息抜き:例えばこんな取扱説明書――異世界恋愛シミュレーションゲーム「サフルアルドの魔法姫」
サフルアルドの魔法姫をお買い上げ戴きありがとうございます。
この取扱説明書は再発行いたしませんのできちんと保管してください。
☆プロローグ☆
大陸の中央に栄えるサフルアルド王国。
永き伝統と数々の名君を誇る超大国は、大陸随一の魔法技術でも世界に名をはせていた。
しかし、新大陸からあたらしい学問・科学がもたらされたことにより、世界中で魔法は衰退の一途を辿る。科学の波はサフルアルドの根幹でもある魔法研究院をも揺るがしつつあった。
誰しもが扱える科学と違い、魔法はつかう為に才能が必要になる。モンスターを倒すには魔法が一番だが、人間がその版図を広げたことでモンスター達はほとんど姿を見せなくなっていたこともあり、魔法はその重要性を失っていたのだ。更に、魔法研究院での汚職が魔法離れに追い打ちをかけた。
そんな中、魔法研究院の長である「朝露の姫」が跡継ぎを指定せずに亡くなった。
サフルアルド魔法研究院は王国歴1797年に解体され、魔法は騎士達以外からは徐々に忘れられていった……。
王国歴2003年、世界中でモンスターの大量発生が起こり、ひとびとはモンスターを倒す為に魔法を求めた。
サフルアルド魔法研究院は「暫定的」でありながら復活し、魔法をつかえる騎士達が魔力を持つが魔法を扱えない者達の指導にあたることになる。
そして、特に高い魔法への適性を持つ少女三人が集められた。次の「朝露の姫」となる為に。
「サフルアルド王国史 陽明の巻 第二章」
(このあと数ページ操作説明。コントローラー基本設定・セーブデータ作成方法・ロード方法・システム設定・セーブに必要なメモリやハードについてなど)
☆ゲームの目的☆
〈あなたはサフルアルド王国の、ごく普通の16歳の少女です。
魔法を扱う高い才能があることがわかり、再開した魔法研究院の長である「朝露の姫」候補として宮廷へやってきました。
魔法研究院は、魔法を研究し、魔法を普及させる為の王立の施設です。サフルアルド王国はかつて魔法が盛んだったものの、誰でもつかえる科学が発展した為に徐々に廃れていきました。
魔法はたまにあらわれるモンスターを退治する騎士団にだけ、細々と受け継がれてきたのです。
あなたも、今まで魔法をつかったこともなければ、魔法を見たこともほとんどありません。
ですので、見目麗しい騎士さま達があなたの指導をしてくれます。彼らは定期試験や、最終的に朝露の姫を決める際の投票権も持っているので、できるだけ親しくしておきましょう。
宮廷で修行をし、魔法を覚え、朝露の姫になるのが最終目的です。
といっても、素敵な騎士さま達も気になりますよね……?
真面目に修行に励みながら、騎士さま達と交流を重ねれば、もしかしたら騎士さまとの親密な時間を過ごせるかもしれません。その先は、騎士さまとの未来が待っているなんてことも……。
まっすぐ朝露の姫を目指すか、騎士さまと親しくするかはあなた次第。
とはいえ、どちらにしても真面目に修行をこなすのはとても大事なこと。おろそかにすると騎士さま達に呆れられてしまいます。
修行と交流のバランスを考えながら、朝露の姫候補生活を楽しみましょう!〉
☆ゲームの流れ☆
(イラスト込みでの説明)
〈このページからはゲームの大まかな流れを説明します。
あっ、誰かがやってきました。
あなたをサポートしてくれる、侍女のビルカです。
彼女はあなたと同じ16歳。貴族の三女です。どんなときでもあなたの味方で居てくれるキャラクターですから、優しくしてあげましょう。ゲーム中、迷ったら彼女の助言を聞くのもいいかもしれませんよ。
宮廷はあなたにとって未知の場所。さあ、ビルカにいろいろ教えてもらいましょう!〉
(とことこ……)
ごきげんよう、朝露の姫候補さま。(ぺこり)
わたくしは宮廷で侍女をしているビルカと申します。あなたのお世話を仰せつかりました。なんでもお申し付けください。
え? お部屋の説明と、施設の案内、ですか? あ、姫候補さまは、貴族ではらっしゃらないんでしたね。でしたら、宮廷ははじめてでしょう。わかりました、案内いたします。
ではまず、お名前とお誕生日をうかがっても宜しいでしょうか?
