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22.そんなに怒らないで【ユージン視点】

すげークロード機嫌悪っ!寝起きかよってくらい機嫌が悪いな。執務室に入るとみんな無言だからおかしいなとは思ってたけど、いつも通りにクロードに話しかけようとしたら、ジェラルドとカーライルがすごい勢いで首を振り始めた。え?話しかけないほうが良いってことか?

他のメンバーの様子を伺うと、クラウスは興味なさそうに書類を確認しているし、カーライルはクロードを見て俺みたいにヤバって顔をしている。ジェラルドは何か知っているのか溜息をついている。ってかクラウスはよくこんなピリピリした雰囲気で気にせず書類仕事ができるな!


「なんかねー、今マクロン侯爵令嬢に付いて侍女からこんな報告があってさ」


ジェラルドが数枚の紙を俺達に見せてくれ、カーライルが読み上げてくれた。


「えーっと、マクロン侯爵令嬢が怪しい瓶を所持。その瓶の中身を確認したところ、魅惑の魔法薬とのこと…って、え!?」

「え!?魅惑の魔法薬って何だ?」

「そこからー?」


カーライルが呆れた顔で俺を見る。いやだって俺、魔法薬の調合大ッキライだし。


「ゴホッ!魅惑って名前が付いてるんだし惚れ薬だろ。しかも魅惑の魔法薬って結構強めの薬だわ」


クラウスが笑いながら俺に教えてくれた。クラウスは冷たそうに見えて、結構笑いながら何でも教えてくれる意外と良い奴だ。まあ、妹の結婚相手としてはどうだろう…って感じだけど。


「んで、そんな露骨なことされて期限悪くなったんだ?そういうの大ッキライだもんな」

「うるせえ!」


クラウスが笑いながらクロード相手に挑発しやがった。これ以上機嫌悪くさせんなよ。


「でもそんな露骨なこと普通しなくない?」

「だねー。俺もそう思ってたんだけどねー。色々と証拠出ちゃってね。調査によると瓶からマクロン侯爵令嬢が触れたという形跡があったんだよね」

「どれどれ?」


ジェラルドの手から色んな資料が出てくる。いつもこんなに仕切ってくれてありがとう!


「いやでもあの瓶自体から色んな魔術の臭いがしてたけど。結構、胡散臭えと思うけどな」

「もう1回調査してみたら?」

「でも魅惑の魔法薬について話してるのを、ルーライ伯爵令嬢と皇室専属の侍女を見たって言ってるんだよね」

「ルーライ伯爵令嬢?」

「何でルーライ伯爵令嬢が出てくる?ますます胡散臭いって」

「しかもマクロン侯爵令嬢に付いている皇室専属の時事って、アントワープ派の家門の子っていう」

「はいアウトー!」

「じゃあ再調査しようぜ」

「いいねー」

「聞き込みしちゃう?」


無言のクロードを抜きの4人で推理して盛り上がってきた。もし疑われているだけならマクロン侯爵令嬢を救える!


「もう時間がねぇんだよ。皇太子妃選抜の1人目の脱落者をもう決めないといけねぇんだし、マクロン侯爵令嬢を脱落させる。怪しきは罰する」


クロードが盛り上がる俺達に言い放った。え?待てよ、そう言う理由で落とすか!?


「でもマクロン侯爵令嬢に聴取もしてないし、まだ失格には早いだろ。だからとりあえず時間稼ぎにバルディリス辺境伯令嬢を落とそう」


クラウスはエルレナを脱落させたくて脱落させたくてしょうがないようだ。


「可哀想エルレナ。こじつけじゃん」

「カーライル黙れ。ってかいつからエルレナって呼ぶようになった?」 

「仲良くなっちゃった。ね、ユージン」

「お、おう!」

「ユージン、最悪」


クラウスから思いっきり睨まれた。ここにも機嫌が悪い奴が生まれてしまった。カーライルも余計なこと言うなよ。


「はーい!バルディリス辺境伯令嬢が異性と親密になっているようなので失格の対象とします」

「え!?そんなんじゃないよ!ただアルシェとユージンと4人でお茶飲んでただけだって」

「俺にはそのように感じませんでしたが。クロード殿下はどのようにお考えでしょうか?」


カーライルの擁護も虚しく、クラウスがふざけた口調でクロードにエルレナを脱落させようとしている。ってかコイツどんだけエルレナのこと脱落させたくてしょうがねぇんだよ。


「魅惑の魔法薬使う奴より、男友達が多いほうがまだマシだわ。そもそもこういう風に嵌められるって、何か怨みでも買いやすいんじゃないの?」


クロードは冷めたく言い捨てて執務室から出ていった。どうしたクロード?あんな人を切り捨てるような奴じゃねぇんだけどな。


「今日のクロード本当にどしたの?」

「アイツにも色々とあるんだわ、皇太子だし色々と前に薬盛られたりとか。上手くかわすなり遊ぶなりすれば良いのに、そういうとこ不器用だしな」


クラウスはクロードの従兄弟だから、幼い頃からクロードと一緒に過ごしている分とてもクロードについて詳しい。


「マクロン侯爵令嬢には悪いけど今回はクロードの意向を組んで脱落してもらうしかないかな?」

「そんなの可哀想だろ!」


ジェラルドの言葉に驚いた。無実かもしれないのに脱落させられるのは酷いって。しかも家門にまで傷が付きかねない。マクロン侯爵家の名声が地の果まで落ちてしまうだろう。


「せめて脱落後でも名誉を回復してあげれたら良いんだけど」

「クロードの手前、俺らが表立って動きづらいよね」


ジェラルドとカーライルが何とかマクロン侯爵令嬢にしてあげれることを悩んでいる。しかし皇家やアントワープ侯爵家を敵に回すと色々と厄介だ。何とかする方法はないだろうか。


「俺が1番この中で動きやすいか。とりあえず色々と探ってみるわ。手伝ってくれる人の心当たりもなんとかあるし」

「本当か!?」

「クラウス俺達にも何かできることがあったら言ってよ」

「助かるわー。じゃあ俺はクロードの態度が緩和されるようにしてこっかな」


クラウスがこの件については対応、クロードのことはジェラルドが声を掛けてくれることになった。いやー、どうなることかと思ったぜ!

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