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主人公の推理の経緯~古代ヒーローを復活させる渓谷「ラピスラズリ色の戻れない旅(現代版)」を作り上げるまで~

本作のもっとも分かりやすい筋は、「終末のゲートから出てきた破壊怪獣から夜ノ文化祭を守る」という目的です。



 全てを破壊する強大な「神」=ファフロツキーズを喰らう森を倒せる唯一の存在、「古代ヒーロー『9年前の風』(9年前の風、と言う名前のヒーローなんです)」を頑張って復活させます。


 解決方法は、以下の4段階あります。


 1・『9年前の風』の存在を知る。

 2・『9年前の風」が封印されている場所を特定する。

 3・「9年前の風」の復活方法を特定する。

 4・「9年前の風」の復活方法を実践するプランを考える


 主人公がどのようにしてこれらをクリアするのか。それを全て描けば、作品のメインを成立させられます。


 ――なんで終末のゲートから破壊神が出てくるの?――


 夜ノ文化祭の本来の物語は、「ファフロツキーズを喰らう森」によって文明世界が飲み込まれ、まっさらになるという「世界破滅エンド」です。

 その実現は「終幕派」の悲願でした。


 既得権から引き延ばされていましたが、夜ノ文化祭の金銭的価値が低下したことで、『売り逃げ」を望む層が、「最後の盛り上がり」のために終幕派に投資し、「終幕のゲート」の作成に必要なブロックを集めました。


 長い物語の終わりには、様々な利権があります。放映権とか、終わった直後の記念展の権利とか。

 そういうのを持っている人達が投資し、「エンド・ブロック」を保有するアカウントから奪いました。


 「現状維持派」による「森への対抗作戦」はたしかに関心を集めます。

 維持派は、夜ノ文化祭の換金価格が下がりきるまでぶら下がっているつもりだったり、まだやりたいことがある人だったりと、一枚岩ではありません。


 しかし、どのみち維持派が勝ったところで、夜ノ文化祭の「換金性」はピークアウトすることは目に見えていました。


 主人公の立場としては、より若い世代のために夜ノ文化祭を残しながらも、既得権の構造をこの「チャンス」に入れ替えることが重要でした。


 「森を止めること」「混乱に乗じて夜ノ文化祭の王座(過半数量の評価値という主権)を奪うこと」この2つのミッションが主人公にはあるわけです。


 ――――神話が実在したと仮定して謎を解く――


 評価が力の世界で、主人公の世代にはどうしようもない閉塞感があった。しかし、評価よりも強力に作用する「創造主によるルール」にチャンスがあるから、主人公が挑戦する意味があるのです。


 ではなぜ想像主によるルールにチャンスがあると分かったのか?


 それは夜ノ文化祭の歴史を見て「那由多の変わりよう」に違和感を覚えたからです。作中の時系列には、那由多が囚われてから人が変わってしまい、それによって金銭の絡む世界になったと書きました。


 つまり、人が変わる前の那由多の「介入」は「ルール化後」とは違う価値観――「作品主義」の仕組みが盛り込まれている可能性があるのです。


 主人公は「僕が物語に殺される話だ」というとおり、既得権側の「夜ノ文化祭歴史観」に被害を受けていますが、「語られていない側面の経緯」を体験しているのです。ドロップアウトしたことで「自分で考えて」それを自己認識します。


 そこが、推理がはじまりまる入り口になります。


 「タブー」という神


 夜ノ文化祭には、見てはいけない神がいる。神を見ないために最善を尽くす。蓋をし、布で覆い、鍵をかけ、立ち位置禁止の場所に保管する。 

 その神は、見られないことで評価を増す。語られないことで評価を増す。

 もし、その神を語ったり、描こうとする者がいれば、低評価のペナルティが下る。

 そして誰かに低評価のペナルティが下れば、神の神たる評価は増す。神は、その高い評価によって自分を神たらしめている。


 そんな、もっとも評価の高い「アカウント」が神である。


 夜ノ文化祭の神は、どのように誕生したのだろうか?そして夜ノ文化祭が終わるとき、神はどのような最期を迎えたのだろうか?


 神とは、誰なのか?


 ・・・・・・・


 ラベンダーが美しく香る温室は完全密閉されていて、先週から、私の死刑を執行するための「薬の霧」が注入されている。


 ここは世界で最も優しく、名誉ある処刑場。

 死への恐怖すらなくしてくれる。


 私は既に、死への恐怖を失っている。

 第一の薬・・・・・・死への恐怖心を和らげる薬。脳の恐怖を司る部分を麻痺させるその薬を、私は十分量吸いきったようだ。

 今朝、匂いが変わった。ラベンダーの香りが、より柔らかくなった。

 死を恐れなくなると、匂いの感じ方も変わるのだろうかと思った・・・・・・違う、第二の薬に切り替わった影響だ。


 今度は、私を絶命させる薬の霧だ。


 天井のカメラにむかって、私は語りかける。「あと何時間ですか」


 「おそらく、言葉を残せる時間はあと30時間ほどと思います」

 別室で私を監視し、何かと世話をしてくれてきたチョウ・ジーイン女史が答えてくれた。


 彼女は私の遺言を待っている。



 人権を奪われ、神として処刑される人間の、最後の言葉を待っている。 




 ――――封印手段――――


 21世紀、日本という国に、別の王国が9秒間存在した。

 9秒間、日本は、魔法の存在を認めた。

 9秒後に私は逮捕され、それから20年以上拘留され、今日に至る。

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