〈ゲームを始めると、今回の試験を監督している騎士のラハブさまに、最初に名前と誕生日をきかれます。名前は八文字までです。
誕生日によって属性が決まり、騎士さまとの相性も決まります。多くの騎士さまがご自分と同じ属性のかたと相性がよいようですよ!
属性には以下のような相関関係があります。(強い→弱い ←→の場合は互いに弱点)
炎→風→雷→大地→水→炎
光←→闇
同属性だと効果が少し弱くなりますし、例えば水属性のモンスターに炎属性の魔法を使っても大きな効果はないでしょう。
「朝露の姫」候補の女の子達は、魔法に対する適性が高く、自分と違う属性の魔法でもしっかりと操ることができます。〉
はい、たしかに……覚えました。
では、参りましょう。まずは、ここから近い図書室へ。
〈ビルカが案内してくれる場所は、これからあなたが能力値を上げる修行をする場所です。
一週間のスケジュールを決める時、どの場所で修行するかを選びましょう!
成功すれば大幅に能力値が上昇しますし、失敗しても少しは成果があります。
図書室では精神力が上昇します。
精神力が高いと、修行の成功率が上がります。はじめにある程度あげておくと助かる能力値です。
また、魔法をつかった場合の効果の高さにも影響します。
修練室では気品を鍛えます。
あなたは魔法研究院の長である朝露の姫を目指しているので、多くの国民に受け容れられるような気品を身につけるのは大変重要です。この数値を上げると、騎士さま達が優しくしてくれることも……。
魔法塔では、魔力を上げることができます。
魔力が高ければ高いほど、魔法をつかう時に必要になるMPの上限値が増えます。ゲームが始まって二ヶ月経つと、あなたは騎士さま達とモンスター退治にでかけることができるようになるので、戦いで役に立てるようにある程度はあげておきましょう。
また、一定まで魔力が高まると、魔法を覚えることがあります。
武芸修練場では剣技を鍛えることができます。
これが高ければ、戦いでMP切れを起こしてしまっても役に立てます。また、騎士さまからの尊敬を集めやすくなります。
修行する場合、「体力」が必要になります。
体力は修行で上限が増えることはなく、物語開始直後の選択肢で上限値が増減します。
修行一日ごとに体力は5から18減り、修行に成功するとあまり減らず、失敗すると多く減ります。
体力の現在値が20以下になるとダウンしてしまい、三日間身動きがとれなくなります。体力は常にゲージの半分以上であるように調整したほうがいいでしょう。体力は「休息」すると回復します。
ビルカが部屋の壁に、現在のあなたの能力値、騎士さま達の情報、他の姫候補達の情報をまとめてくれているので、予定を決める時には一度参照するといいかもしれません。
また、部屋ではビルカとお話することもできます。彼女は騎士さま達についての噂話や、騎士さまの好みのものなどについて話してくれます。〉
(とぼとぼ……)
とても広い場所ですよね? わたくしも侍女になってはじめてここに来た時には、とても驚きました。世界中の本があるんじゃないでしょうか。
ここには凍林騎士団長のウィサームさまがよくいらっしゃいます。ウィサームさまは読書家でらっしゃるんですよ。
