にー
ここから続きです!ほのぼのぉ
ロアンヌ家の朝は早い。
メイドが主の為に支度をする。
ブロンシュはドゥータの部屋にいる。ブロンシュ用にとベッドの近くに小さな丸いクッションか置かれ、そこですやすや寝ていた。
ふっかふっかのクッションである。よほど気持ちが良いのかメイドが近くを通っても全く反応しない。
その様子にくすくすと笑うドゥータ。
頭を撫でられたブロンシュは薄く目を開ける。
「ああごめん、起こしたね。寝てていいよブロンシュ」
当たり前だ、というようにすぐ目を閉じ
にゃむにゃむ、という声が聞こえる。
ドゥータの支度の手伝いをするメイドも微笑ましく見ている。
「拾ってこられた、とお聞きしましたが人見知りしないんですね」
「そうなんだよ、人に慣れているのかな?」
そう話している間もにゃむにゃむ言いながら動くブロンシュ。お腹がバーン!と見せびらかしている。
「ブロンシュ…君、女の子なんだから少し隠そうね」
そう言って身体の向きをいそいそと直すドゥータ。声は若干呆れてはいるものの、顔はにこにこしている。
「坊っちゃん、ブロンシュちゃんをとっても気に入ってるのですね」
「そりゃそうだよエマ。この子の目に惹かれたんだ」
「目…ですか?」
エマ、と呼ばれたメイドは首を傾げる。
「いつからひとりぼっちか分からないが身体が薄汚れててね、でも目がとても澄んだブルーだったんだ」
ご飯も満足に食べられなかったかもしれない、喉も乾いているかもしれない。ふらふらと歩いていても目だけはまっすぐ前を向いていた。
「気まぐれと思われるかもしれないが、それでもこの子を連れて帰りたかったんだ」
そっと人差し指でブロンシュの頬あたりを撫でる。
ピク、と反応したと思ったらドゥータの指に頭をぐいぐい押し付けてくる。ふかふか綺麗な毛に指が埋もれ少しくすぐったい。
「可愛いだろ?」
謎の自慢をしてきたドゥータに吹き出す。
「はい、とっても」