システム:ジャンル
一番最初に考えるのはシステム面です。
といっても勿論小難しい話ではなく、はじめに「ジャンル」を選びます。
おおまかに
「育成シミュレーション」
主人公、もしくは主人公を含めた複数のキャラクターを育成していく。
ある傾向のパラメータでないと目的のイベントやエンディングへ至らないなど、所謂「フラグ管理」に計画性が必要となる。
「クラフト系」
アイテムをつくることが主目的。
特定のアイテムを入手する・つくることがクリアやイベント発生の条件になるものもある。
「RPG」
ストーリーに沿って主人公(主人公達)を動かしていく。
大筋のストーリーがしっかりと決められているので、「自分のやりたいことができない!」といらいらさせられたプレイヤーもめずらしくない筈。
「ノベルゲーム」
ゲームブックのようなもので、選択肢を選ぶだけでストーリーが分岐し、展開していく。複雑な操作やアイテム収集などを必要としないこともあり、ゲーム初心者でも手を出しやすい。
ただし、「一度○○の選択をしていないとここでこの選択肢が出ない」「一度クリアしないとここで分岐しない」など、やりこみ要素があり、すべてのイベントやイベントスチルを手にいれるのは一番困難かもしれない。
「戦略シミュレーション」
主人公一個人を操作するというよりも、主人公の所属している「国」「村」「軍団」「家」などを操作して発展させていくのが目的。
主人公のパラメータが高いだけではクリアできないことも。
これらいつつのなかからひとつを選び、更に細かく設定をつけていきます。
ただ大分類を選ぶだけで、「戦略シミュレーションならそのほかの要素はないの?」というとそうでもありません。
「大枠は戦略シミュレーション、でもクラフト要素もある」
「RPGで戦略要素もある」
「育成系でクラフトもできるしRPGっぽさもある」
など、ふわっとでいいです。
ただし、それぞれのジャンルの兼ね合いは考えないといけません。
個人的にはノベルゲーとほか要素は相性が悪いのでは、と考えています。ノベルゲーだという想定なら、キャラ育成やクラフト要素は「軽く」したほうがそれらしいかもしれません。
同じアイテムをほぼ際限なく幾つも作成したり、同じ場所を何回も訪れたりするのは、ノベルゲーだと個人的には不自然さを感じます。
「もう少し細かく決めたい!」というひとは、対象年齢や対象層を考えてみましょう。
乙女ゲームといってもざっくりと「女性全体向け」なのではなく、「普段からゲームをやっている女性向け」「普段あまりゲームをしないライト層、マンガとかアニメとか好きなひと向け」「成人女性向け」「中高生向け」「男性向け」など、いろいろあるでしょう。
普段からゲームに親しんでいる女性向けなら?
それなりの難易度でもゆるされるでしょう。やりこみ要素が盛り沢山かもしれません。
同じイベントでも季節違いでスチルやムービーに差が出たり、めずらしいイベントでしか聴けないBGMがあったり、一番のエンディングの為には数周しないといけない、など。
マンガやアニメ好きだけどゲームはあまりしない、ライト層向けなら?
難易度設定ができる、或いは難易度を下げるアイテムが存在する、丁寧なチュートリアルやナビゲート担当のキャラが存在するなど、ゲームをしつけていないひと達へ配慮した救済要素があるかもしれません。
アニメ・マンガファンに向けているなら、「豪華声優陣」や「有名漫画家がキャラデザイン」していることが売り、ということもありえます。
成人女性向けなら?
リアルなストーリーが好まれるのではないでしょうか。ちょっと「きわどい」表現もでてくるかも。
あまりにも「ファンタジー」な設定だと兼ね合いが悪いかもしれません。ただし乙女ゲームである以上主題は「恋愛」。あまりにもつくりこみすぎたストーリーや設定は、「別ジャンルのゲームでは」とつっこまれるかも。
中高生向けなら?
まだまだ、ふんわりしたファンタジー設定でも受け容れられる年代ではないでしょうか。
深刻すぎる設定や重厚なストーリーは、「ない」とはいいませんが、それが前面におしだされることはありません。
それらは「ノベル版」「コミック版」「アニメ版」「ドラマCD版」或いは「攻略本の片隅」で描かれている、という設定ならばごく自然です(実際にそのようなゲームは多々あります)。
ゲームをやってもっとくわしい設定、世界観を知りたくなり、それらに手を出すことは、ファンであれば違和感はありません。
また、複数の媒体に展開されていることは「人気」もしくは「ゲーム会社の本気度」をあらわす上でもつかえる指標です。
男性向けなら?
寡聞にして、実際に男性向けに作成された乙女ゲームを知らないのですが、もし男性向けに乙女ゲームをつくるなら、わたしならヒロインを魅力的にします。
もしくは、プリンセスメーカーのような育成系のシステムにします。コマンド選択やミニゲーム、お金稼ぎなどを繰り返し、理想の女性、理想の娘を育てる、というようなものなら、実際にありうるかもしれません。王家へ輿入れさせるのが一番のエンディング……など、なろうで好まれる宮廷ふう小説と相性がいいかも。
さあ、ジャンルを選びました。実際にどのようなシステムなのかを、簡単に決めていきましょう。