こちらは、図書室の向かいにある修練室です。
勿論修練といっても、騎士さま達のように剣を振りまわす場所ではありません。朝露の姫に相応しい気品と、礼儀作法を身につけて戴く場所です。最近はよく、陛下に内装を任された凰花騎士団長のジスルさまがいらっしゃるのですが、今はいらっしゃいませんね……。
姫候補さま、こちらです……どうぞ、お手を。
凄く眺めのいい場所でしょう? ここは魔法塔、おもに魔法の実践練習をする場所だそうです。
わたし達のような普通の人間は魔法を扱えないので、ここにはお掃除に参るだけですが、よく光賢騎士団のかた達が魔法の練習でいらっしています。なかでも団長のアルアーシルさまは、いつも熱心に練習しておいでです。
ここからは魔法研究院の主屋がすべて見えますね。きっとわたくしの姫候補さまが次の朝露の姫さまになると、ビルカは信じています。
こちらは武芸修練場です。
朝露の姫さまは魔法研究院の長であり、モンスターを討伐する為に多くの遠征に同行されます。モンスターと戦う為には魔法だけではなく、剣技も必要なのだとか。ですので、姫候補さま達にはこちらで剣の鍛錬も、できればして戴きたいと、陛下が……。
あら、あちらにいらっしゃるのは、蒼緑騎士団のラハブさまだわ。
「おや、姫候補のお嬢さんかな」
はい、ラハブさま。こちらは……。
「いや、いい。今夜にも謁見がある。その時に彼女達の名前を聞くことになっているから」
そうでしたか。
「ふふっ」
ラハブさま?
「いや、可愛らしいお嬢さんだと思ってね。では姫候補、また後で会おう」
(呆然)
ま、まあ、なんなのかしら?
姫候補さま、あまり気になさらないでくださいね。ラハブさまはわたくし達侍女もああやってからかうんです。姫候補さまに対して失礼だわ!
また、失礼な騎士さまに見付かるかもしれません。お部屋へ戻って、謁見に備えましょう!
〈ビルカは怒ってしまいましたが、実際のゲーム内でもこのように、騎士さま達と遭遇することがあります。
そうなったらチャンス! 「ごあいさつ」するか「お喋り」するかを選べます。
騎士さま達には「姫候補との親密さ」と「姫候補への尊敬」というパラメータが設定されています。
姫候補三人それぞれに数値があるのですが、ほかの候補ふたりよりも下回っていると、幾ら修行を頑張っても定期試験で味方をしてくれないかも……。
試験では「親密さ」が高い姫候補を応援する騎士さまが多いようです。
また、「尊敬」が高い騎士さまは、修行を手伝ってくれることがあります。どちらの数値でも、一定より高くなると素敵なアイテムを贈ってくださることも♡
「お喋り」をすれば親密さが上げるのですが、もし修行中だと修行の成功率が下がってしまいます。能力値が低い最初のうちは、「ごあいさつ」だけにとどめましょう。
「お喋り」ほど親密さは上がりませんが、「ごあいさつ」でも親密さはほんの少し上がります。運がよければ、修行に集中するあなたを騎士さま達は尊敬してくれるでしょう。〉
あっ……申し訳ございません、騎士団の寮を紹介し忘れていました。
あちらに見えるのが騎士団の寮です。左から凍林、凰花、光賢、蒼緑。騎士団の紋章が付いた、それぞれの旗が見えますでしょう?
