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救われる那由多の心
坑道に隠して作っていた、自分の開示できないけれど尊重したい、捨てきれない、誰かに素敵だと言ってもらいたいありのままの自分の作品を、坑道の人達が保管し続けた。彼らが、それに感動したから。彼らにとっての「メッカ」だった。評価値は低いし、そこが評価されるわけにはいかないから(評価値がある人にとっては、じゃあ自分たちはどうなる?と価値を逆転される危険がある。これは新しい者への差別と同じ)
それを自分たちの世代が見つけるし、それが那由多の救いにもなる。
那由多は自分が人間であることにコンプレックスを抱いていた。
自分の人間としての部分を炭鉱に作品として残した。
だから自転車のくだりが炭鉱に残っていた。
大切な思い出だったから。
たとえ忘れて前に進まないといけないことでも。
世界最高評価値の場所の入り口は、世界最低評価の場所にあったのだ。
そして軍需産業のような、争いが起きることで儲ける悪の力は・・・・・・




