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巨大聖剣からブロックを分析


 那由多ブロックが人気を博し、夜ノ文化祭が誕生するまでの詳細をまとめる。「一人称



 だれも知らないが、テーブルの上、地球儀を模した仕掛け時計は、世界の命そのもの。壊れれば、夜ノ文化祭も破壊されるように「プログラム」されている。

 そんな重要なものが乱雑に置かれている部屋。

 そこで僕は「世界の魔女」と対話をする。


 ――――


 Q「那由多ブロックの全体配布」


 “現実”の昼に、「ラピスラズリ色の戻れない旅」が破壊された。


 嘲笑うように「犯人」は逃げ続ける。名も無き配信者は生配信をしているので、彼のアバターの居場所は分かっているのだが、高所に登っては滑空マントで逃げる――を繰り返しているのでなかなか倒せない。

 既に「リスポーン地点」には「鉄の檻」が儲けられ、さらにその周りを有志による「ぼうえいたい」が囲んでいるので、倒しさえすればできるのだが、なかなか捕まえるのは困難だった。

 PVPならともかく、このゲームの特性上片方が逃げに徹すれば倒すのは難しい。


 配信者のリアルでの体力が尽きて、眠った隙をつく他ない。


 しかし、配信者は仮眠する旨を告げると画面を暗くし、音声のみにした。

 音を聞く限り、どこかの「海底」に潜ったらしい。

 大量にアイテム「酸素ボンベ」を持ち込んでいたのであろう、海底にバリケードを作ってNPCの敵キャラクターから身を守りつつの籠城を決め込んだ。

 これは見かけ以上に由々しき事態だった。

 プレイヤー達のマナーによって成り立っていた世界で、せっかく芸術的な価値のある美しいブロック作品が発見されたにも関わらず、このまま犯人が放置されれば「荒らした者勝ち」の状態になってしまうところである。


 ユーザー達が必死に捜索しているのは、ネットの世界の新しいムーブメントの発生に自分たちが存在できるかもしれない、という期待感や、感動した自分の心を踏みにじられた怒りからの行動であった。


 また、「制作者」に出てきて欲しい、という思いもあった。あれほどの作品をまた作れるのは制作者しかいないし、その時点ではまだブロックが配布されていない――――


 制作者の作ったブロックを、自分たちも使ってみたいという気持ちが、熱心なユーザー達に芽生えていたのだ。


 無限に広がるブロック世界の、ただでさえ見えづらい海中である・・・・・・それも、岩ブロックで身を覆われていては外から見つけるのは難しい。


 「大量爆破」の弾薬も尽き、「ブランチマイニング」による人海戦術での捜索もなされたが、一向に犯人が見つかる気配もなかった。


 その状況が一変したのも、「爆破」と同じような一瞬の出来事だった。


 突如、夜空に巨大な「聖剣」が現れたのである。人口密集地帯にいるユーザーの全てが目にする、山脈ほどの大きさのある聖剣が、夜空をまたにかけて浮かんでいる。


 それが海に振り下ろされた――南西の海に向かって発射された。ミサイルのように、遙か水平線の彼方へと飛んでいった。


 ユーザー達がその直線上を追跡すると、剣は海底に向かって真っ直ぐに突き立てられていた。

 そして、剣先には撃破されたアバターが抱えていたらしき大量の「TNTブロック」が散乱している。


 当然、リスポーンした「犯人」が牢屋に入っていた。


 人々は、剣が発射された空に浮かんでいた「騎士」を見た。

 「ラピスラズリ色の戻れない旅」で「箱庭の王子夫妻」を守護していたのと同じ騎士である。

 騎士は「一枚岩」のあった跡地に行くと、そのまままた眠りについた。


 ――――騎士の出現と同時に世界にもたらされたのは、「巨大聖剣」に含まれていた全ての「ラピスラズリ色の戻れない旅を構成していたブロック」であった。




 


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