あちらには騎士さま達がいつもいらっしゃいます。勿論、遠征や都の防衛がありますから、全員がいらっしゃる訳ではありません。お休みのかたもいらっしゃるでしょう。
〈騎士さま達と同じく、あなたにも一週間にふつかのお休みがあります。
お休みの日には、ビルカと一緒に宮廷の外へ出てお買いものをしたり、素敵な恋愛劇を観たり、憧れの騎士さまとの関係を占ってもらったりできます。
寮を訪ねて、騎士さまと親しくお喋りし、贈りものをしたり、魔法を教えて戴いたりすることもできます。
休日ではなく平日でも選択可能ですので、修行の合間に魔法を習いに行くのもいいでしょう。教えてくれる魔法は騎士さまによって異なり、能力値によって覚えるまでにかかる時間が変わります。能力値が低くて覚えられない場合もあります。
ストイックに自習をすることもできます。休日にはそれぞれの修行に騎士さまが付いてくれて、必ず成功しますし効果が大幅に上がります。かわりに体力の消費は必ず18なので、気を付けましょう。
修行での疲れをとる為に、「休息」することもできます。「休息」を選べば、体力は三分の一から半分回復します。「休息」は平日でもできますが、平日に「休息」ばかりしているとすべての騎士さまの尊敬がさがってしまいます。
また、条件を満たせば、お休みの日にお小遣い稼ぎをすることもできます。
騎士さま達と交流する際、大事になるのが「プレゼント」。入手には基本的にお金が必要になりますから、お小遣い稼ぎできるようになれば騎士さまとの親密さはぐんぐん上がっていくでしょう。
ただし、修行と同じで体力を消費します。消費する体力はお小遣い稼ぎの内容によって様々。
お金を稼ぐのに夢中でダウンしてしまった、なんてことにならないように、きちんと「休息」もとるようにしましょう。
修行やモンスター退治を頑張っていれば、騎士さま達とデートにでかけることができるかもしれません!
デートをすれば、騎士さまとの「親密さ」は大幅に上がり、あなたの行動次第で「尊敬」も上がります。特に、相性のいい騎士さまのお誘いは、成る丈断らないようにしましょう。
デートでは体力を消費しません。
おや?
ビルカは一番右の寮のことを忘れているみたいですね。きいてみましょう、〉
一番右?
ええと、あちらは白冠騎士団の寮です。団長はシャイールさま。ですが、白冠騎士団はモンスターの討伐に出ていて、今は一部隊が残るのみです。
シャイールさまも姫候補さま達の指導にあたられるという話でしたが、モンスターの数は宰相さま達が考えていらしたよりも多いようで、なかなかお戻りになりません……。
姫候補さま。
わたくしは一昨年まで、モンスターなんて見たこともなく、今後も見ることはないのだと思っていました。
でも、遠い昔のお話のようにモンスターが出てくる世のなかになってしまって、騎士団も貴族達も、国民をまもるのに文字通り血を流しています。ひとつの騎士団がこんなに長く都を離れるのは、とてもめずらしいことです。陛下もお心を傷めていらして。
姫候補さま達はいずれも、とても魔法への適性が高いと聞いております。どうか、姫候補さまの御力で、この国をまもってください。わたくしはその為に、全力であなたを支えます。
☆騎士団紹介☆
(立ち絵付き)
〈ここからは騎士団と、その団長である騎士さま達を紹介します。
騎士さま達はあなたの指導をしてくれますし、なんといっても素敵なかた達です。あなたが頑張っていれば、騎士さま達があなたに惹かれ、甘ーいエンディングを迎えることができるかも……♡
反対に、ほかの姫候補に騎士さまをとられてしまうこともあります。修行ばかりではなく、たまには騎士さま達と交流もするように心がけましょう。〉
☆蒼緑騎士団☆
騎士団のなかでも一番偉い騎士団です。筆頭騎士団と呼ばれることも。団長は陛下や宰相といつでも謁見できる権利を持っています。イメージカラーはピーコックブルー、紋章は孔雀。
現在の団長はラハブ・シャディード。20歳で、属性は光です。
伯爵家の出身で、爵位を継ぐ権利がありましたが、騎士になった際に父親と喧嘩して勘当されてしまいました。
騎士団長達のなかでは中間の年齢の20歳ですが、自分よりも歳上の凍林騎士団長のウィサームや、白冠騎士団長のシャイールに対しても、筆頭騎士団団長として堂々と接します。
剣の腕は騎士達のなかで随一。真面目に仕事をこなし、部下の信頼は篤いです。しかし女性に気易く接するタイプで、勘違いされては酷い目にあっているようです。
