じゅうしぃー
この日も雪が降っていた
すぐに積もりそうなくらい
しんしんと
雪を見ると楽しさと嬉しさと
あたたかさを感じる
「何事もなければいいのだけれど…」
不安そうに呟くエマは落ち着かないのか
椅子に座らずそわそわしている
「にゃあにゃあ!」
「…お腹が空いたの?たしかにもうお昼よね…貴方のご飯を持ってくるわね」
そう告げるとサッと出ていってしまった
実はよくブロンシュが行き来する部屋には専用のドアが取り付けられていた
初日に出入りしにくく、にゃあにゃあと呼ばないと移動できなかったからである
(いまだ)
そろ〜っと前足を出し顔を少しだけだす
きょろきょろ見ると誰もいない
キッチンまではそれなりに距離があるから
エマはすぐに戻らない
するりとドアを抜けると中庭に抜ける道を駆ける
中庭の植木の陰に小さな穴があるからそこから出られるだろう
森までの道はわからない
だが匂いを辿ればいけるはず
猫だから…たぶん…
若干自信がないが迷ってはいられない
駆けて駆けて駆けて
ようやく屋敷の外へと出られた
ドゥータはもう森へと向かったのだろうか?
ならその匂いを辿れば…
合っているかもわからない道をさらに駆ける
匂いと本能で身体を動かす
身体がだんだんと疲れを感じるが構っていられない
ガクンと足がふらつくがそんなの関係ない
急げ
森へ行くんだ
だってそこには大切な大切な
【家族がいる】
(そうだよ、なんで忘れてたの)
思い出すごとに身体が光を纏う
(だって私はあの森で生まれた。生まれ変わったんだ)
背中から真っ白な翼が現れた
(20年前というのは違う。私が経験したあの悲劇は少し前…ドゥータに拾われる直前だ)
身体を浮かせ空を駆ける
もっと早く早く
(深い森の奥で悲劇が起こった。きっと大精霊が抑えてくれたからドゥータ達は知らないんだ)
「待っていて…!」
本文がかなり真面目なのですがここで言わせてください。
ブロンシュが喋りました!!!!!




