かわいい…!)(かっこいい…!)
一目惚れだった
「いやほんとマリーは可愛くてな。はじめに声をかけたときも思っていたが目が合った瞬間もう惚れたよね」
「いや惚れたよねと言われても」
うんうん、と頬を染めながら惚気話をする大精霊に
こいつほんとにすごい存在なのか?と不安になった
その後は度々マリーが遊びに来て親交を深めた
ラネージュは精霊の人間の寿命の違いを知りつつも
妻にしたいと考えたのだ
「しばらくして君が生まれたんだ
マシェリ」
すとんと身体に流れた優しい気持ち
マシェリ、それが人間だった頃の
大切な名前
人間(と精霊のハーフ)の時の名前が判明!
ラネージュがちょいちょい残念だけどいいよね…?w