「やあ、可愛らしい姫候補。修行を頑張ってるみたいだね」
(対応している修行中に出会った時のせりふ)
☆凍林騎士団☆
騎士団のなかでもっとも古い歴史を持っています。騎士団長は伝統的に、宮廷図書室の管理人を兼任します。その業務の為か、読書家で勉学を好むかた達が多く所属しています。イメージカラーはイエローオーカー、紋章は三つ指のドラゴン。
現在の団長はウィサーム・ルアバ。26歳で、騎士団長のなかでは一番歳上です。属性は風。
数年前に革命が起こった隣国出身で、今も内戦状態にあるふるさとへいつか帰ることが夢です。
温和な性格で、本が大好き。騎士になるか教師になるかを迷っていたほどの勉強家でもあります。気が弱い部分があり、騎士団長達で物事を決める時は一歩引いてしまうことも。
どのような知識でもある程度は持っているので、次期宰相になるのではという噂もあるようです。
「面白い本は見付かりましたか? 勉強は楽しむのがコツ、ですよ」
☆白冠騎士団☆
騎士団のなかでもっとも人数が少なく、そのほとんどが貴族出身者です。伝統的に伯爵以上の爵位を持つ人物が団長になります。イメージカラーはパールホワイト、紋章は鶏。
現在の団長はシャイール・カハル。21歳で、属性は水。
侯爵でもある彼は領地を弟と妹に任せ、騎士として国をまもっています。家族は彼に、そろそろ騎士を引退して結婚してほしいとか。
あまり人付き合いが好きではなく、騎士団長同士でも長く会話することはありません。その態度から、貴族出身であることを鼻にかけていると誤解されることも。
実際の彼は休みの日に都を探索するのが好きで、平和な国を愛し、国民やその暮らしをなによりも大切に考えています。
「ここでなにを? 手伝い? ……ふうん」
☆光賢騎士団☆
騎士団のなかで一番の大所帯です。庶民出身者がほとんどで、騎士団長は役人を経験した人物が任命されると決まっています。イメージカラーはヴァイオレットとモスグリーン、紋章は三色すみれと北極星。
現在の団長はアルアーシル・ルウルウ。19歳で、属性は雷。
九人兄弟の末っ子で、子どもの頃からその当時にはすでにほぼ失われた技術であった魔法を研究しており、魔法に関する知識ならば騎士団長達のなかでも一番です。
魔法に関することになると周りが見えなくなる為、よく側近達をやきもきさせています。
魔法研究に没頭して職務を忘れ、ラハブから大目玉を食らうことも。知識が豊富なウィサームと魔法について議論を交わすこともあります。
モンスターと戦うことをまったくおそれず、死そのものもあまりこわがっていないようで、むちゃをしてしまいがち。
「やあ、姫候補さん。魔法の練習? 精が出るね」
☆凰花騎士団☆
騎士団のなかでもっともあたらしいです。貴族出身者と庶民出身者は半々くらいですが、今まで貴族しか団長になっていません。イメージカラーはスカーレット、紋章はライオン。
現在の騎士団長はジスル・マディーナ。17歳で、属性は炎。
いずれ子爵になる人物で、祖母の影響で芸術に造詣が深く、有職故実(宮廷行事や階級に関する学問)にも通じています。宮廷内の部屋の内装や、式典での飾り付け、監督を任されることも。
年齢相応に無邪気な一面もあり、騎士団長達には可愛がられています。
能力は高いものの、与えられた以上の仕事はやりたがらず、要領よく仕事をさぼって街へ繰り出しています。お気にいりは多くの冒険者が出入りする酒場や、軽業を見られるサーカス。
幼い頃に母親と生き別れており、「捨てられた」と思いなやんでいます。
「姫候補さま、こんにちは。僕になにか手伝えることはありますか?」
☆その他の人物☆
〈あなたの姫候補生活に深く関わるのは、騎士さま達だけではありません。一番近くに居るのはすでに紹介した侍女のビルカですが、それ以外にも四人があなたの周りに居ます。
これからそれらのひと達を紹介しましょう。
ビルカや四人ともイベントが起こることがあります。ライバル達とも競い合うだけでなく、なかよくしたらいいことがあるかもしれません。〉
☆陛下☆
あなたを含む姫候補達を招集した、王さまです。42歳で、属性は大地。一昨年、モンスターの襲撃でお后さまを亡くしました。王子がふたり居ますが、どちらも外遊中です。
即位前は騎士団とともに、広大な領地を他国の侵攻からまもって戦っていました。現在、自身が戦闘へ参加することはなくなりましたが、いつなにがあっても戦えるように鍛錬は欠かさず行っています。
謁見の間や美術室、武芸修練場に居ることが多いので、休日にそれらの場所を訪れたらお話しできるでしょう。試験についてのアドバイスも戴けるかもしれません。
姫候補を決める試験での投票権を持っているひとのひとりです。
「姫候補達、よく参った。我が国を救う為、そして世界をまもる為、そなた達には研鑽してほしい……」
☆ナスィーム☆
休日にでかけると、街で見かけることのある騎士さま(?)。20歳くらいで、とてもめずらしい二属性持ち。大地と闇の属性の魔法を操れます。武器屋や酒場、鐘楼広場や祈りの岬に居ることが多いです。
騎士らしい格好をしているのですが、紋章が付いていないサーコートを着ているので、どの騎士団所属かは不明です。
何度か顔を合わせると、名前を教えてくれて、次の休日デートの約束をとりつけることができるようになります。
どことなく高貴な雰囲気をまとっており、宮廷内部や貴族の事情にもくわしいようですが……?
「また会ったな、姫候補。あんまりふらふら出歩いてると、試験で落っこちるぜ?」
☆ファアス☆
あなたのライバルである、姫候補のひとり。16歳で、属性は風。
魔法研究家でもある男爵の娘で、自身も魔法を研究していました。姫候補三人のなかで、魔法のことを一番くわしく知っています(といっても、アルアーシルほどではありません)。
言動は控えめですが、大の負けず嫌い。朝露の姫になるのは自分だという絶大な自信を持っています。
勉強は大得意なものの、汗をかく運動は苦手。剣技の修行はきらいだそうです。
「あら、あなたでしたの。お勉強? めずらしいわね」
☆リワーヤ☆
あなたのライバルである、姫候補のひとり。17歳で、属性は雷。
公爵家の娘で、貴族との結婚の予定を取り消して宮廷へやってきました。
公爵家で大切に育てられた為か、少々居丈高でわがままなところも。しかし、マナーがわからず戸惑うあなたに丁寧に教えてくれるなど、根は優しい子のようです。
活発なタイプで、座って本を読んでいるよりも剣を振りまわしているほうが性に合うとか。
「なにをしているの? そんな持ち方だと自分を傷付けてしまうわよ」
☆都☆
〈休日に出歩ける都には、様々な施設があります。そのなかから主要なものを幾つか紹介しましょう。〉
☆スィフル占い店☆
異国人の女性占い師、スィフルがやっているお店です。
ここでは騎士さまやライバルの好きな場所や好きなものを教えてもらえたり、イベントを起こすためのヒントをもらえたりします。
モンスター退治で手にはいるアイテムとひきかえに、騎士さまやライバル達との相性を変化させることもできます。アイテムは必要ですが、その後ずっと相性がその数値になるので、アイテムが手にはいったらやってみるのもいいかもしれません。
☆サルーの道具屋☆
サルーという少年が営んでいる道具屋。正体不明のものが数多く置いてありますが、雑貨から食べものまで、なんでも揃っています。
騎士さまやライバルへのプレゼントを入手することができますし、高価ですが体力を回復するアイテムも売っています。
☆武器屋ジャウズ☆
屈強な男性店主がやっている武器屋。
ナイフから動かすのも難しいような大槍まで、武器ならば大概のものは揃っています。
ここでもプレゼントを購入できます。
☆酒場「椰子の木亭」☆
異国情緒あふれる酒場。
多くの冒険者や傭兵がたむろしています。綺麗なウエイトレスさん達とおいしいご飯が売りです。
おいしいものとお酒を楽しむカップルも多いよう。
☆鐘楼広場☆
都の中心にあります。待ち合わせスポットで、多くのひとが行き交っています。
☆祈りの岬☆
都の東端にある岬です。大事なひとと訪れて約束をすると、またそのひととこの場所へ来ることができるという伝説があります。
☆サーカス☆
☆本屋☆
☆市場☆ etc……
いずれもデート先として選べたり、お小遣い稼ぎで働いたりすることができる場所です。これ以外にも幾つか存在します。騎士さま達には秘密のお気に入りスポットもあるようですよ。
☆戦闘☆
(画像付き)
〈物語開始から二ヶ月経つと、騎士さま達を誘ってモンスター退治にでかけることができます。
モンスター退治にかかる時間は五日間。基本的には平日にでかけます。
戦闘ではチェス盤のような画面になり、あなたと騎士さま、騎士団のかた達を操作してモンスターを倒していきます。
魔法を覚えると戦闘が楽になるので、積極的に騎士さま達を訪ね、魔法を教えてもらうようにしましょう。〉
☆どうすればいいか迷ったら……☆
ビルカです!
姫候補さまの役に立てないかと思って、図書室で調べてみたんです。そうしたら、かつての朝露の姫さま選定の記録が残っていました。
基本的には後任を指名してから引退するのが慣例なのですが、長い歴史のある魔法研究院では、朝露の姫さまが突然お亡くなりになって、次の朝露の姫さまを騎士さまや陛下で決めることが何度もあったんです! 驚きました!
記録によると……。
やっぱり、能力値を重視して判断する騎士さまが多いみたいですね。朝露の姫さまを目指しているのなら、地道に修行を頑張るのが正しいみたいです。姫候補さまは頑張っておいでなので、そのままで結構かと。
……ただし、同じくらいの能力値なら、親しいかたを推す騎士さまがほとんどです。親密さが1.5倍くらいになると、能力値でだいぶ劣っていても、その姫候補さまをひいきして仕舞われるみたいです。聖雪祭や黒森祭でのエスコートも親密なかたを選ぶみたいですね。
うむむ、殿方って。
こほん。
でも、修行をきちんとこなしていて、定期試験の時にある一定の能力値にまで到達しているかたを、騎士さまは尊敬してくれるようです。反対に、能力値が低いままだと、尊敬はされません。
朝露の姫さまは国民に尊敬されているものです。騎士さま達が尊敬しているひとなら、国民も素直に尊敬できるでしょう。
それに騎士さまからの尊敬が高いと、国民達が姫候補さまに貢ぎ物をすることもあるようですよ。なにかの手助けになるかもしれません。
それから、モンスターとの戦いですが、騎士さま達を心配するあまり怪我をする姫候補さまが多かったようです。お優しいかたばかりなのですね。
ですが、姫候補さま達は強大な魔法の力を秘めた、王国にとって大切な御方達。騎士さま達も姫候補さまをまもることを最優先しているみたいです。姫候補さまが大怪我をしてしまったら、モンスターが残っていても撤退することを選ぶようですね。
ありがたいことですが、モンスターを倒せないままだし……無理せずに、戦い慣れた騎士さま達に積極的な攻撃を任せてしまうのがいいのかもしれません。姫候補さまは回復に専念するのが安全なのではないでしょうか? 回復魔法といえば、水属性か風属性か、光属性が有名ですね。ラハブさまは回復魔法をつかえたかしら……シャイールさまやウィサームさまに師事すると宜しいかもしれません。
姫候補さま、ビルカは役に立てたでしょうか?
まだまだ沢山勉強いたしますから、わからないことができたりなにかに迷ったりしたら、ビルカになんでも相談してくださいね!
え? 謎の騎士さまについて? ええっとですね、うーん……。
す、すぐに調べて参りますっ!
(キャスト、スタッフなど)
(トラブルシューティングとサポートの電話番号。使用上、ディスクの扱いの注意など、健康上の注意など。裏表紙に社名)
 




